目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

2011年上半期に劇場で観た新作映画暫定ベスト

2011-06-26 19:57:37 | 2011年公開作品評価
さてさて、早くも2011年上半期が終わろうとしてます。早いもんですね~!というわけで、今年はかなり真面目に記事を書いてまして、毎回きちんと書いてるんですね。というわけで、早速今年観た映画を振り返ってみましょう。早くもDVD化されてるものもありますね。順位付けって難しいなあ。では、上位から観て行きましょう。

上位三本はどれが一位でも良かったのですが、

1位!
塔の上のラプンツェル
ディズニー映画ってそもそもあんまり観にいかないんですが、この映画は本当に楽しかった。ラプンツェルという題材をここまできちんとディズニーのプリンセスモノの定型に落とし込んだ上で、楽しめる映画にしていたのには驚きでした。迷いましたが、やはりエンターテイメントの基本はハッピーエンド!という事でこの映画を選定しました。

2位
冷たい熱帯魚
相方に連れられて観に行って絶句しました。デートムービーではないのですが…笑。園子温監督は凄い!これまでかなり韓国映画を褒めてきましたが、ポン・ジュノだとか、パク・チャヌクだとかヤン・イクチュンだとかそういう監督に匹敵する凄い監督だと思います。この人の作品はこれからも観続けて行きたいなあ。透明にしちゃったから大丈夫、だとか、でんでんのキャラ勝ち!でんでんの村田というキャラクターはダークナイトのジョーカー並の発明だと思うんですよね。このキャラだけで全てもっていった感じです。

3位!
SUPER 8
滑り込みでランクイン!いや、この映画が一位でも良かったんですけどね…笑。やはりジュブナイルモノとしてはこういった映画がもっと沢山の人に見られる事を期待していきたい。 以下、四位以下。ここからの作品もいずれも結構好きな映画です。子ども向けが多いんですけどね。

4位
X-MEN ファーストジェネレーション 
チャールズかっこよすぎ!彼が動き回って最強のテレパスとして活躍するのがアツい!動き回るプロフェッサーXだったら最強だよなあ、と。エリックとの因縁だとかミスティークとの関係だとか、観てるだけでワクワクするようなプリクエルでした。

5位
アンストッパブル
俺たちがやらなきゃ誰がやる!というアツい働くオトコたちの意地が輝く映画。荒削りな部分もあったにせよ、言葉以外できちんと彼らの強い使命感や活躍を描いていたのが印象的でした。

6位
ソーシャルネットワーク
もう少し上位にするつもりでしたが、案外と個人的にはアンストッパブルやX-MENの評価が高く、順位が下がってしまいました。気持ちとしてはもう少し点数あげたいのですが…ちょっと個人的にはFacebook含めて旬を過ぎたような気分です。


7位
ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦よくできていました! 人に勧める映画ではないのですが、かなり楽しめました。


8位
映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち
個人的な好きという気持ちからこの順位で。結構意欲はあったと思います。


9位以下はべつに映画館じゃなくてもよかったかなあ、と。後から考えるとそう感じます。ちょっと期待外れだったかなあ、と。

9位
ウォールストリート

10位
エンジェルウォーズ

11位
スカイライン 征服

12位
オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー

13位
悪魔を見た

14位
GANTZ perfect answer

15位
GANTZ

16位
SP 革命篇

順位付難しい一本
攻殻機動隊 SSSやはり元がすでに公開済みなので順位付けるべきか悩みます。完全新作とは言えない、というか。順位付けるとしたら6位手前にランクインします。けど、新規性はないものと考えて敢えて選外にしてます。

13人の刺客とガメラオールナイトでも劇場には足を運んでますが、これは新作ではないので含みません。

なんか、こうやって映画について自分ランキング作ると好みがわかるので楽しいですね!

X-MEN: ファースト・ジェネレーション ★★★

2011-06-25 19:50:42 | ★★★
TOHOシネマズ上大岡で鑑賞。
久しぶりに一日に2本立て続けに鑑賞。日本のスーパーヒーローと
アメリカのスーパーヒーローを鑑賞してご満悦な一日でした。



