有識者会議は消費増税偽装!日銀の黒田総裁は財務省出身の増税派//増税阻止!
- 増税が万能の解決策ではない。増税を回避するミクロ政策の議論を!
増税が万能の解決策ではない。増税を回避するミクロ政策の議論を!
2013.09.04 (HRPニュースファイル)
◆有識者会議で増税にGOサイン?
現在の日本経済に関する最大の問題点の一つが、来年4月に消費税増税が実施されるか否かでしょう。
政府は有識者会議なるものを開き、8月31日に終了。当会議で7割に当たる44名(増税反対派は6名のみ)が予定通り来年4月に消費税8%引き上げに賛成をしたわけです。
加えて、日銀の黒田東彦総裁は、消費税増税が日本経済の成長を妨げないとの見解も示しており、財務省の増税を支持することを表明しています(7月29日 日本経済新聞参照)。
言い換えれば、増税をすることで国債市場の信任が守られること。金融緩和の効果が増税効果を打ち消すので成長を妨げることはないということです。
黒田総裁の見解は、典型的な財務省の主張ですが、同氏が元財務官僚出身であることを考慮すれば、当然の結論であります。
このように、増税包囲網が完成に近づいており、今回の有識者会議が増税へのGOサインになったと言っても過言ではありません。
増税を延期ないし中止させる最後の望みは、浜田宏一名誉教授のような「増税慎重派」の意見と安倍総理が判断する最新の経済指標しかありません。
◆「合法的強盗」
増税問題が語られる時は、どうしても経済成長や失業率などのマクロ経済政策ばかりが議論をされますが、それ以外のミクロ的側面も触れておきましょう。
日本国憲法第30条では、納税の義務が定められています。私たちの納めた税金は、道路や港湾などのインフラや一般的な行政サービスに使用されます。国家を維持していくための税金は誰もが否定できません。
しかしながら、増税とは、合法的に国民の財産を巻き上げる「合法的略奪行為」だという側面があります。
私案の段階ではありますが、死亡消費税(東京大学の伊藤元重教授発案)や教育目的税(文科相の下村博文氏の私案)などの導入が検討されているなど、新しい税金が今後も増えていくことが予想されます。
既に、国と地方を合わせて70種類近くの税金が日本に存在します(『増税亡国論』参照)。私たち国民は、年金保険料などを含めると、相当の資金を政府に支払っています。
したがって、これ以上の税負担増は、日本国憲法第13条の「幸福追求権」と第29条の「財産権の侵害」に抵触する可能性もゼロではありません。
アメリカ第29代大統領のカルビン・クーリッジは、「必要以上の税を集めるのは合法的強盗である」という名言を残しました。同大統領の言葉を借りるならば、現在の日本政府は「合法的強盗」行為をしていることになります。
本物の強盗が、盗んだものを遊興で使い果たすように、「強盗」政府が増税で得た資金を正しく使用する保証はありません。例えば、復興税が沖縄に流用されていたように、何に使われるかは極めて怪しいと言えましょう。
◆「税と社会保障の一体改革」に欠けている論点
2012年8月10に可決された消費税増税関連法案には、税と社会保障の一体改革が盛り込まれていました。基本的には、所得税や相続税の最高税率引き上げ、地球温暖化対策税などが盛り込まれているため、「増税ラッシュ法案」と見て間違いありません。
社会保障などの人命に関わる領域であるため、莫大な税金を使用するのが当たり前と思われています。毎年、社会保障費は一般会計予算で30兆円近く支出されており、年当たり1兆円を超えるペースで増加するとも言われていますが、ここにはカラクリがあります。
社会保障は社会保険方式と呼ばれ、本来ならば社会保険料で運営されなければなりません。年金、医療、介護はほぼ全てそうです。
しかしながら、日本では保険料収入は約7兆円に対して実際の支出は約27兆円です。つまり、不足分は税金が投入されているわけです(拙著『日本経済再建宣言』参照)。
したがって、社会保障のリストラが必要なのです。専門的には、「選択と集中」と呼ばれています。
政策パッケージとしては、保険料の引き上げ(厚生年金の保険料は引き上げられた)と拠出額の引き下げ、年金支給年齢の引き上げなどを上手に組み合わせることです。
最後の論点は、幸福実現党が主張している「生涯現役構想」そのものです。
さらに言えば、社会保障分野は、現役世代が納めた保険料をもとに、リタイア世代に拠出される賦課方式から積立方式(将来の年金給付に必要な原資を保険料で積み立てていく方式)への移行も検討課題として入れるべきでしょう。
ただ、どれも政治的に難しい課題を抱えているために、短期政権では着手できるものではないことも事実です。
要する、増税が万能の解決策ではなく、上記の政策を上手に組み合わせて増税を回避することができるということです。
日本国憲法には、主権は国民にあると書いてあります。言い換えれば、課税権を乱用する政府を牽制できるのは、納税者である国民側にあるということを思い出すべきです。
したがって、消費税増税の反対署名や地元政治家への陳情は、消費税増税を止める最後の希望となるのです。幸福実現党は、最後まで消費税増税中止を諦めません!