目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ロード・オブ・ウォー ★★★★★

2006-06-16 22:48:48 | ★★★★★
「ガタカ」、「トゥルーマン・ショー」で脚本を、「シモーヌ」では監督。「ターミナル」でも原案および製作総指揮を務めたアンドリュー・ニコルの作品。DVDで鑑賞。去年の年末に劇場公開してたんですなあ。あんまり記憶にないんだけど…。

ニコラス・ケイジ主演なんだけど、珍しく日本語吹き替えで鑑賞。なぜなら、われらが大塚明夫がニコラスの吹替えをやっていることに早々に気づいてしまったから。こっちの語りの方が耳なじみがよく、映画を楽しめちゃいました。

音楽のテンポであるとか、全体の語りによる
映画の構成はややもすると映画を単調でつまらなくしてしまうのだろうけど、脚本が非常にレベルが高いため、シリアスから軽妙な語り口、そしてちょっと脚色された部分とても楽しめる。


この映画で言いたいことはたくさんあるのだろうけど、(そして主人公のドラマも楽しめて監督の言いたいことも言えている映画はすなわち、監督・脚本・役者のレベルが高い、ということになるのではないだろうか。)やはり、後半の留置所での展開などにその白眉があると言える。

5億5千万の銃。
そして銃を大量輸出する安全保障理事国である、アメリカ、フランス、イギリス、中国、ロシア。

毎日、銃によって死ぬたくさんの人々(それは女子供関係なき殺戮であることが多い)。

穴だらけの法律とそれをかいくぐる武器商人のいたちごっこ。あまりにも世界が求めている武器商人という存在。司法というルールすらも曲げてしまうほどに。世界構造が、そして何より人間の性が殺戮や流血、戦争を求めている、という事実。主人公の弟の最後の行為の意味を深く考えさせられる。これは先日見た「ナイロビの蜂」にも強く通じる。

「今、彼らを助けられるんだ!」という事実。
そして、その事実から眼をそむけるか否か。
これは映画を見ている「こちら側」の私たちに投げかけているメッセージとも取れるんじゃないだろうか。

この映画があまり話題にならなかったのは残念。本当なら「ロード・オブ・ザ・リング」よりも見てほしい映画かな。

ポセイドン ★★★

2006-06-16 22:47:00 | ★★★
ほんと、よくあるパニックムービー。

映像表現はすばらしい。
最新の映像と派手なセット。
コンセプトは上々。
役者もがんばってたと思う。
短時間に詰め込んだ豪華客船からの
大脱出。
ややもすると同時期に大ヒットを飛ばす
海猿とコンセプトがかぶるが、
そこはそれ、洋画の潤沢な予算は
映像だけならはるかに海猿を上回る。
しかし、悲しいかな、ストーリーテリングは
少しあっさりしすぎていて拍子抜け。
ちょっと某隕石パニックムービーと
かぶるシーンなども出てきて
そこでも興ざめ。
終わってみると、え!もうこれで
終わりなんですか!というような感じ。

ハリウッド大作好きの私としては
こういったお金のかかった映像を見るのは
大好きなんだけど、お話のつくりとしては
あまりにひねりがなさすぎて
見終わってもあまり心に残るものはありませんでした。
うーん、世間ではこういう映画を
「こけた」映画と呼ぶんではなかろうか。

インサイド・マン ★★★★★

2006-06-16 22:46:17 | ★★★★★
今の時期に映画見に行くならこれがお勧め。

質の高いサスペンス。
意外とクールな展開で、あんまり
sawみたいに「まじですかーーー!!!」みたいな
どんでん返しではないけど、いっぱい食わされる
映画としてはとても上質な出来。
これくらいの映画が見れたら映画館に行く
価値もあるよなあ、なんて思わされるような。

役者も監督も脚本もよい。
惜しむらくはラスト付近の種明かしくらい。

音楽と場面の雰囲気もよく合っていたし、
余計なシーンは一切ない無駄を排除した
よい編集。編集に美学を感じる。

クライブ・オーウェンはとてもよい役。
非常によかった。

初恋 ★★

2006-06-16 22:45:35 | ★★
どうにもこうにも。

宮崎あおいや主演男性は非常に好感の持てる
役者を配しているだけに非常にもったいない出来。駄作になりきれない部分がある。

1960年代から70年代の日本の雰囲気や
学生運動とそれにかかわる若者たちの雰囲気や
町の空気の再現度はとてもすばらしい。
映画にしかできないことをやっているという
意味ではとても評価できる。

しかし、脚本であったり、お話の組み立てが
非常によろしくないせいでやたら上映時間が
長く感じられるし、無駄が多い。

3億円事件の真相がこれではつまらない。

もう少し、丁寧に人物を描こうとしてくれればなあ。
演出でとてもよいシーンもいくつもあるだけに
そこも非常に残念です。宮崎あおいに免じて
★は2つ。