(映画概要)
人気アメコミを原作に、すでに4本の映画が公開された『X-MEN』シリーズの最新作は、監督は『キック・アス』のマシュー・ヴォーン。
遺伝子の突然変異により、超人的なパワーが覚醒した人々=ミュータントの苦悩と冒険を描き世界的に大ヒットしたSFアクション・サーガ X-MEN。その待望の最新作が『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』である。タイトルが示すように、本作は、今まで語られることのなかったX-MENの起源にスポットをあて、ミュータントの第一世代とも言うべき超人たちのドラマを壮大なスケールで描き出したVFXアクション超大作である。
物語の中心を担うのは、後にプロフェッサーXと呼ばれ、X-MENを設立するチャールズ・エグゼビアと、最強のミュータント・テロリスト軍団 ブラザーフッドの首領マグニートーとして恐れられるようになるエリック・レーンシャー。若き2人の前に、人類滅亡を目論む巨悪なミュータント集団ヘルファイヤークラブが立ちふさがる!チャールズとエリックは手を組んで、若きミュータントたちとともに、ヘルファイヤークラブに戦いを挑む!かくして、人類の未来をかけた壮絶なミュータント・バトルが始まった!果たして彼らは世界を救えるのか!?そして、なぜ共闘したはずのチャールズとエリックは宿敵同士になってしまうのか!?



監督はキック・アスの人だったんですねー。結構驚きです。キック・アスがめちゃめちゃ楽しい「なんちゃって」ヒーローモノだったところからすると、正統派アメリカンコミックヒーローであるX-MENをどう料理したのかは非常に興味深いものがありました。映画を観終わっての感想としては、非常に満足度の高い作品でした。これまでの作品はの前日談としてとてもよく出来た構成になっていたと思います。

これまで四作品作られたXメン。最初の三部作とウルヴァリンの番外編に続いて作られたのはプロフェッサーXとマグニートーの因縁の端緒を描いた良作になっていました。ウルヴァリンも結構楽しめた自分としては、こういった前日談モノは好きなんだなあと感じました。なんせ、先に出てしまった作品とは矛盾なく、それでいて一つの作品としても楽しく仕上げなければいけないわけですから、作劇上の制限はとても多いはずなのですが、案外と、こういう制限がありますよ、という方が作品の向かうべき方向がはっきりして面白い作品が出来るのかもしれません。
例えば観客は、プロフェッサーXことエリックやマグニートーとミスティークが死なないことをあらかじめ知っています。どんなにピンチに陥ったってそう簡単に殺す訳にはいきません。まあ、マーブルに限らずアメコミでは死んでも復活したり、実は生きていた、なんていう展開はよくあるんですけどね…。Xメンの場合、三作目で景気良くプロフェッサーXやサイクロップスを殺してしまったがためにこういう前日談に向かわざるを得なかったのかもしれませんねえ笑。

しっかりウルヴァリンもゲスト出演していたのは面白かったですね。残念ながらほんの数秒ですが・・・。それにしても、マグニートーとプロフェッサーXには因縁があるというのは過去3作品でよくわかっていたつもりでしたが原作未読だったため、どういう絡みがあったのかはあまり良く知りませんでした。wikipediaを観ると劇場版はかなり原作コミックとは違う構成になっているようですので、これはこれでX-MENを題材にした映像作品、くらいに捉えて観るのが正しい鑑賞態度、なのでしょうか。教えてファンの人!

さて、そうは言っても一本の能力者モノのSF映画として観てもかなり楽しめる作品なんじゃないですかね。ファンタスティック・フォーなんかからも随分時間が経ってますから、やはり映画の見せ方としてはかなりよいものになっていたかと思います。

また、時代的にキューバ危機と絡めたのもなかなかに面白い試みと思いました。これまでのシリーズの展開を彷彿とさせるような描写やセリフも結構多く、とても楽しめました。それと同時に過去4作を結構忘れている自分がいて、ミスティークなんかは特に、ここまで大フィーチャーされるともう一度映画を見直さなければと思わされてしまいます。確か3作目で力を失ったような・・・。

プロフェッサーXこと、チャールズはかなりイケメンかつ、その後のパトリック・スチュアートを彷彿とさせるような雰囲気を持っていました。髪の毛ネタが心なしか多かったように思います。

こういう前日談モノは本当に歓迎ですね。
当然本作のようなクオリティに達しているのが前提ではありますが・・・。

インクレディブル・ハルク ★★★

2011-06-19 21:16:48 | ★★★
インクレディブル ハルク
2008年の映画ですね。地上波、字幕版で深夜にやってたのを録画したやつを鑑賞。
何気にノーチェックでした。アイアンマン2を観た後だと最後の展開にかなり燃えること間違いない映画ですね。ってか、アベンジャーズのことを日本ではあまり喧伝しないせいで、わからん人には何のことかさっぱりわからんわけですが…。
それにしても2003年にも製作されたのにもう一回作り直されるほどにはハルクは米国では人気があるんですね。どうもこの制御出来ない力を手に入れて暴れまわるヒーローというのが、個人的にはあまり魅力を感じないところではありますが、映画としてはそこそこ楽しめました。ソーも評価が高いとのことなので、今後のアベンジャーズの展開には期待大なのですが。

