総合の時間に、ヨシタケシンスケさんの絵本「みえるとか みえないとか」を用いて、一人ひとりの「もちあじ」について学習しました。
「みえるとか みえないとか」では、宇宙飛行士である主人公が、たくさんの星をめぐって、さまざまな体の特徴を持つ宇宙人と出会うお話です。
「後ろにも目がついている人」の星では、後ろが見えないことを珍しがられ、必要以上に気を遣われたり…
「体が柔らかい人」の星では、細い管の道を通るのが大変だったり…
「足が長い人」の星では、次の足場まで遠くて渡れなかったり…
体の特徴が違うことで、主人公は多くの苦労をします。
そんな中で主人公は、違うことを嘆くのではなく、違うことを楽しみながら宇宙旅行を続けます。
主人公が出会う人の中には、「目が見えない人」もいて、感じ方は違っても、住んでいる世界は同じであることがとてもわかりやすく描かれている作品でした。
子どもたちも、興味津々でお話を聞いており、いろんな体の特徴を持つ人がいても、それぞれの「もちあじ」として認めようとする意識を持つようになったと感じます。
この絵本での学習を踏まえて、「わたしの木」という活動を行いました。
この活動では、ペアを組み、手を引いて導く「サポーター」と、アイマスクをして目が見えない役をする「クライアント(お客さん)」に分かれます。
サポーターは運動場の木を一本選び、目隠しをしたクライアントの手を引きながらその木まで導きます。視覚を使えないクライアントは、耳や鼻や足の感触で、どの木に導かれたのかを探ります。その後、元の場所まで戻ってきて、クライアントは自分が導かれた木を当てる、という活動です。
サポーターは、目の見えないクライアントがきちんと歩けるように、「大丈夫?」「足元気を付けて!」と声をかけながら、ゆっくり歩いていました。クライアントも、「怖い!!」と言いながらも、サポーターに身を任せ、視覚以外の感覚を研ぎ澄ませているようでした。
振り返りの感想では、「目が見えないということが予想以上に怖いことがわかった。」「サポーターの〇〇という言葉に安心した。」など、いつもと違う体験をしたことで、たくさんのことを学んだ様子でした。
今回の活動を通して、一人ひとりがその人にしかない「もちあじ」を持ち、それをお互いに理解しようとする気持ちが芽生えたのなら幸いです。