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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

勝敗の分水嶺

2020-11-12 05:51:18 | 大相撲

左:千代の国、右:魁聖

大相撲十一月場所、四日目。千代の国が魁聖に掛け投げを決めたシーン。スリリングな構図でありどちらが先に落ちるかハラハラした。
身長182cm体重146kgの千代の国が身長195cm体重204kgの魁聖を仕留める技としてはやや無謀。よって掛けた左足を何度も跳ねあげて相手の態勢を崩した。
千代の国は大技をかけることで負傷が多く、いまも右肩に膏薬をべったり貼っている。また負傷するのではとハラハラしたが大丈夫であった。
大相撲は格闘技であり大技は華である。野球の華がホームランであるように。
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正代の型とは何ぞや

2020-09-29 04:08:56 | 大相撲


大相撲九月場所は関脇・正代の見事な優勝で終った。見事というのは13勝挙げたことである。中盤の星のつぶし合いを見て優勝は12勝の可能性を思ったが13勝はすばらしかった。抜きん出た。
これで来場所から大関になるのだろうが、さて、この力士はどんな型の力士になるのだろうか。常識で考えると彼が大関になるとは思えない相撲内容なのだ。
まず腰高、ついで反身で相手を受ける、顎が上がっている……欠点だらけ。
師匠はなぜ矯正しなかったのか、と思う。これは野球でイチローのフォームを矯正しなかったのが良かったというのとはまるで違う。正代が低迷していたときぼくは腰高・反身を見てよく幕内にいられるなあと驚いたものである。それが大関を射止めたのだから日が西から上がるような驚きを禁じ得ない。

大相撲の公式サイトは正代を次のように紹介する。
得意技:右四つ・寄り。決り手の傾向:寄り切り36%、押し出し20%。
寄りはその通りだが「右四つ」をいま疑っている。
今場所、正代がちゃんと回しを取った相撲は何番あったのか。ほとんど回しにこだわらない押し相撲であった。回しを取れるケースで取らないで出て墓穴を掘った隠岐の海戦に当ブログで苦言を呈した。
今場所の押しの圧力は凄かった。四つ相撲の朝乃山を押し倒し、押し相撲の貴景勝も屠った。文句ないのだが、さて、正代の型は……となったとき先が茫洋として見えない。
やはり腰高・反身が相撲本来の型に立ちはだかる。

腰高で大関になった印象的な力士が魁傑である。ぼくが中学3年か高校1年のとき活躍した。
魁傑將晃(かいけつ・まさてる)
【大関戦歴】70勝65敗 (9場所)
昭和46年9月 入幕
昭和50年3月 大関11-4
昭和50年5月 大関12-3準優勝
昭和50年7月 大関8-7
昭和50年9月 大関6-9
昭和50年11月 大関6-9
大関陥落
昭和52年3月 大関8-7
昭和52年5月 大関8-7
昭和52年7月 大関6-9
昭和52年9月 大関5-10
大関陥落
昭和54年1月 西前頭9 11日目引退



短命であったと思った通り、大関9場所で終っている。この人の腰高を見たとき、よく大関になれたなあと思ったものだ。

今、魁傑と正代がダブってならぬ。できれば正代は魁傑になって欲しくない。今場所の馬力相撲が続けばいい。しかしまだ型がない正代は危ない要素も多々ある。型をいえば朝乃山や貴景勝のほうが身につけている。腰高・反身の押し相撲を型にはできないだろう。
そういう意味で非常に興味深い力士である。正代なりの型とはどんなか。注目したい。
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大相撲の変なマナー

2020-09-22 04:25:12 | 大相撲

九日目、対炎鵬戦で逸ノ城が審判にお詫びの一礼


9月21日付讀賣新聞によると菅内閣の支持率は74%とか。ふーん、そのうち落ちるだろういうほどの興味しかない。政治・経済はわからず大相撲などの細かいところが気になる。

それは立ち会いが合わずもう一度やり直すとき、力士が審判長の方を向いて礼をすることである。そのとき力士の世界に観客は不在で、自分の組織の上司しか視界にない。
協会が立ち会いの見直しをしたのは評価する。以前の相撲を見ているとまるで腰が下りない中腰で立っている。今の立ち会いは腰が沈んで手が下りて美しい。綻びた伝統を修復している。
それを徹底しているので監視も厳しく、違反した場合咎める視線がきついのだろうが、力士は下からのお偉方の視線など無視すればいい。
俺たちは立ち会いに生活がかかっているんだ。仕切り直しして何が悪い。というくらいの気概があっていい。見るほうだって呼吸が合わない立ち会いも興味深いのである。
間違ったらいちいち上司のほうを見てごめんなさいなどというのはプロなのか。これは一般に対しての礼を失しているのではないか。うちわのことを公の場でするべきではなく、必要ならば土俵の外でやるべきではないかと思うのである。

