目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン ★★★

2012-01-21 18:39:07 | ★★★
海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン ★★★

結論から言うとTVシリーズの中のちょっと豪華な一話という印象。ゴーカイジャーはこれまでの戦隊モノと比べても非常に「よくできた」回が多いシリーズで、これからいよいよクライマックスに向かっていく作品で残すところ一ヶ月くらいの放映期間なわけですが、そんな佳境における閑話休題といった印象です。前回の映画もTVシリーズと繋がっていたし、今回もTVとはある程度連続性のある話と考えて差し支えないでしょう。
特筆すべき点はひとえにギャバンがオリジナルキャストで変身する、という部分です。大葉健二演じる一乗寺烈がそのまま、30年の時の流れを顔に刻みつけつつ、身体的には当時を彷彿とさせるアクションを披露できたのは本人がJACの出身だったから、という点以上に恐らくはご本人のたゆまぬ努力がそうさせたのだと思います。素面アクションが思いの外、多く、その点でも往年のファンは非常に満足されたのではないでしょうか。ご本人はバトルフィーバーJやデンジマンではスーツアクターもやっていたそうなので、納得と言えば納得です。四国でイベント会社を経営してる社長だそうで、ほんとにヒーローを大事にしてるんだろうなあ、という感慨にふけるばかりです。
また、当時は特撮で描かれていたドルギランや電子星獣ドルなどもCGで復活しており、派手なアクションが冒頭から展開します。
さらにギャバンについても相当スーツアクターの方も当時の動きを研究したそうで、これまでのライダーや戦隊モノにはない宇宙刑事独特の動きを見事に演じ分けていたように思います。最新のCGで蒸着やらレーザーブレードでのギャバンダイナミックが観られるのも嬉しいところです。

お話としては、それほど複雑な話でもなく、宇宙刑事ギャバンとゴーカイジャーとの戦い、ゴーカイジャーを餌にしてギャバンが宇宙警察にはびこるザンギャックのあぶり出しに成功する、ギャバンがマクー空間のマクー監獄に捕まる、ギャバンを助けるためにゴーカイジャーが立ち上がる、助けて一件落着という筋だてに、

・実はマーベラスは昔、ギャバンに命を助けられていた。
・バスコの暗躍を次期スーパー戦隊のゴーバスターズが止める
・マクー監獄には過去の悪役たちが投獄されていた

という展開が挟まるくらいでして、非常にオーソドックスな作劇でした。

ちゃんと
・デカレンジャーが海賊戦隊の無実を証明済み、であることや
・ギャバンの主題歌は歌ありで流れること、
・蒸着の際のナレーションをパロったゴーカイジャーの変身ナレーション
・ギャバンには大いなる力、無くてよかったなあーとか、
・大葉さんのデンジブルー、バトルケニアとの演じ分け!同時出演、同時変身も観られます。(こっちはギャバン、シャリバン、シャイダーの三人変身揃い踏みのように天の声まで聞こえてくる)

細かいところにも手が届いてるあたりはさすが、ゴーカイジャーは平均点の高い仕事をするなあ、という印象。

ただ、惜しむらくはあまり作劇上の冒険というか、飛躍がなかったことでしょうか。いっそのこと、デカレンジャーあたりも再登場させたり、宇宙刑事の世界観をもう少し堪能させて欲しかったなあ、というようには思います。まあ、それをやってしまうとお話がとっ散らかってギャバンとマーベラスの心の交流が描けない、という意味では今回の展開は悪くなかったのかなあ、と。

そういう意味で、ゴーカイジャーにおけるレベルの高い先輩ゲスト回として考えればいいのかなあ、と。

二つ気になったのは、中の人が同じ顔という理由だけでマクー空間の鍵になるレンジャーキーって!?という点とゴーカイジャー、最初あっさりとギャバン置いて行きすぎじゃない?ザンギャック目の前にして…ということくらい。

映画館で大葉さんのアクションが楽しめたのは嬉しかったしギャバンが観れたのも嬉しいんだけど、作劇としてはあと一つ何か押しが欲しかったなあ、と感じました。でも、これをきっかけに宇宙刑事シリーズがTVシリーズでも復活して欲しいなあ、と密かに期待しています。

ミッション・インポッシブル ゴーストプロトコル ★★★★

2012-01-09 18:18:03 | ★★★★
ミッション・インポッシブル ゴーストプロトコル

渋谷TOHOシネマズで鑑賞。めちゃ楽しかった。2011年公開映画ランキングに確実に入れただろう、文句なしの仕上がり。個人的にはTOP3に入る出来でした。
四作目にして安定感抜群の仕上がり。やっぱり、スパイモノはこうでなくては、という好例になっていたと思います。シリアスな中にも笑いあり、涙あり、といった感じ。
トム・クルーズ自身も47歳になっており、こういったアクションをいつまで撮れるのやら。
ストーリーはロシアの核ミサイル発射コードが悪玉に奪われてしまい、それを取り返すべくIMFからの支援も得られず、孤立無援のイーサン・ハントのチームがドバイにムンバイに飛び回るというお話。

今回の映画のメインの舞台はドバイの世界一の高さを誇るホテル、ブルジュ・ハリファなのですが、このシーン以外も結構たっぷりあるんですよね。序盤はロシア クレムリンですし。終盤はインド・ムンバイも舞台になっており、ここのパートもかなり長い。
ただ、長さを感じさせない素晴らしい出来になっています。
スパイアクションって語るべきストーリーよりは恒例のスパイアクションを楽しむ映画ですよね。詳しくは観て欲しいところですが、やはりドバイのビル登りシーンは面白かった。砂嵐などを効果的に物語に組み込んでいるのも好印象。
あと、意外とムンバイのシーンで分析官の彼が磁力スーツで活躍するところも面白かった。本来であればイーサンがやりそうなシーンですが、彼が司令塔になって指揮するところにもやはり四作目の工夫が見てとれました。
あと、ロシアのパートでのチームメンバーとの共同潜入などなど、これまでのシリーズではやっていなかったことをきちんと描いてます。ちょっと、ゲットスマート的な要素も感じました。敢えてスパイアクションを茶化すような…。網膜認証に拘りすぎなIMF、とか(笑)

あと、中盤からの奥さんのエピソードがここまで盛り込まれるとは意外。3とは密接に繋がってるんですね。基本的に前作のエピソードを引き継がない単発モノでイーサンとルーサーだけがレギュラーのシリーズという認識でしたが、3は観ておいたほうがより楽しめるとおもいます。
まだまだ公開されてるようですから是非とも劇場で鑑賞ください!