目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

さんかく ★★★

2011-04-30 10:09:15 | ★★★
DVDで鑑賞。



(あらすじ)
ちょっぴりダメ男・30歳の百瀬(高岡蒼甫)と、ちょっぴりイタイ29歳の佳代(田畑智子)は、同棲して2年が経ってる。つきあいたてのラブラブ感はなく、特に百瀬は、佳代との関係にマンネリを感じ、態度や言葉の節々が無愛想になっていた。夏のある日、そんな二人の元に、佳代の妹で中学3年生(15歳)の桃(小野恵令奈)が、学校の夏休みを利用して転がり込んできた。

天真爛漫な桃のペースに振り回される百瀬と佳代。百瀬は、桃がもたらすいつもと違う気配にドギマギ。夜中の桃のトイレの音が妙に気になったり、下着同然の部屋着姿でうろついたり、かわいく耳打ちしてきたりと、桃がやって着てから落ち着かない日々を送る百瀬。さらに桃は、百瀬自慢のカスタムカーを「個性的でかわいいじゃん!」と褒めたり、百瀬のケンカ自慢話に目を見つめながら「桃は強い人、好きだよ」とつぶやいたり、百瀬の心を何かとくすぐる。そんな桃の態度に、百瀬は次第に惹かれてしまう。

15歳のコドモに熱を上げている百瀬、押し付けの愛情を抱える佳代、オトナを翻弄しっぱなしの桃。それぞれ一方通行の思いを抱えた三人の、奇妙な“さんかく”関係の行方は・・・?

(以上 wikipedeaより、ってかあらすじほとんど書いているやん!と思ったので一部割愛)

この手の映画はあまり観ないのですが、各方面で褒められているのを聞いてちょっと観てみることにしました。よくある三角関係モノのどろどろしたお話かと思いきやどちらかというと、3人の男女のダメな部分をよく描いていてどのキャラにもどうしようもない部分があって、因果応報なところがあって、「あ、そういう映画なのね」と思わされるのに少し時間がかかりました。終盤の展開は確かに予想がつかず、少し余韻を持たせるような終わり方になっていますね。

それにしても百瀬は本当にダメ男で見ていてため息ばっかり出てきました。ちょっとは救いがあればいいのですけど、本当にイケていない。彼の美点というと「マルチ商法に誘ってくるやつが友達なんかなわけねえだろ」というセリフくらいで。あとは、車のセンスも金銭感覚もダメだし、なんで、佳代が一緒に暮らしているんだろう、と思わされるシーンの連続。終盤の背負い投げのシーンでケンカもたいしたことがないこともわかり、なんともはや。。。ちょっと桃が可愛いからってあそこまで熱を入れあげてしまうのかー、30代で、ねえ。。。佳代は別れて正解じゃん、と思うくらいでした。他のいい男いるよ、という桃のセリフもわかる気がしました。

佳代は佳代で献身的なところもあるのですが、行き過ぎて勝手に合鍵作って~のくだりばかなり笑えました。(いや、実際にはほとんどストーカー・・・)ビデオカメラを設置する百瀬も百瀬ではありますけど・・・。百瀬との組み合わせはまさに「共依存」を思わせるような関係なのだなあ、と思うに至るわけですが、佳代が過度に百瀬に入れ込む理由が描かれていない(まあ、映画の主題はそこではないので、それでなんら問題ないわけですが)ので、「こんな軽薄な男、さっさと別れろよー」と思うわけですが・・。

桃については、かなり早い段階で、百瀬に興味をなくすことは予想がついていましたが。。。それにしても確かに可愛くは見えるかも知れんけど、佳代(田畑智子)と別れてまで付き合いたいと思うかというと微妙ですよねー。正直、彼女にとってみたらひと夏のちょっとしたイベントでしかなかったキスがここまで尾を引くことになるとは、って感じでしょうか。まあ、彼女が一番現実的かつまだまだやり直しのきく年齢ということもあって、自由奔放なキャラとして描かれていますよね。

この映画の面白かったところとしては、3人とも誰かに対してストーキングじみた行動を採ってしまう、ということ。そして、3人ともその行為に無自覚で、百瀬と佳代は人から言われて初めて自覚する、というところ。
しかも、百瀬と桃については自分もその行為の被害者だったりするところ。ここの連環構造が中々に観ていて面白かったですね。自分がされて嫌なことは人にしてはいけない、とはよく親に教わったものですが、まあ、自分の行動に無自覚な人というのは世の中にたくさんいますよねえ。そういうところを痛烈に皮肉った作品でもありましたね。



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