われわれはこのシーンを見て学ぶべきである。気がつかないうちに礼儀がうちうちの仲間同士のだけのものになっていはしないか。村の中さえ安泰ならそれでよく山を越えて向うのことには興味なしという意識がはびこっている。
わが国を象徴する大相撲に村意識が濃厚にあるのが気になっている。
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回しを取らない寄りの恐さ

2020-09-20 07:39:22 | 大相撲

ここまではいい、このへんで回しを取ることを考えたかった

きのうの大相撲、珍しく一人を応援して見た。正代である。隠岐の海に勝って1敗を守って欲しいと思った。
反面、隠岐の海は星が上がっていないものの嫌な相手であり墓穴を掘る可能性もあると思った。それが的中して、突き落としで負けた。
今場所の正代は以下のように、自分が四つ相撲でないような取り口が続いている。
初日 ○押し出し 隆の勝
2日目○押し出し 玉鷲
3日目○押し出し 遠藤
4日目●押し出し 照ノ富士
5日目○押し出し 北勝富士
6日目○寄り切り 栃ノ心
7日目●突き落とし 隠岐の海

押し出しの勝ちが四つ、栃ノ心戦の寄り切りも回しを取らない押しであった。
今場所の正代は回しにこだわらずひたすら前へ圧力をかける姿勢に徹している。その一途な信念は以前の彼には見えなかったものであり、覇気とパワーが人を変えてしまった感じさえする。
基本的にこれでいいのだが隠岐の海のように懐の深い力士に万全でない体勢で寄ったとき突き落としが待っている。これが恐い。
回しを取らずに安易に出て3連敗したのが今場所の朝乃山である。この人も四つ相撲ながら前へ出ることで一皮むけてここまで来たが焦った前進で墓穴を掘ってしまった。
ほかに安易な寄りでよく突き落とされたのが大関から陥落した琴奨菊。これだけが陥落の理由とは思わないが、いたずらに焦って前へ行ってよく転がった。
正代には四つ相撲をとってほしい。立ち会いの鋭さの延長で押すのはいいが、押しながら上手を狙うのが目指す道ではないのか。
貴景勝のように突き押ししかできない人はそれで行くしかないが、基本四つの人は押しながら上手を引いて寄り切るのが最良。
自分の相撲の根幹を変えるべきではないと思う。四つ相撲のほうが横綱に向いているのであるし。


回しを取っていないから懐の深い隠岐の海は突き落としでしのげる
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大相撲はどんぐりの背比べ

2020-09-16 05:15:57 | 大相撲

四つ相撲にして突き押しもできる正代

大相撲秋場所に太ったどんぐりころころを感じている。
横綱二人の凋落がいちじるく二人ともはなからお休みゆえ予想されたが大混戦である。午後4時から6時まで眺める大相撲。最近、掃除、引っ越しと体を使うことが多いからスポーツとしては間の多いものを、寝転がって見るのは憩いである。仕切りという無用の用を眺めるのも一興である。

さて混戦の内容であるが、次を(横綱を)期待されている朝乃山が3連敗したことが大きい。白鵬、鶴竜に替わるのが誰かという中、四つ相撲の旗手である朝乃山がまだまだであることを露呈した。
現在の大相撲でトップを狙える人材を「突き押し」と「四つ」に分けて整理すると以下のようになる。

【突き押し】
貴景勝(大関)、御嶽海(関脇)、大栄翔(関脇)、隆の勝(前頭1)、北勝富士(前頭2)

【四つ】
朝乃山(大関)、正代(関脇)、遠藤(小結)、照ノ富士(前頭1)



突き押しにして綱を張った若き日の北勝海


勢いのいいのは「突き押し」のグループであるがこちらは「どんぐりころころ」で、転がる率が高い。力を外される、いなされる、でバタッと手をつく可能性が高い相撲。したがって突き押しどうしでそうとう星のつぶし合いをする。
その点、四つは相手の回しを摑むゆえその危険性は少なく綱を張る安定感のある相撲だが、現状では、突き押しに対抗する立ち会いの踏み込みが足りず回しを取る前に持って行かれている。遠藤などまさに馬力不足でこれ以上は望めない。

四つの中では正代がかなりおもしろくなってきた。
きのう遠藤を土俵の外へ突き飛ばしたパワーを見て、この人、突き押し相撲であったかと錯覚したが本来は四つ相撲であろう。
四つ相撲が突き押し専門に対抗できる突き押しのパワーを身につけたら横綱への道がひらかれる。
突き押し専門が綱を張るのは至難であり、最近それを成し遂げたのは現大相撲協会理事長の八角親方(元北勝海)である。貴景勝、御嶽海)、大栄翔、隆の勝、北勝富士の中から第2の北勝海が出るのか、正代、朝乃山、照ノ富士の誰かが白鵬並みの立ち会いの鋭さを身につけることができるのか……どちらのグループもあがいている、ゆえの混戦である。

今日はどのどんぐりが転がるか。
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