ガメラオールナイトも佳境を迎えました。
3作目ともなると、しんどさがマックスだったのですが、なんと2を観終わってから、樋口監督が再登場して、3についてあれこれと語っていました。いはく、「大人になった」というか、そういうちょっと一歩引いた視点での語り口をしなければいけないのでは、と自省的、内省的、内向的になってしまったのでは、という話や、CGで夜の雲海のシーンを作った、とか。それまで、雲海の描写は綿だったので、そこもまた、ひとつの技術的ブレークスルーだったのでしょうね。特にCG製作におけるいくつかのエピソードとガルム製作のためのCG製作部隊の関係については本当に裏話感満載でした。
ガメラ2と3見比べるとCGシーンのレベルアップぶりとそこに関わる会社の多さにびっくりしました。名だたる会社が関わってたんですね。ゴンゾとか。イリスのCGって今見ても結構観れるレベルですものね。。。
正直、映画を観始めてから、終盤の京都決戦前に何度か寝落ちしました。シーンが繋がらず…いや、大枠は理解してますが…。後でちょっと映画を見直しました。
まず、お話の根幹として今回のイリスとガメラの関係は日本古来の神話になぞらえています。ガメラを玄武、イリスを朱雀と見立ててます。日本にギャオスの変異体であるイリスが封印されていて、ガメラに強い恨みを持つ少女の「想い」の力を取り込むことで、ガメラと同じように「想い」を原動力にパワーアップしようと画策した、というところの話がお話の根幹なのですね。
そこでお話の中心に
・ギャオスからの人類の脅威を防ごうとするガメラ
・でも容赦なく、街は破壊され死んだ人もいて恨んでいる人もいる。
・その恨みを持った少女がイリスと偶然邂逅し、イリスは成長していく。
・そこに、イリスの封印を司る家の少年が前田愛に惚れていて・・・という描写があるわけなのですが、この少年の話って結構途中からオミットされている感が強くてあまり少年自体が活躍しない方向に話が変わってしまっている。
折角のボーイミーツガール的要素が中途半端で残念。やるなら、剣とかもっとうまく使ってもよかったのかなと思うわけです。剣というアイテムをもう少し活用して欲しかった。その残り香は感じるのですが。2回も登場する割には単なるナイフでも代用の効くような描写だったのは勿体無かったように思います。想いの力は想いの力で断ち切るような描写が欲しかった。ボーイミーツガール的な要素が果たしてガメラ3に必要だったかも怪しいわけですがね。ただ、もっと単純に新たなる敵、という感じにしてしまうとレギオンと被り過ぎるんでしょうけどね…ただ、一つ言えるのは人工呼吸のシーンは絶対中山忍にやらせたら変では?脚本の流れとして。事務所からNGが出たのかな…。
あと、序盤にイリスに取り込まれそうになる前田愛のシーンってナウシカっぽいよなあ。昔から思ってたんだが…。
正義の怪獣に殺されてしまう人もいる、というのは至極まっとうだし、リアル路線に突き進んでいた特撮モノでは避けては通れないテーマなわけです。正義の力にも犠牲者は出るし、被害も出る。大きな力には責任も生まれるわけですからね。でも、そこへの回答は出ないままにお話は帰結してしまっており、少女の恨みも昇華されないままに終息してしまっており、そこは非常に残念かと思うわけです。テーマとしては良かっただけに。
単純に特撮アクション映画として観た場合は、2の方がサクサク決戦までいくから見てて楽しかったですね。3はややお話が丁寧過ぎるんですよね。もっと2みたいにガンガン飛ばしてくれても良かったとは思います。もっとソリッドでシャープな話に出来たんじゃないかなあ、と。渋谷破壊シーンは白眉の出来。問答無用でギャオス以外に民衆も死にまくる。あの規模の大破壊が起きたら死者一万人じゃ済まないですよね…。後はやはり京都駅のシーン。まだ当時は京都駅が出来たばっかりだったはず。ある意味屋内戦にもなっていて非常に見応えがあり壊し甲斐のある造形物だったと思いますね。あそこで予算がなくなったと、樋口監督は仰っていましたが。。。
デザインの話ですが、イリスの造形と進化の形態は秀逸だったと思います。ギャオス、レギオンとハードで不気味な造形が続いて来たので路線転換という意味ではとても良かったですね。
怪獣映画で大事なグロ描写というと仲間由紀恵がミイラになるシーンとかがありましたね。うーん、これって黒歴史?ナデシコ劇場版での喋らない声優役と言い、下積み時代、結構苦労してたんですね、仲間さん…。
総じて今回のオールナイトは非常に楽しかったですね。
また、こういう機会があればぜひとも参加したいものです。
3作目ともなると、しんどさがマックスだったのですが、なんと2を観終わってから、樋口監督が再登場して、3についてあれこれと語っていました。いはく、「大人になった」というか、そういうちょっと一歩引いた視点での語り口をしなければいけないのでは、と自省的、内省的、内向的になってしまったのでは、という話や、CGで夜の雲海のシーンを作った、とか。それまで、雲海の描写は綿だったので、そこもまた、ひとつの技術的ブレークスルーだったのでしょうね。特にCG製作におけるいくつかのエピソードとガルム製作のためのCG製作部隊の関係については本当に裏話感満載でした。