ハルクは事故によって生み出された最強の生物で、心拍数が200を超えると通常の人間の姿ではなく、緑の巨人になってしまう。見境なく、人を襲い、力尽きて変身が解けるまで暴れまわる、というヒーロー。ブルースは実験中に不慮の事故でハルクになってしまい、近くにいた恋人もその父親である将軍も傷付けてしまい、逃亡して南米で暮らしているところを軍に追われる、という展開です。軍のエキスパートである男ブロンスキーもハルクと同様の力を得て、最終的にはガチンコで戦う、という展開。2003年のハルクよりもライバルキャラクターがいる分、物語としては引き締まったように感じました。全体の映画の雰囲気もよかったですね。戦車やヘリとガチンコで戦う2003年版も好きでしたが…。

ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊ヒーロー大決戦 ★★★

2011-06-11 18:57:32 | ★★★
TOHOシネマズ上大岡で公開初日に鑑賞。


子供連れがたくさんいる中で大きいお友達が一人で観るのは中々きつい。この手のヒーロー映画はあんまりレイトショーやらないから余計に辛いものがあります。レイトショーならひっそりゆっくり観られるんですけどね。 でも、映画館で観るメリットもあります。子供達がどういうところを観て喜んでるのかとかダイレクトに伝わるのが映画館。子供達があまり騒がなかったので、今回の作品は何気に大人向けなんだなあ、と感じました。確かにそうだよなあ。だって、ゲストで素面のデカピンクが出てたけどデカレンジャーだってもう何年も前の作品。現代日本の男の子が必ず通るであろうスーパー戦隊ですが、何気にどっぷり観る期間って短いように思うんですよね。対象年齢ってせいぜい5歳から10歳くらいなんではないでしょうか。そういう意味ではデカレンジャーですら、ゲスト出演しても誰かわからん子供達がたくさんいるんだろうなあ、と。テレビマガジンとか読んでるヒーローエリートは全作品大体わかるんでしょうけど…。そういう意味でも本当に大人向けなんだなあ、と。デンジマンとか私もわからんし!テレビマガジンにも素面の役者はそんなに載ってないでしょう。でも、あのあんパンのシーンは本当に泣けた。なんででしょ。昔のヒーローが子供達に夢を見ることを諦めないで欲しいって思ってることが伝わってくることが如実に伝わってくるいいシーンでした。

いやあ、これは中々楽しい作品でした。所謂、スーパー戦隊35周年を記念する映画作品だったわけですが、そういうお祭り要素を無視しても充分に鑑賞に耐えうる作品になっていたと思います。だって、私、全話観たスーパー戦隊シリーズ、今のところゴーカイジャーくらいですし…。あとはシンケンジャーと少しだけタイムレンジャーとかマスクマンとかライブマンとか…ほんとそれくらいの知識で観ても充分に楽しめる作品になっていました。


今回は派手にネタバレしていきますので、未見の人は気を付けてくださいね!









お話としてはゴーカイジャーの前日談としてのスーパー戦隊とザンギャックの戦いがゴセイジャー視点で描かれます。ここもゴーカイジャー第一話のシーンと新たに撮影したシーンをうまく組み合わせてあって見応えのあるシーンになってました。
シンケンレッド姫バージョンとか、ゲキレンジャーのライバル役の理央やメロが出てたりとか最近の作品のファンにも感涙モノのシーンも挟まってていて中々に嬉しいものがありました。展開はゴーカイジャーの第一話と同じく、戦う力をスーパー戦隊が失い、世界に散らばった力をゴーカイジャーが手にした、というところから始まります。が、今回の映画も例によって時間軸としては丁度、テレビシリーズで新しいレンジャーキーを手に入れてゴーカイシルバーが出てくるまでの間のところのお話になってます。なので、毎週、テレビシリーズをきちんと観ている人が一番楽しめるようになってます。私は今回初めて全話欠かさず観てるのでかなり楽しめました。

ゴーカイジャーはそもそも、テレビシリーズの出来が異常なまでに高いので、映画もその延長戦で観られたので非常に楽しめました。キャラクター描写としてはゴセイジャーを観ていなくても充分に楽しめるようになっていました。とはいえ、お話の展開で、ゴセイジャーの五人がどういう人間なのか、天使という設定の五人が対極にいるような宇宙海賊であるゴーカイジャーとどうやって相互理解していくかで充分にわかりました。

ゴセイジャーたちはゴーカイジャーの持ってるレンジャーキーを奪って、戦う力を取り戻します。そこから、ゴセイジャーとゴーカイジャーのガチンコバトルが始まり、一旦間を置いて巨大ロボ戦までやらかします。そこから、レッド同士のサシでの戦いも行われ、そこで今回の悪役、黒十字王が乱入してきます。

