きまぐれ鳥見んぐ

野鳥たちとの出合いを求めてのきまぐれ鳥見日記

*掲載している画像の無断複写・転用は固くお断り致します*

月山・自然博物園'06.5/21

2006年05月21日 | 月山

この時期、月山に鳥見に行くようになり数年たった。だが、今回の鳥見は命がけの鳥見になってしまった。朝のおにぎりを持って、5時30分家を出る。今日は、ズバリ晴れの予報。坪景峠から月山がきれいに見える。何だか今日は出会える気がする。今日は、キビタキ撮りが目標だ。寒河江ダムのあたりで11度だった。これだと、ネーチャーセンターあたりは一桁だろう。6時すぎに到着。車の外に出ると寒い。これは防寒着を一枚着ないとだめだ。Dscn8374 ネーチャーセンターの前に車が数台とまっていた。玄関に「沢は危険」という貼り紙があった。この時期、雪解けが進み、沢の周囲は危険である。雪の下が空洞になっており、うっかり上に上がろうものなら、沢に落ちてしまうのだ。まず、ネーチャーセンターわきの広場を見回す。いつもこのあたりでオオルリを見つけることができるのだが、見当たらない。キセキレイの澄んだ声が聞こえる。時々、沢のほうからミソサザイの声量のある声が聞こえてきた。Dscn8375 ミソサザイを撮ろうと沢のほうに行ったが、見つけることができなかった。沢沿いには、あまり鳥の姿がないので、がけを上がって、山手のほうに移動することに。上に行くと、いろんな声が聞こえてきた。キビタキらしい声も聞こえ、「おぉ、いるな。」と、双眼鏡で探す。まず♀を発見。そして近くに♂も見つけた。鳴きながら忙しく枝を移動し、♀にアプローチしているようだ。♀も品定めするかのように、つかず離れず微妙に距離を保っている。時々、♂と♀は絡み合うように「ブン、ブン」言いながら飛んで行ったりする。Dscn8398 8時近くなり、おなかもすいてきたので、一旦車に戻り、朝食タイムをとることに。崖を下るところで、クロジ♀が目の前に現れた。あまりに近くてデジスコで撮れるか不安だったが、何とか数枚カシャ・カシャ。どこからか♂も飛んできて、♀の尾羽をくわえた。「おっ、これは交尾いくかぁ。」と思い、シャッターチャンスを待ったが、♀に拒絶され、あえなく♂は退散。そのまま自分も車に戻り、おにぎり朝食。しっかり腹ごしらえしたところで、11時まであと2時間くらいは鳥見できそうなので、再度山の上に行くことにする。どこから下ってきたのかわからなくなり、崖を上っては下り、下ってはまた上り・・・していたのだが、ここで、とんでもないことが・・・・・・。

一番へこんでいた辺りの雪に足を置いた瞬間、ドンッ。まるで落とし穴に落ちたように、体ごと落ちてしまった。一瞬、何がどうなったのか分からなかったが、見ると、沢の上の雪に穴が開き、そこに自分が落ちている。Dscn8402 雪は自分の肩よりも上だ。穴の中にしゃがんで見ると、雪のトンネルの中を沢の水がゴーゴーと音を立てて流れている。どうやら自分は沢のふちに落ちたようで、水には落ちなかった。「危なかったぁ・・・。」でも、どうしよう。雪が肩の上ぐらいだから、這い上がるには、また雪の上に乗らなくてはいけない。しかも、体勢が傾いていて、無理をすると、今度こそゴーゴーの水の中に・・・。どうしよう・・・。そういえば、さっき下るとき、向こうのほうに女の人がいたのを思い出した。もう、なりふりかまってはいられない。「すいませ~~ん!だれかあ!助けてくださ~い!だれか~、だれか~!」双眼鏡もフィールドスコープも泥雪まみれ。ここは、へこみ部分で、周りからは見えない場所だ。三脚を立てて、少しでも人目につくようにして叫んだが、やはりだめだった。どうしよう。やはり、自力で這い上がるしかないのか。でも、ここでさらに雪が落ちたら、今度は間違いなく沢に落ちる。でも、もう覚悟をきめるしかない。回りの雪の硬さを確かめ、思い切ってジャンプし、両手に体重を乗せた。何とか雪は大丈夫だった。次は、足を穴から出さなくては。ここで、自分の足の短さが幸いした。何とか穴から足を抜くことができ、慎重に穴から体を移動し、無事、脱出成功!!!やったぁぁぁ!助かったぁぁぁ!まさに奇跡の生還(大げさ?)だった。両手の袖は雪でびっしょり。ズボンも泥でびっしょり。でも、本当に助かったぁ。死ぬかと思ったぁ・・・。少し落ち着いたところで、急いでネーチャーセンターに行き、事情を話した。対応していただいたのは、野鳥の会県支部のA谷さんとTさん、それに男の方2名だった。早速現場に案内し、ロープを張っていただいた。あとは、・・・もう鳥を見る気力もなく、命からがらの帰宅でした。皆さん、春の月山での鳥見は十分にご用心を。

【観察できた鳥】キビタキ♂♀、クロジ、ニュウナイスズメ、アカゲラ♀、エナガ、ホオジロ、シジュウカラ、ウグイス、カッコウ、キセキレイ、ミソサザイ

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コメント (4)
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