公益財団法人・角川文化振興財団が最近告知した57回蛇笏賞受賞者に関する記事をそのまま引用します。以下のとおり。
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第57回蛇笏賞は、2023年4月14日に角川本社ビル(東京・飯田橋)において選考会を行い、下記の授賞作が決定いたしました。
選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『俳句』6月号(角川文化振興財団発行;KADOKAWA発売)に掲載予定です。
第57回 蛇笏賞
小川 軽舟 句集『無辺(むへん)』(2022年10月刊 ふらんす堂)◇表彰
賞状・記念品ならびに副賞100万円
◇選考委員
高野ムツオ 高橋睦郎 中村和弘 正木ゆう子(敬称略/50音順)
◇贈呈式
2023年7月4日(火曜日)角川武蔵野ミュージアム4階本棚劇場
◇授賞者略歴
小川 軽舟(おがわ けいしゅう)
1961(昭和36)年2月7日、千葉県千葉市出身。1986年「鷹」に入会、藤田湘子に師事。2005年藤田湘子逝去により「鷹」主宰を継承。俳人協会評議員、毎日新聞俳壇選者。2001年第25回俳人協会新人賞(『近所』)、2004年第19回俳人協会評論新人賞(『魅了する詩型——現代俳句私論』)、2019年第59回俳人協会賞(『朝晩』)。
句集に、『近所』『手帖』『呼鈴』『俳句日記2014 掌をかざす』『朝晩』『無辺』。
著書に、『魅了する詩型——現代俳句私論』『現代俳句の海図』『シリーズ自句自解Ⅰ ベスト100小川軽舟』『藤田湘子の百句』『ここが知りたい! 俳句入門——上達のための18か条』『俳句と暮らす』など。フォームの終わり
選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『俳句』6月号(角川文化振興財団発行;KADOKAWA発売)に掲載予定です。
第57回 蛇笏賞
小川 軽舟 句集『無辺(むへん)』(2022年10月刊 ふらんす堂)◇表彰
賞状・記念品ならびに副賞100万円
◇選考委員
高野ムツオ 高橋睦郎 中村和弘 正木ゆう子(敬称略/50音順)
◇贈呈式
2023年7月4日(火曜日)角川武蔵野ミュージアム4階本棚劇場
◇授賞者略歴
小川 軽舟(おがわ けいしゅう)
1961(昭和36)年2月7日、千葉県千葉市出身。1986年「鷹」に入会、藤田湘子に師事。2005年藤田湘子逝去により「鷹」主宰を継承。俳人協会評議員、毎日新聞俳壇選者。2001年第25回俳人協会新人賞(『近所』)、2004年第19回俳人協会評論新人賞(『魅了する詩型——現代俳句私論』)、2019年第59回俳人協会賞(『朝晩』)。
句集に、『近所』『手帖』『呼鈴』『俳句日記2014 掌をかざす』『朝晩』『無辺』。
著書に、『魅了する詩型——現代俳句私論』『現代俳句の海図』『シリーズ自句自解Ⅰ ベスト100小川軽舟』『藤田湘子の百句』『ここが知りたい! 俳句入門——上達のための18か条』『俳句と暮らす』など。フォームの終わり
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われら門弟は「おめでとうございます」と申しあげたい。『無辺』の前の句集『朝晩』はこの賞の候補に上ったと聞く。『朝晩』については鷹誌に拙文を寄稿した。この句集を読んで芸域の広さと平明さにえらく打たれた。
鷹主宰の巧さは月々行っている「小川軽舟を読む」で随時言及している。天地は親分をヨイショしているという陰口も聞こえるが実作者の立場から見て、巧いのである。巧いのだがそれが前へしゃしゃり出ない節度、品格があるのである。そのへんの呼吸を小川軽舟は鷹のホープページで以下のように書いている。
俳句はなにしろちっぽけな詩型ですので、立派な主義主張を持ち込むのには適しません。大いに訴えたいことのある人は、他の表現手段に行ったほうがいいでしょう。俳句は自分をからっぽにする文芸です。俳句というフィルターを通すと、私たちの身の回りのすべてが、日常とはほんの少し違った光を放ちます。そこには私自身はえらそうに出てはきません。私はからっぽなのです。しかし、からっぽでよいと開き直ったとき、私は世界を産む力を得るのです。俳句とは、そういう不思議な文芸です。
素晴らしい文言であるが、からっぽになることは言うほの簡単ではない。言葉を操る人間はおおかた自己顕示のかたまりといっていい。ほんとうにからっぽになって、欲を捨てて、人がわかり深く感銘する句を得られるか小生はまだ疑問である。その領域へ踏み込んでいるとみられる鷹主宰についていくしかないだろう。ともかく仰ぎ見る先達なのだ。