目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ムーンフォール ★★

2022-11-20 21:02:20 | ★★
ムーンフォール ★★

(あらすじ抜粋)
正体不明の力によって月が軌道から外れ、地球に衝突しようとしていた。地球滅亡となるその衝突まであと数週間という状況の中で、NASAの幹部で元宇宙飛行士の女性が立ち上がる。そして、2人の仲間とチームを組み、彼女は世界消滅の危機を回避しようと奔走する。
(以上)
主人公は女性というよりは、男性側なのですけどね。
パニックムービーであり、インデペンデンスデイや2012やデイアフタートゥモローを撮ったローランド・エメリッヒの作品ですね!って感じ。もう、感想としてはその一言以上でも以下でもない。
なーんにも考えずに楽しめる大作、バジェットムービーでした。
月が落ちてくる、とか、月の中には実は…とか陰謀論やら派手な映像が好きな人にはたまらないんだろうなあと。

ノイズ ★★★★

2022-11-20 20:51:19 | ★★★★
ノイズ ★★★★

(映画.comより抜粋)
筒井哲也の同名コミックを、「デスノート」シリーズで共演した藤原竜也と松山ケンイチの主演で実写映画化したサスペンス。時代に取り残され過疎化に苦しむ孤島・猪狩島。島の青年・泉圭太が生産を始めた黒イチジクが高く評価されたことで、島には地方創生推進特別交付金5億円の支給がほぼ決まり、島民たちに希望の兆しが見えていた。しかし、小御坂睦雄という男の登場によって、島の平和な日常が一変する。小御坂の不審な言動に違和感を覚えた圭太と幼なじみの猟師・田辺純、新米警察官の守屋真一郎の3人は小御坂を追い詰めていくが、圭太の娘の失踪を機に誤って小御坂を殺してしまう。3人はこの殺人を隠すことを決意するが、実は小御坂は元受刑者のサイコキラーであり、小御坂の足取りを追って警察がやってきたことで、静かな島は騒然とする。泉圭太役を藤原、田辺純役を松山がそれぞれ演じる。監督は「ヴァイヴレータ」の廣木隆一。
(以上)

なかなかの佳作でした。島の田舎な感じや不穏な感じがするサイコキラーがなかなか。あと、島の町の人たちとか町長とかも常軌を逸した感じが好演でした。
田舎の島って車しか移動手段無いよねえ、とか、テレビ放送を何回も見ちゃうよねえとか、有名人が輩出されると本当に頼りきりになるよねえとか、補助金行政に頼りきりになるよねえとか、無人販売所ってあるよねえとか、変なやつ歩いてたらすぐわかるよね、とか、田舎あるあるの数々の描写や演出のドンピシャ具合がびっくりでした。そこに携帯電話からの全体メールのような島ならではのギミックが加わると。(島以外だと、こういうシステムはなかなか導入されづらいですよねえ)

それにしても昔から見知った田舎の町長ってあそこまで直裁な物言いってするかな、という違和感はありましたが…。そこだけはやはり、ドラマ的な展開には思えました。

ドラマの99.9のスペシャル版だったり、元彼の遺言状の最終話だったりと、様々な作品で描かれる「街や島、村全体がグル」と言う展開は最近よく見かけます。どうしてこうなるのかな?というのを犯人側から見られるという意味でもなかなかの展開でした。
それにしても、松山ケンイチと藤原竜也と言う組み合わせ、既視感ありましたが、デスノート以来の組合せだったんですねえ。終盤のどんでん返しがなかなかに痛快で、島が明るく自然いっぱいなのも手伝ってか、嫌な話なのに、そんなに気分の悪さはありませんでした。

仮面ライダーBlack Sun

2022-11-20 20:33:09 | ★★★
仮面ライダーBlack SUN
褒める人もいれば貶す人もいる。Amazonプライムで視聴。全10話完走。
簡単に感想を書きたい。ネタバレします。