ガメラ2と3見比べるとCGシーンのレベルアップぶりとそこに関わる会社の多さにびっくりしました。名だたる会社が関わってたんですね。ゴンゾとか。イリスのCGって今見ても結構観れるレベルですものね。。。
正直、映画を観始めてから、終盤の京都決戦前に何度か寝落ちしました。シーンが繋がらず…いや、大枠は理解してますが…。後でちょっと映画を見直しました。
まず、お話の根幹として今回のイリスとガメラの関係は日本古来の神話になぞらえています。ガメラを玄武、イリスを朱雀と見立ててます。日本にギャオスの変異体であるイリスが封印されていて、ガメラに強い恨みを持つ少女の「想い」の力を取り込むことで、ガメラと同じように「想い」を原動力にパワーアップしようと画策した、というところの話がお話の根幹なのですね。
そこでお話の中心に
・ギャオスからの人類の脅威を防ごうとするガメラ
・でも容赦なく、街は破壊され死んだ人もいて恨んでいる人もいる。
・その恨みを持った少女がイリスと偶然邂逅し、イリスは成長していく。
・そこに、イリスの封印を司る家の少年が前田愛に惚れていて・・・という描写があるわけなのですが、この少年の話って結構途中からオミットされている感が強くてあまり少年自体が活躍しない方向に話が変わってしまっている。
折角のボーイミーツガール的要素が中途半端で残念。やるなら、剣とかもっとうまく使ってもよかったのかなと思うわけです。剣というアイテムをもう少し活用して欲しかった。その残り香は感じるのですが。2回も登場する割には単なるナイフでも代用の効くような描写だったのは勿体無かったように思います。想いの力は想いの力で断ち切るような描写が欲しかった。ボーイミーツガール的な要素が果たしてガメラ3に必要だったかも怪しいわけですがね。ただ、もっと単純に新たなる敵、という感じにしてしまうとレギオンと被り過ぎるんでしょうけどね…ただ、一つ言えるのは人工呼吸のシーンは絶対中山忍にやらせたら変では?脚本の流れとして。事務所からNGが出たのかな…。
あと、序盤にイリスに取り込まれそうになる前田愛のシーンってナウシカっぽいよなあ。昔から思ってたんだが…。
正義の怪獣に殺されてしまう人もいる、というのは至極まっとうだし、リアル路線に突き進んでいた特撮モノでは避けては通れないテーマなわけです。正義の力にも犠牲者は出るし、被害も出る。大きな力には責任も生まれるわけですからね。でも、そこへの回答は出ないままにお話は帰結してしまっており、少女の恨みも昇華されないままに終息してしまっており、そこは非常に残念かと思うわけです。テーマとしては良かっただけに。
単純に特撮アクション映画として観た場合は、2の方がサクサク決戦までいくから見てて楽しかったですね。3はややお話が丁寧過ぎるんですよね。もっと2みたいにガンガン飛ばしてくれても良かったとは思います。もっとソリッドでシャープな話に出来たんじゃないかなあ、と。渋谷破壊シーンは白眉の出来。問答無用でギャオス以外に民衆も死にまくる。あの規模の大破壊が起きたら死者一万人じゃ済まないですよね…。後はやはり京都駅のシーン。まだ当時は京都駅が出来たばっかりだったはず。ある意味屋内戦にもなっていて非常に見応えがあり壊し甲斐のある造形物だったと思いますね。あそこで予算がなくなったと、樋口監督は仰っていましたが。。。
デザインの話ですが、イリスの造形と進化の形態は秀逸だったと思います。ギャオス、レギオンとハードで不気味な造形が続いて来たので路線転換という意味ではとても良かったですね。
怪獣映画で大事なグロ描写というと仲間由紀恵がミイラになるシーンとかがありましたね。うーん、これって黒歴史?ナデシコ劇場版での喋らない声優役と言い、下積み時代、結構苦労してたんですね、仲間さん…。
総じて今回のオールナイトは非常に楽しかったですね。
また、こういう機会があればぜひとも参加したいものです。
三部作のオールナイト上映、最終作で寝オチはもう、いたしかたない事かと拝察致します。 ^m^)
GⅢの作品評価に対しましては、世代間を中心軸に、わりと好き嫌いがはっきり分かれる気配が濃厚でして、『もうこれでイチバン!』と云う方と『Ⅲはチョットね…』という方に二分される雰囲気がございます。当時そこまで計算された作品だったのか、それともブン投げた結果だったのかはよく判りませんが、ともあれ特撮怪獣映画史上に燦然と輝く作品であることは間違いないですね。
ガメラでご縁がございましたら、今後ともどうか宜しくご協力の程お願い申し上げます。
このブログは結構新作映画を中心に観た感想をアップするブログなのでこういう風にオールナイトの感想をまとめて古い映画について記事を書くことってあまりないのですが、久しぶりにトラバや丁寧なコメントをいただいて嬉しかったです。
今後とも宜しくお願いします。