気まぐれ日言己2

日々の出来事や趣味の事、時事ネタなどを気まぐれで書き込みます。

しらせ(二代目) その2

2017-10-15 21:46:00 | 船ネタ
一般公開午後の部が開始されたので手荷物検査の後に乗船
します。



タラップ。

『海上自衛隊 砕氷艦 しらせ』と記されています。

『しらせ(2代目)』(以下、2代目と表記)は、
文科省国立極地研究所所属、南極地域観測隊の輸送と研究の
ために建造されました。

そのため建造予算は文科省からとなっていますが、向かう場所が
場所だけに運用は海上自衛隊が行っています。

海自所属艦艇なので、海自は”砕氷艦”と呼んでいますが、
予算を計上している文科省は”南極観測船”などと呼んでおり、
そのように報道するマスコミもみられますね。

ちなみに国交省傘下の海上保安庁も2隻の砕氷船
(『そうや』『てしお』)を所有しています。



別のタラップから左舷に乗船。
海上自衛官の方々が出迎えてくれます。
他の海自艦艇と同じです。



浮き輪。

”砕氷艦”と書かれています。

乗船してから左舷通路を歩いて後部の飛行甲板に移動。

通路は一般の自衛艦艇よりも幅が広い。
これは前甲板と後部甲板の間をフォークリフトが通行できるように
しているためです。



飛行甲板後部、艦尾に掲げられた自衛艦旗。
風がないのでこんな状態。

後ろは神戸大橋です。ポートライーナーが走っていました。

格納庫内では出店や”制服着て写真を撮ろう!”イベントを
していたので、飛行甲板は人で混雑していました。



なので格納庫上の管制室を撮影。

管制室の後ろ、左右に見えるのが後部デッキクレーンです。

飛行甲板には搭載機のCH101は展示されていませんでした。

一月ほど前の8月17日に訓練中に横転事故起こしたのは
関係なく、艦艇一般公開では展示されないのでしょうか?

代わりに(?)と言ってはなんですが、
スノーモービルが展示されていました。



スノーモービル『しらせ1号』

ヤマハの”RS Viking Professional”というモデルだそうで。
(リンク先は平成24年3月のもので、このモデルかどうかは
不明です)

4サイクル水冷3気筒、973ccエンジン搭載。

2代目には4台搭載されているそうなので、1~4号がある
ということですね。

これも文科省予算で購入でしょうね。

エンジンやオイルはメーカー特製の南極仕様なのでしょうか?

飛行甲板を離れて右舷通路を歩いて行くと・・・



『しらせ』コンテナです。

2代目には煙突と後部格納庫の間にコンテナセルガイドが
設けられ、左右舷合わせて56個のコンテナを積むことが
できます。

なお、2代目に搭載されるコンテナは12FTコンテナで、
JRなどの鉄道コンテナと同じ規格。
なので56個も積めるのでしょう。

ちなみに国際規格(ISO規格)では20FTと40FTです。



前部甲板。

左舷側の前部デッキクレーンの先端と貨物倉の蓋(?)。

南極に行くには荒れ狂う暴風圏を突破しなくてはならず、
このように頑丈でないとだめなのでしょう。

この後、ブリッジに上がります。

<<続く>>

しらせ(二代目) その1

2017-10-15 10:25:00 | 船ネタ
生駒山をウロウロした翌日は神戸港に向かいます。

9月24日(日)、神戸埠頭第四突堤で砕氷艦『しらせ』の一般公開が
6年ぶりに行われたのです。

事前申し込み(応募多数の場合は抽選)だったのですが、何となく
応募したら当選。
家族で観に行きました。

指定されたのは午後の部。
正午前に現地着。
公開開始前でしたが、岸壁までは誰でも入ることができたので、
まずは岸壁へ。

『しらせ(2代目)』(以下、”2代目”と表記)とご対面。



第一印象は『でかい』

艦橋が高く艦首寄りにあるからなんでしょうかね?

艦の全長は138mで艦幅は28mなんで、以前舞鶴で見た
補給艦『ましゅう』よりも小さいのです。

ちなみに十字型したマストの交差部には白い箱形の構造物が
ありますが、これは上部見張所。

南極で氷を砕きながら進むときに、ここから確認や観測をして
指示を出すらしいです。



岸壁からみるとこんな感じ。

上部構造体が大きい。
ここにはブリッジの他、乗員の居住区や観測室や研究施設や公室や
食堂やらがあるそうです。

ブリッジはかなりの高さにあることがわかります。

どれだけ高いかというと・・・



ターミナルの『ようこそ!神戸へ』(和訳)の文字看板と、
ブリッジ後方の甲板がほぼ同じ高さなのです。

さて、もう一度艦首を見てみます。



葡萄色(?)とオレンジ色の境目付近が喫水線。

艦底から120cm付近ですね。
通常の喫水は92cmとのことなので、最大積載で120ということ
でしょう。
ちなみに満載排水量は20370tです。

喫水線付近から下の部分は耐氷帯(アイスベルト)と呼ばれる
部分。

海氷帯を行く船なので、かなり強い海氷圧力や氷加重が局所的に
加わるため、耐氷帯付近の外板は分厚く強固に作られています。

2代目の耐氷帯にはステンレスクラッド鋼が使われています。

「なんぞや?」と言われても専門でないので分かりませんが、
鋼板の表面に全体の厚さの約1/10のステンレスを合わせて
圧延された鋼板だそうです。

これを採用することで、防食性能向上と海氷や積雪との摩擦係数
の低減をはかることができるそうです、

先代は氷海塗料を使用していましたが、めちゃ剥離するので
毎年補修が必要でした。

さて、喫水線の上に丸い穴がいくつもあります。
これは散水装置のノズル。

ノズルから散水することで、海氷や積雪地帯を進むときの
船体との摩擦抵抗を低減させ、砕氷能力を向上させることが
できます。

砕氷船、氷海を進むときは前進しながら氷を割って
進むのではなく・・・



こんな感じで進むのです。(スラミング砕氷)

このときに散水すると砕氷能力が向上するわけですね。

艦首に傾斜がついているのも、氷に乗り上げるためなのです。

<<続く>>