今風にハードな思想を載せるとこうなる、ということなのだろうか。テロリズム、左翼、戦時中の実験部隊やら革命に身を捧げた人のさだったりとモチーフを現実に求めているのでどうにもこうにも。首相の造形など悪意があるとしか思えない台詞回しとキャラ造形ではある。今のご時世に。それでもこういうキャラ造形のお話を全力で作るところがなんともはや。
ヘイトを繰り返す人たちとデモに参加する人たちの衝突。これもまた現実的な世相の反映。
学生運動礼賛の世界観はちょっと微妙。
時間軸を1972と2022を行ったり来たりにして若干のミステリー仕立て。とはいえ。あんまりカタルシスは無いかな…。
どうにも人体実験をされた後の南光太郎と秋月信彦が1972までどうやって生きて来たのか?という感じが拭えず。どう生計を立ててたのかな?とか怪人って差別用語だよなあとか細かいところが大変に気になった。怪人は再生産されるとすれば、そこは分かるけど、怪人はどうやって見分けるのか?どうもにおいが特有っぽいが…。ぱっと見普通の人間なので、いきなり街中やバスの中で「怪人だ!このバスは怪人を乗せるんですか?」ってなるのが、なぜ?と。
割と、これまでの作品では人間に化けられるので見分けがつかないという作品が多かった。単純に演出不足に感じる。スズメ男であれば羽が出てしまうとか、ビジュアル面で隠しきれない何かがあるとかじゃないと納得感は薄い。

暗い音楽がモチーフとしてなんども使われる。ドラマチックだが、同じモチーフが何度も使われると流石に飽きてくる。
最終話で突如、倉田てつをのあの曲が流れると、案外とこれはこれでアリだった。もうちょいやって欲しかったなあ。

とにかく監督か脚本家が学生運動が好きだったんだろうなあと。内ゲバ感も満載。1972パートも2022パートもどちらも内ゲバの話。思想や信条の違いで身内で殺し合う。
本家のライダーでもこういうこじんまりとした小競り合い感みたいなのはあるよね…。出すキャラ少なめでどうやってスケール感を出すか?というのは結構演出でさ重要なテーマなのよね。解決策は悪の組織全体を敢えて描かないことなんだけど幹部とかずーっと出てるからな…。

ゴルゴム本部が簡単に突入できたり、SATが突然配置されたりされなかったり。首相の守りが薄かったり。(いや、現実を反映してると言えなくもないのが笑えないのだけど)
街中にビルがあったり、創世王の守りが緩すぎたり、ブラックサンの復活のための汁は何?とか、創世王の最後のくだりはどうして光太郎勝てなかったのか、とか、色々とツッコミどころは満載。そこは創世王を抑え込まなきゃ嘘だろ。光太郎に託して死んだ信彦が浮かばれないじゃないか。
あと、光太郎というキャラクターの自主性の無さが気になった。無口なハードボイルドキャラクターが多い西島秀俊さんにお願いするとこうなるよねという気もするが。
本家ばりに明るいキャラだと作品が成り立たないのかもしれないが…1972-2022で50年もあったのだから色々割り切れたんじゃないか?とも思う。仮面ライダーオーズのエイジあたりの垢抜けた感じとかで演じても面白かったんじゃないかな。
1938-1972まで創世王はどう管理されてたのか?誰がゴルゴムを切り盛りしていたのか?その辺りもよくわからなかった。映画みたいなものだとすれば、描写されてないところは想像してってことなのだとは思うが。改造のキーアイテムであるストーンはどこからきたのかとかね。

あと、葵というキャラのスケール感が結果的に小さくなりテロ組織を結成してるってのが残念な帰結ではある。
政治に迎合せずにそれでいて国際的にメッセージを出し続けられるキャラであり続けた方が良かったのでは…と思う。国連でスピーチできるってのはすごいバランス感が必要なわけで。怪人になったことでそのバランスを失ってしまったということなのかもしれないが、それでもねえ。