目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

カンナさん大成功です!

2007-12-24 23:25:51 | ★★★★
大変、深く重たいテーマが
作中で語られているのに軽妙な語り口と
テンポのよさでそれを感じさせない。
笑いを随所に盛り込み、その
深遠なそれでいてドス黒いテーマを
ちょっとだけ見栄えよく見せてくれる。

主演のキム・アジュンがときに見せる笑顔や
あっけらかんとしたあどけない顔が
恐らくその重たいテーマを少しだけ
払拭してくれているのだろうか。
描き方もソフトタッチといえばソフト。

美容整形について、果たして世の中のどれくらいの
人が肯定的な意見を持っているのか
私には計りかねますが、
この映画はそういう誰の心の中にも
恐らくは少しはあるだろう、
「整形への欲望」だったり
「整形することへの嫌悪感」を
気兼ねなくはっきりと描いています。

私は映画を
監督が伝えたいあるテーマや
メッセージを観客に伝えるための
手段として使えているかどうか、を
結構重要視して見ていますが
この映画はとてもすっきりした
鑑賞後の感じがしました。
伝えたいことがよく伝わってきました。

それにしてもキム・アジュンの歌唱力と
ルックス、そして特殊メイクは
この映画の一番の見所でしょう。



人は誰でも別の何かになりたい、という
欲求や願望を抱いているもので
それは時に乱暴に、そして時に切ないくらいに
死ぬくらいの勢いで、発露される
感情となりうるのかも、と
思わせてくれたこの映画、
ヒットするといいなあ。

ミッドナイト イーグル

2007-12-24 23:23:57 | ★★
守りたい人のために命を捨てられるか、
というのは映画や作劇で描かれる
普遍的なテーマだと思います。

ただ、命をそう簡単には捨てないで
ほしい、という切なる思いもまた近年の
映画では描かれるようになりました。

この映画では、雪山を舞台に
カメラマンが某国の特殊部隊相手に
奮闘したり、竹内結子が奮闘したり。

見所は竹内結子と大沢たかお、
二人とも日本の中堅層を固める
素晴らしい俳優陣です。

演技はさすがのものでした。



ただ、映画として映像化するならば
もう少しリアリティを持たせて
描いてほしかったです。

自衛隊が全滅するほどの力を持つ
特殊部隊相手に戦えるカメラマンって。。。

同じようなコンセプトの映画に
「ホワイトアウト」という織田裕二の作品が
ありましたが、あの映画の方がまだ
面白かったような。。。
ただ、そのどちらもまだまだ
ハリウッドほどの描写力を持つに
至りません。日本映画には日本映画の持つ
素晴らしい部分がいっぱいあるはずです。

(ハリウッドに比べれば)はるかに
低予算の日本映画にも名作を撮影する余地は
残されています。それがたとえアクション映画でも
こだわりや工夫があれば名作を製作することは
できると思うのです。

ぜひともこういったハードボイルド志向の
アクション映画にチャレンジする
企画がどんどん出てくればいいな、
そしてもっとデティールにもこだわれる
製作陣で製作されることを
祈っています。