目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ゴールデンスランバー ★★★

2010-09-27 01:41:03 | ★★★
DVDで鑑賞。邦画。伊坂幸太郎原作小説は未読。堺雅人・竹内結子ダブル主演で映画化。脇を固める俳優も香川照之、劇団ひとり、吉岡秀隆と、なかなかに見ごたえのある布陣で役者の演技には何の文句もございません。

音楽は斉藤和義なんだけどこれもまたテンポのよいバンドサウンドが多用されていて、きちんとビートルズも流れるし音楽的にも非常によかった。

ストーリーもまた安易なご都合主義的展開には陥らず、割と悲しい結末だがそこが非常に好感を受けた。多分、ハッピーエンドにしていたらこの映画は後味があまり残らない映画になってしまっていたことだろう。

劇場版 機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer  ★★★

2010-09-27 00:42:27 | ★★★
アニメーションシリーズ「機動戦士ガンダム00」は1stシーズン、2ndシーズンともに鑑賞済み。というか恐らく鑑賞済みでなければこの映画は見に行くこと自体なかったでしょうけど。

というわけで、TVシリーズを見ていない人にとってはほとんどどうでもいい作品、とも言えるわけなのですがさすがに公開初週は非常に動員を稼いだようです。今回の敵がアレなのも気になるところだったわけなのですが・・・。
当然この映画はテレビシリーズを観ていないとあまりカタルシスが得られないと思うので、この作品の鑑賞にはテレビシリーズの観賞が必須です。お気をつけください。

さて、ここからはネタバレです。




まず、今回設定されている「敵」は異星の生命体、です。
金属異性体、というのが劇中での呼称・及び描写ですがまあ、正体不明な存在でコミュニケーションをとることすら困難な存在として描かれます。最終的には大量に押し寄せてくる異性体に対して武力で対抗しつつ、刹那のガンダムでコミュニケーションを試みる、というお話。

ガンダムシリーズ、特に宇宙世紀シリーズではよく描かれていましたが、「相容れない他者との相互理解と戦争」というテーマ。旧人類とニュータイプ、地球人(アースノイド)とスペースノイド、連邦軍とジオン軍、月の民と地球人、最近だとナチュラルとコーディネーターとか。他者とは基本的にはわかりあえない対立構造がある中で、主人公やヒロインたちは戦火の中で心の交流を図り、時には超次元的に他者との相互理解を深めていきます。このテーマは今回の00でもしっかり引き継がれているのだな、と感じました。

それは戦争をしっかり描いていたTVシリーズからそうでした。結局はわかりあえないやつもいるし、わかりあえるやつもいる。でも最初から諦めて銃を手に取るのは間違っている、それなら戦争そのものを無くさせる、力づくでも、というソレスタル・ビーイングの方法は褒められたものではないんですが、それによって実現した統一された地球が直面する未知との遭遇というのは非常に興味深い主題です。

そして、未知の生命体ともコミュニケーションを図り、未来へと人類を導こうとする刹那と彼に影響を与えたマリナ姫、というこの構図が非常にこの作品のカラーがにじみ出ていて首尾一貫したものを感じました。

そういう意味で2010年代のガンダムシリーズの方向性として、00の残したものは非常に大きいのではないか、と思うわけです。恐らく00シリーズはこの劇場版で終幕と思いますが、今後も続くであろうガンダムシリーズにはこういった良質な作品作りを期待したいものです。

BECK ★★

2010-09-26 23:05:24 | ★★
川崎109シネマズで鑑賞。
いやー、物議をかもしている映画ですが、そこそこ面白かったです。ハロルド作石原作の漫画を実写映画化ということですが、ビジュアル面では非常に再現度が高い。堤監督は20世紀少年でもこういうキャスティングで臨んでいたけど、今回も同じように「あ、似ている~」と言われるようなキャスティング。BECKの5人は本当に雰囲気が出ている。千葉の完成度は非常に良い。桐谷さんは非常に良い仕事をしたと思う。特筆すべきはラップをきちんと歌っていること。相当の練習をしたのだろうけど、非常に好感度が高かった。あと、原作のキャラクタに非常に忠実な演技。とてもよかったです。evolutionという楽曲もレイジそっくりですが、それはそれで狙ってやっていることだと思いますのでいいと思います。安易なJ-popにしなかったのはえらい。そこはNANAよりもよかったところですね。

