古美術 崎陽

古唐津 茶碗 他お茶道具等 古美術全般を取り扱う「古美術崎陽」のHP日記

長崎の歴史~正月編~1

2012-12-28 04:45:38 | 長崎の歴史
『オランダ正月』~1

江戸時代に長崎の出島在住のオランダ人たちや、

江戸の蘭学者たちによって行われた

太陽暦(グレゴリオ暦)による正月元日を祝う宴である。

「紅毛正月」などと呼ばれることもある。


~長崎のオランダ正月~

元々は長崎出島のオランダ商館で、

日本在留のオランダ人が祝っていた風習であった。

江戸幕府によるキリスト教禁令のため、

表だってクリスマスを祝うことができなかったオランダ人が、

代わりとして冬至に合わせて「オランダ冬至」として開催し、

また日本の正月の祝いをまねて

太陽暦による正月元日に

出島勤めの幕府役人や出島乙名、

オランダ語通詞たち日本人を招いて

西洋料理を振る舞い

オランダ式の祝宴を催したのが始まりである。

これを長崎の人々は阿蘭陀正月と呼んだ。

やがて長崎に住む日本人

とりわけオランダ通詞らの家でも

これを真似てオランダ式の宴が催されることもあった。

異国の文化に関心をもっていた長崎の人たちは、

その様子を版画や絵画に描き残しています。

文政年間の『長崎名勝図絵』では献立が記されており

牛肉・豚肉・アヒルなどの肉料理や

ハム、魚のバター煮、カステラ、

コーヒーなどが饗されていたようだが、

招かれた日本の役人は

ほとんど手をつけずに持ち帰ったともいう。


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