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月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

続・C級キノコを食べてみた

2013-07-24 20:25:52 | キノコ料理
「C級キノコを食べてみた」リターンズ。

ガンタケ
かつては数少ない食べられるテングタケとして取り上げられていたが、毒成分を多少なりとも含むらしく、特に生食は厳禁とのこと。また、他のテングタケと間違えてしまうことも十分考えられるため、「もう毒キノコ扱いにした方が間違いないじゃん?」というのが近年の暗黙の了解となっている。

食味:ツルタケやタマゴタケもそうだが、テングタケ類は味がいいものが多い。ガンタケも例にもれず、歯触りがよく、旨みもあってクセがない、バランスのとれた味だった。合格点。ただし、ボリュームがないのが弱点か。
今回はリスクを考えて、茹でて食べたが、すこし水っぽく感じた。脂っぽいものには風味が負けそうな気がするので和風の汁物の具にするのが妥当なところか。
ただ、ガンタケにはそっくりの不明種が何種類かあるようなので、そういう点でも危険度が高い。やはり基本的には食べるべきキノコではない。(味ランク B)

アカカバイロタケ
身がしまっていて、しかもかなり大きく食べごたえがありそうなのだが、いかんせんクサいことで有名。確かに生グサ系のにおいがする。私はこれを「魚の丸干しを作ろうとして外で干していたが途中で雨が降りそうになって屋内にとりこんだのをそのまま忘れてしまった臭」と呼んでいる。

食味:ベニタケの仲間なので、歯触りボソボソなのはあきらめるとして、問題はにおいがどうなるかである。無難にゆでて、塩ふって食べることにした。
肉質が固く、茹でてもいっこうに柔らかくなる気配がないので火が通っているか不安になるが、適当に切り上げて食べてみる。
ん!なんと、においが気にならなくなっている。火を通すことで、「生乾きの魚」が「しけった煮干し」に昇格したのかもしれない。旨みもそこそこ。食味の点で今回もっとも不安視していたキノコだが、意外にも無難にまとめてきた。
ただし、歯触りは想定以上のボソボソ、ほぼ最悪レベルで、消しゴム付き鉛筆の消しゴム部分が経年劣化したのを噛むとこんな感じだろう、というような具合だった。(味ランク C-)

アイバシロハツ(注:ノーマルシロハツかも)
同じくかなり大型になるベニタケの仲間。真っ白で今ひとつ食欲がわかない。山渓『日本のきのこ』でひそかに評価が高いが、個人的体験として、姿のよく似たシロハツモドキが最悪スコアをマーク(味ランクD-・飲みこめない)したことがあるので、私はかなり疑いの目で見ている。

食味:これはシンプルにすまし汁にしてみた。肉質がもろくて、包丁で切ろうとしても「切る」というより「割れる」感じ。ただですら美味しそうでないキノコが、いよいよボロボロになっていく。結果、すまし汁に入れたアイバシロハツが醜い姿でぷかぷか浮かんでいるという悲惨な仕上がりとなった。
見かけは関係ない!気を取り直して賞味。

!!

なにこの旨み。ダシの類をいっさい入れなかったのにもかかわらず、しっかりとした旨みが効いている。美味キノコ・ハツタケには及ばないものの、それに次ぐくらいのダシの濃さである。これはまったく予想外だった。
歯触りはやはりボソボソとして良くないのだが、それでもアカカバイロタケよりはかなりマシである。細かく切って炊き込みご飯にしたら美味しいかもしれない。ただ、冷めると独特のにおいが鼻につく。未熟な桑の実みたいな青臭さ?これを受けつけない人はいるかもしれない。(味ランク B-)

