大相撲秋場所に太ったどんぐりころころを感じている。
横綱二人の凋落がいちじるく二人ともはなからお休みゆえ予想されたが大混戦である。午後4時から6時まで眺める大相撲。最近、掃除、引っ越しと体を使うことが多いからスポーツとしては間の多いものを、寝転がって見るのは憩いである。仕切りという無用の用を眺めるのも一興である。
さて混戦の内容であるが、次を(横綱を)期待されている朝乃山が3連敗したことが大きい。白鵬、鶴竜に替わるのが誰かという中、四つ相撲の旗手である朝乃山がまだまだであることを露呈した。
現在の大相撲でトップを狙える人材を「突き押し」と「四つ」に分けて整理すると以下のようになる。
【突き押し】
貴景勝(大関)、御嶽海(関脇)、大栄翔(関脇)、隆の勝(前頭1)、北勝富士(前頭2)
【四つ】
朝乃山(大関)、正代(関脇)、遠藤(小結)、照ノ富士(前頭1)
突き押しにして綱を張った若き日の北勝海
勢いのいいのは「突き押し」のグループであるがこちらは「どんぐりころころ」で、転がる率が高い。力を外される、いなされる、でバタッと手をつく可能性が高い相撲。したがって突き押しどうしでそうとう星のつぶし合いをする。
その点、四つは相手の回しを摑むゆえその危険性は少なく綱を張る安定感のある相撲だが、現状では、突き押しに対抗する立ち会いの踏み込みが足りず回しを取る前に持って行かれている。遠藤などまさに馬力不足でこれ以上は望めない。
四つの中では正代がかなりおもしろくなってきた。
きのう遠藤を土俵の外へ突き飛ばしたパワーを見て、この人、突き押し相撲であったかと錯覚したが本来は四つ相撲であろう。
四つ相撲が突き押し専門に対抗できる突き押しのパワーを身につけたら横綱への道がひらかれる。
突き押し専門が綱を張るのは至難であり、最近それを成し遂げたのは現大相撲協会理事長の八角親方(元北勝海)である。貴景勝、御嶽海)、大栄翔、隆の勝、北勝富士の中から第2の北勝海が出るのか、正代、朝乃山、照ノ富士の誰かが白鵬並みの立ち会いの鋭さを身につけることができるのか……どちらのグループもあがいている、ゆえの混戦である。
今日はどのどんぐりが転がるか。