そのほかにも水嶋ヒロもきちんとした英語で帰国子女役を違和感なく演じていた。本当に帰国子女というところがニクイ。彼のような役者が多ければ日本人役者の世界での活躍は間違いないのだけど。今後の動向にも注目したい。作家やらずに役者で大成してもらいたい。

地味に個人的にはサク役を演じた中村蒼も大いに評価したい。いい笑顔。妻夫木のような役者になりそうな予感。

コユキ役の佐藤健は演技は悪くなかったけど演出が・・・歌の演出が・・・。

さて、歌の演出ですが、これは本当に残念でした。やはりコユキの歌の演出の問題は避けて通れない問題であるし、原作でもそこは曖昧に描かれていたものの、やっぱりきちんと描いて欲しかった。映画の公開規模から考えても本当にオーディションで凄い声の人を連れてきて欲しかったなあ。いや、原作ファンの間では「歌わなくて正解」という声の人も多いのだとは思うのですが、やはり色んな人が映画を観るわけで。1回目の真帆の前で歌うシーンはごまかしが聞いていて演出上はよく出来ていましたが、その後は何かの宗教みたいなシーンになっていしまいましたね。終盤では「カラオケ」状態。なぜ、歌詞を出したのか。メロさえ流れずオケだけが延々と流れてその聞こえない歌で人々が感動する、どんどんライブ会場に行く、というのはどうにもこうにも。演出には連続性がありはしましたが、さすがに何度も見せられるとかなりの違和感を感じてしまいました。

あと、外国人のキャラクター描写の問題ですがマットは結構かっこよかった笑。
そのほかのキャラは原作に忠実ではありましたがちょっといまいちでした。

全体の話の流れですが、シネマハスラーでも町山さんが指摘していましたが、あまり苦労せずにフェスに出場できる描写がありましたが、コユキが練習しているさまを描くのと同じくらい、もしくはそれ以上にバンドで練習している様子も丹念に描いて欲しかったですね。バンドで売れるのってそんなに簡単ではないし。

総じて映画館で見るべき作品かどうかは微妙なところです。
別にDVDで見ても良かったかもしれません。

ヒックとドラゴン ★★★★★

2010-09-26 22:34:17 | ★★★★★
ららぽーと横浜のTOHOシネマズで鑑賞。日本語吹き替えの3D上映でした。出来れば字幕で見たかったのですが、CGアニメの字幕ってもう公開が終わっているみたいだったので。。

いや、これは劇場で3Dで見ておいてよかった。本当に良作です。もう公開もそろそろ終わってしまいますが3Dでぜひとも劇場で見てください。

既に色んなところでこの映画は絶賛されておりますのでそういったご意見を参考にしてくだされば幸いですが、私が良かったと思うところを。。。

・飛行シーン

いや、本当にこの映画の飛行シーンは素晴らしい。アバターもかなりわくわくしましたが、この映画も相当ドキドキしました。にやにやしてしまいました。まるで自分が空の上にいるかのよう。出来るだけ劇場の真ん中で見ることをオススメします。こればかりは自宅の大画面でも味わうことが難しいと思うので。IMAXで見たかった。終盤のスペクタクルシーンも必見です。

