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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

映画「パフューム ある人殺しの物語」

2020-08-14 04:51:38 | 映画


FOXムービーは早朝たまにおもしろい。
きのう4時半から「パフューム ある人殺しの物語」をやっていた。【PG12】だからいかがわしいのかと思って5時ごろテレビをつけたらおもしろさの匂いがした。
原題「 Perfume: The Story of a Murderer」は、2006年製作のドイツ・フランス・スペイン合作映画。18世紀のパリを舞台にしたパトリック・ジュースキントの『香水 ある人殺しの物語』の映画化。

【あらすじ】
18世紀のフランス・パリ。悪臭漂う魚市場で、一人の赤子が産み落とされた。やがて孤児院で育てられたその男児の名はジャン=バティスト・グルヌイユといい、生まれながらにして数キロ先の匂いをも感じ取れるほどの超人的な嗅覚を持っていた。
成長したグルヌイユはある日、街ですばらしい香りに出合う。その香りを辿っていくとそこには1人の赤毛の少女がいた。少女の体臭にこの上ない心地よさを覚えるグルヌイユであったが、誤ってその少女を殺害してしまう。少女の香りは永遠に失われてしまった。しかしその香りを忘れられないグルヌイユは、少女の香りを再現しようと考え、橋の上に店を構えるイタリア人のかつて売れっ子だった調香師バルディーニに弟子入りし、香水の製法を学ぶ。同時にその天才的な嗅覚を生かして新たな香水を考え、バルディーニの店に客を呼び戻す。
さらなる調香技術を学ぶため、香水の街・グラースへ旅に出るグルヌイユはその道中、なぜか自分だけ体臭が一切ないことに気づく。グラースで彼は、裕福な商人・リシの娘・ローラを見つける。以前街角で殺してしまった赤毛の少女にそっくりなローラから漂う体臭は、まさにあの運命的な香りそのものだった。これを香水にしたい、という究極の欲望に駆られたグルヌイユは、脂に匂いを移す高度な調香法である「冷浸法」を習得する。 そして時同じくして、若い美少女が次々と殺される事件が起こり、グラースの街を恐怖に陥れる。髪を短く刈り上げられ、全裸で見つかる美少女たち。グルヌイユは既に禁断の香水作りに着手していたのだった……。


主演ベン・ウィショー(Ben Whishaw)の存在感。骨格から来る陰影が凄い。女の匂いを嗅ぎ付けて捕まえて殺すという役柄にこれ以上の面構はないのではと思わせる。究極のストーカーにして殺人者、そして芸術家である。
1980年イングランド・ベッドフォードシャー州出身と知り、アメリカ人でないことに納得。アメリカは食えないイギリス人が流れて作った国、イギリスと同根なのに陰影のある役者はアメリカ人でない。アメリカ人よりイギリス人のほうが内面の奥行を感じるのはなぜなのか。


香水の師匠ダスティン・ホフマンとのコンビがいい絶妙。ダスティン・ホフマンの明るさ、おおらかさとベン・ウィショー襞のような陰影が調和する。



脂を塗ってそれに匂いを移す「冷浸法」。エロティシズムの極致。


処刑されるために上がった処刑台で法王か皇帝のごとく振る舞うグルヌイユ。特上の香水で集まった750人の官能を麻痺させる。香水の香りを吸って全員が裸になって抱き合ったり交合する場面が展開するのだが、よく撮れたものだと感心する。この映画は劇場で見たい。このシーンだけでも。それほどの裸の量である。


この映画いちばんの美女ローラ役のレイチェル・ハード=ウッド。綺麗な女は芳香を発するというのは男の願望であり夢である。確かにこの女優、いい匂いがするだろうなと思わせる。この人丸坊主姿で殺される。


いい女を瓶詰で保管したいという欲求もわからないではない。とにかくこの映画は淫靡なエロティシズムに満ちていて見始めたら最後まで持って行かれる。ゆえに逸品である。
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