キニガイグチ
中型のイグチで夏の普通種。図鑑は堂々と「苦味はない」などと言いきっているが、少なくとも三重愛知界隈のキニガイグチは苦い。かなり納得がいかない。

食味:私はわりと常食しているので無問題。ひと晩ほど水にさらして苦みを抜いてから利用する。コビチャニガイグチ同様、旨みには欠けるが、ほのかな甘みを感じる。肉質は柔らかく弾力があり、コビチャより断然上。ただ、イグチ特有のにおいが強く、好みのわかれるところだろう。
うまいわけじゃないけど量を確保できるので食べでがある。大きくて柔らかめのものは煮込んでペースト状にしてしまうのも一手かもしれない。(味ランク B-)


味ランク一覧
SS 親の死に目に立ち会えなくとも食べたい
S 他人を蹴倒してでも食べたい
A 採りに行って食べたい
A- あったら食べたい
B どちらかと言えばおいしい
B- 標準的
C 食って食えなくはない
C- 無理して食べようと思えば食べられる
D 二度と食べようとは思わない
D- 嚥下不能
E 物理的・生理学的に不可(噛みちぎれない、猛毒など)

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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んふふふふ (トク)
2013-07-25 10:34:38
以前「食べるシリーズ」にコメントしたのでスルーする訳にはいかない。
知識と経験をお持ちだし、中毒に関しては心配無いと思うが、かなりヒヤヒヤする。(ドキドキ。)
その為かとても面白い。スリルとサスペンス(ドキュメント?)に満ちた記事になっている。

とても酷い目にあった。なんて文字を目にする日も近いかもしれない。

ひとつひとつのキノコの写真や、まな板の上のカット、お皿の上のカットなどがあると、
臨場感があって、一層スリル満点になる。
ぜひ、次は、そういうのも。

まずいか?こういうの書いたら。
くれぐれも…
でも面白い。


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Unknown (鳥居)
2013-07-25 19:58:01
トクさん、コメントどうも。

いくら知識あっても最終的には勘だのみ。スギヒラタケみたいなのはかわせないし、ロシアンルーレットやってるような気分ですわ。

いかんせん我が家の台所は汚いので、調理中の写真は撮りづらいのですよー(汗)

死なない程度にがんばりますです。
返信する
Unknown (トク)
2013-07-26 10:29:09
以前の事、トキイロラッパタケ、アミタケ、ヌメリイグチを食べた。
トキイロはバター炒めでアミとヌメリは味噌汁で。
ヒットして二週間我慢出来ない痒みと付き合いました。
アレルギー。
医者大笑い。
多分ヌメリとアシナガを間違えた。

二度目はキノボリイグチ。
美味しかったので、数週間後にもう一度取って来て食べた。
その時はいろいろと疲れていたのに、キノコに取り憑かれている私は、
這ってでも山へ行き、ツガマツタケもゲットしたものの、
まさかのキノボリイグチで撃沈。
この時は胃腸系をやられて、ナイスバディなマツタケはゴミ箱へ、
一度食べて平気だったキノコで???

それ以来野生のキノコには畏怖を。

なのでこの頃は、野生キノコの楽しみはもっぱら月刊キノコ人で。

安全そうなのから時々食ってますけど、今はキノコ写真かな。(こっちも思うようにはいかない。)

トキイロラッパタケはとてもいい香りでした。味ランクA-
キノボリイグチはハナイグチより美味しかった。でも体調によりとなると(以来食ってない。)
味ランクX
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Unknown (鳥居)
2013-07-26 18:31:53
おお、貴重な情報ありがとうございます。トクさんけっこう散々な目にあってますねえ(^_^;)

ヌメリイグチ、『日本の毒きのこ』で調べてみたら、「アレルギーを起こしたり」するって書いてありました。知りませんでしたわー。
キノボリイグチもヌメリと同属なので、トクさんの体質はこの辺りと相性が悪いかもしれません。この辺を避ければ他のきのこはイケるのでは?(悪魔のささやき)

けっこう中毒体験、みんな隠し持ってるような気がするから、この辺まとめたら面白い読み物になりそうだなあ(などと他人事のように思ってるバカ)

トキイロラッパタケ食べてみたい!
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