・音楽

音楽、とても効果的です。情景描写力が凄いです。特に飛翔シーンとドラゴンとヒックが初めて出会い交流していくシーン。ここの音楽は本当に秀逸。


・ストーリー

起承転結がしっかりしており、テンポもよく2時間弱全く飽きさせません。
個人的にはこの映画のテーマは「世代交代」というように感じました。父と息子の世代交代、バイキングの集落での世代交代、部族の生き方自体の変革を若手がもたらす、終盤の戦闘シーンでの新旧交代。最初に考え方を変えられるのは若者だけ、というのが非常に好感の持てる筋書きでした。

いや、本当にオススメです。もっと早く観に行けばよかったです。

バイオハザード ディジェネレーション ★★★

2010-09-26 22:22:49 | ★★★
ゲームシリーズのファン向けフルCGアニメの映画でした。ゲームではおなじみのレオンやクリスが登場します。
実写映画ではアリスという最強キャラが散々暴れまわっていますが、ゲームシリーズではそんな特殊能力のあるキャラは存在しないので非常に緊張感のある戦いが展開されます。クリスやレオンはウィルスに耐性がある、という設定だそうですがそれでも普通の人間ですから。怪我もするし。

個人的にはもう10年以上になるゲームシリーズにおけるメインキャラが映画サイズのお話で活躍する、というのはとても感慨深いものがあります。バイオ2は私もプレイしたし。
ただ、シリーズのファンでなければあまり見る機会も見る気もしない作品だとは思います。シリーズファンのみに限って言えば見る価値は十分にある作品だと思います。



バイオハザードⅣ アフターライフ ★★

2010-09-26 22:00:50 | ★★
名古屋のミッドランドシネマで鑑賞。先行ロードショーで見ました。大ヒットゲームの映画化第4弾。1~3作目は既に鑑賞済みですが、私が個人的に好きなのは1作目。作品を重ねるごとにどんどんぶっ飛んでいく話ですが、今回は本当に良くなかった。
いや、お金のかかったB級映画としてはそこそこの面白さです。ゾンビ映画としてはいまいち成功しているとは言い難い。

このシリーズではゲームと違って映画オリジナルのキャラクターとして「アリス」というミラ演じる最強のミュータントが主人公となっています。1作目から素手でゾンビと渡り合うチートな主人公でしたが、2作目からテレキネシスを身に付けており素手でタイラントクラスのゾンビとも渡り合い、3作目でもその桁違いな強さはもう留まるところを知りません。ククリ刀でばっさばっさとゾンビを切り倒していく様はもはや「バイオ」の映画化というよりは「三国無双」の映画化といったほうが相応しいような気がしました。なにしろあまりに主人公が強すぎて死ぬ気が全くしない。(3作目の序盤は北斗の拳みたいでよかったですが・・・)

ちょっとネタバレします。





4作目では日本から物語が始まりますが、序盤の早い段階でアリスの力がリセットされ普通の人間並みになってしまう、というアクシデントが設定されます。そのリアリティの無さはさておき、3作目まで積み重ねてきた最強描写を一度リセットする、というのは大英断、と思いましたが残念ながらその後もアリスの最強描写は続きました。ここは本当に残念。というか、弱体化させた意味がない、というか。結局その後もアリスは簡単に死なないし、超人的な動きでゾンビなどなどを圧倒します。うーん。

エンディングに向けての展開もまたなんともはや。。
この手のB級映画ではお決まりの展開といえばその通りなのですが、このまま延々と同じような続編を作り続ける、というのはなんとも芸が無い、と感じます。
音楽やCGのクオリティは予算が予算だけに非常に素晴らしいのですが、全体の流れがひどいのでどうにもアンバランスな映画となっております。


この手のアクション映画は好きですが、もう少し色々と見せつけて欲しかったなあ、と感じる次第です。DVDでも全く問題ないですね。
あと、ゲームキャラがフィーチャーされているのは嬉しかったですが、映画2作目のジルのその後、とか結構気になっていたのですが描写がなくてそこはとても残念。3のノベライズでは描かれているそうですが・・。

あと、3D上映だったわけですがあまり3Dである必然性は感じませんでした。
もっと3Dならではの表現を多用して欲しかったですね。