岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

岩手県大槌町から仲間が来てくれましたよ。

2013-03-20 20:59:03 | ボランティアとアムダ

今日はいそいそと岡山駅の近くにある国際交流センターに行きました。

岩手県大槌町にあるAMDA健康サポートセンターの大久保彩乃さんを囲む会を開かれました。
岡山の高校生と大学生が参加しました。

岡山の高校生は、吹奏楽の演奏で大槌町を訪問したばかりです。また大学生は「おかやまバトン」という支援グループで活動している方々が中心でした。

今までも大槌町からは様々な方が継続して来岡されているのですが、時が経つに従い新たな課題が生まれていることがよくわかりました。
また、改めて被災の大きさと課題の多さ、困難さを思い知りました。

私が書き留めた大久保さんの発言を書いてみたいと思います。



大槌町の被災状況とその後

震災前人口15000人が、今は12000人に減少している。
1230名が震災で死亡。現在も430名が行方不明。関連死47名。
住民の9割が被災。
大槌高校は定員120名に対して75名の応募しかない。
卒業する学生のうち地元で就職できるのは20名程度。
後の人々は大槌からでていかなければならない。

まだ若い人は地元で臨時雇用などの仕事があるが、高校生の親の年代はそれもない。

住民の意見が行政に取り上げられることが少なく、不満に思っている人が多い。
その原因に、役場の職員に県外から派遣者が多いため地元の声を汲み上げられていないことがあると。
現在、地元の職員は半分程度だという。
地元の職員は責任を取りたくないために外部からの職員に任せるようになるのだと。
このような問題が生じる要因に職員の縁故採用がある。
町長や幹部職員の縁故という。
※大久保さんの個人的な意見ということです。


町民の最重要課題は住宅問題。
仮設住宅は期限付きであり、新しく住宅を建設する必要があるが自宅のあった場所には建てられない。
でも新たな宅地がない。
消費税が上がる前に契約を終えていないと余分な経費がかかってしまう。
焦っているができないことばかり。
今、役場は宅地の買取金額の提示をしているが、町民の声が反映されていない。

伝統芸能の話も聞いた。
三陸では伝統芸能が盛んで毎年9月には盛大の行われていた。大久保さんが高校1年の時に参加したお祭りのビデオを見せてもらった。
芸能文化は、これからどうなるのだろうか。
町の人々は、大槌が廃れるとか、写真を残すということに、今でもこころが及ばない。
この状況を外へ発信しようという人も少ない。


学生からも様々は質問が寄せられた。
吹奏楽の演奏で大槌町を訪問した高校生は、
「観客の皆さんが涙を流して聞いてくれた、だけれどその涙がどのような涙なのか理解できていない」

大久保さんのコメントは、
泣く場所があったことがよかったのです。日頃は泣けない。なぜならもっと苦しんでいる人がいるのに私が泣くわけにはいかないとみなさん思っている。
だからAMDA健康サポートセンターでは、町の人々が泣き笑える場所を作っていきたい。

高校生からは、私たちはなにをしたらいいのですかという質問もあった。
これはとても難しい質問だ。

大久保さんは、「これから私たちは自立していかなくてはならない。でも忘れないで欲しい」
「例えば、忘れていないということを様々な手段で届けていただけたらいいな。メッセージや垂れ幕やポスターなどなんでもいいので」

※思い出すままに書きました。大久保さんの思いとは、づれたかもしれません。
もちろん文責は岩清水にあります。
深く考えさせられました。
大久保さん、学生のみなさん、AMDAスタッフのみなさん、報道のみなさん。ありがとうございました。





大槌中学校の生徒たちの写真です。皆さんは春休みを利用して全国各地に支援のお礼と語り部役で回っているそうです。そうそう外国に行っている学生さんもいますよ。


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