長崎の唐寺の一つ「興福寺」は隠元禅師入山のお寺
つまり最初の黄檗宗の寺です。
大雄宝殿(本殿)が国の重要文化財となっています。
ここには1663年、中国人仏師によって長崎で制作されたという
韋駄天像があります。
同像は台座を含め高さ2メートル22センチの木造。
韋駄天は伽藍を守る仏法の守護神とされ、
甲冑姿でりりしい顔立ち。
全体に金箔が施され、朱や青色などで彩色された甲冑は
細かい彫刻が施され、山水画などで装飾されている。
同像の作者は不明だったが、
昨年、九州国立博物館の楠井主任研究員が
京都の萬福寺にある
中国人仏師「范道生」制作の韋駄天像と作風が似ていることなどから、
范道生かその弟子の制作と推定した。
同像は展示後も同博物館にて
科学機器など使った本格的な調査が行われる。
九州国立博物館には最新鋭の透過調査機器がある。
精緻な調査で新しい発見があることだろう。
「長崎の興福寺」展は8月19日から九州国立博物館で始まる。
古美術崎陽