今回は殆ど、ザンギャックは不干渉なんですよね、序盤以外。共闘し、そして互いの大事にしてるものがわかっていく、ことでゴセイジャーがゴーカイジャーを認めていく、という流れは良くできていました。このパートに充分に時間をかけているからこそ、後のお祭り騒ぎも素直に観られるようになります。

そして、間に挟まれるコメディパートのようなデンジパンとかデカピンクのパトカーとかリュウレンジャーの亮が餃子で市民を励ますようなシーン。どこまで冗談かな、本編と関わらないままに終わるのかと思いきや、最後の最後できちんと伏線として活きてくるという熱い展開!まさか、バリブルーンのオモチャやデンジロボのオモチャがそういう展開に活かされるとは。全部のロボットではなく、二つに絞ったのはお見事。だって、上映時間には限界があるからね。映画として一番よかったシーンですね。この流れ。

敵として出てくる黒十字王は中々、インパクトのあるデザインでした。そして、怨念の塊という、非常に不気味な存在。レンジャーキーを奪って悪の手先として利用するわけですが、今回の映画で一番考えさせられたのはこのシーン。確かに全ヒーローと戦うシーンは中々見所もあるのですが、やはり正義の味方が悪の手先として、倒されるシーンは少し辛いものがありました。この点は、ディケイドっぽくて好きになれないポイント。テレビシリーズでもバスコの手先として利用される六人目ヒーローたちが倒されるシーンでも感じましたが、やはり正義の味方は簡単に悪の手先にはなって欲しくないわけでして…。倒されてレンジャーキーに戻るという描写もかなり丁寧にやっていましたが、それでもやっぱり心情的に受け入れ難いものを感じました。ゴーカイジャーの素晴らしいところとしてテレビシリーズでは一話ごとに先輩ヒーローが出てきてヒーローの力の源とでも言うべきものを伝授していく部分が挙げられるのですが、そのいいところをスポイルしかねない描写だと思うのですよね…。テレビシリーズで出てくるライバルキャラのバスコにしてもそうですが、そういう描写は極力控えて欲しいなあ、と感じる次第。

でなければ、ディケイドみたいなひどいことになりかねません。ディケイドはある意味で平成ライダーの世界を完全にぶち壊すキャラクターだったわけですが、お祭り作品としてもやはり、歴代ライダーを意思のない悪役として倒していくような描写は気分が悪かったわけで。ゴーカイジャーではディケイド以上に充分に気を使ってると思いますが、それでもやっぱりね…。

黒十字王を倒し、巨大化した後の展開では宮内御大などもゲスト出演してゴーカイジャーたちに有難い訓示を垂れるわけですが、ここでもゴセイジャーとは対象的に多くを語らないゴーカイジャーのいいところがきちんと節度を持って描かれてました。彼らは正当はではないからこそ、ゴセイジャーとの対比によって、口にはしないんだけど、他の先輩ヒーローに負けないくらいに大切なものを守りたいという気持ちはあることが、伝わる展開になっていました。いちいち口にするゴセイジャーとは本当に対象的。ゴセイジャーってテレビシリーズでも充分に正統派スーパー戦隊だったので、余計にこの二者の共演は面白い試みだと思いました。

黒十字王は35の戦隊の気持ちのこもったエンブレムが飛び出るバズーカに倒され、黒十字王がさらに巨大化し、黒十字城となって迫り来るわけですが、今回はめちゃめちゃでかくてご丁寧に東京スカイツリーまで出してくれたおかげでかなりのサイズの敵である事が観ただけでわかるようになってます。

そして、大ピンチに陥るわけですが、そこからの展開はいわゆる思いの力が彼らを救う、決して諦めない気持ちが、皆のヒーローを応援する気持ちが、ヒーローを救い地球を救う、という王道展開なのですが、ここの出来は本当に素晴らしかった。自暴自棄になっていたサラリーマンが諦めないでバリブルーンのオモチャを捨てずに頑張ろうと思った気持ちが、ヒーローを救う、という展開。うーん、胸が熱くなるような展開。歴代巨大ロボたちが助けにくるわけですが、これは完全にオモチャという形に託した夢を捨てなかった大人たちの気持ちが乗っかった展開なのですよ。トイストーリー的な意味でも胸熱な展開でした。 後は、スーパー戦隊のロボたちによる悪役フルボッコタイムののち、黒十字城を倒して大団円、ゴセイジャーたちはなんと、ゴーカイジャーにレンジャーキーそのものを返すのですが、この展開を考えるとテレビシリーズにはゴセイジャーたちは出てこないかもしれませんね。 エンディングも見応えがありました。

うーん、今回は本当に楽しめる作品でした。本当にオススメです。