ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序 ★★★

ネット上では案の定、賛否両論。

肯定派は全面肯定、否定派は全面否定。
やれ従来作品となんら変わらないだの、
金儲け主義だの。

興行作品だから金儲けしてナンボやし、
よく観たら作品が従来とまったく同じという
批判は当たらないのですが・・・。

というわけで事前の心配をよそに
観始めたらあっという間の９０分でした。

私が中学のときの作品なんです、エヴァは。
当時はあんまり真面目には見てなかったんです。
でも、夕方１８時代に放映していた割に
内容が若干過激な回があってそれ以降かなり
クラスでも話題になってましたね。

なんだかんだでテレビシリーズは一通りは
観ました。フィルムブックも持ってました。
劇場版も２回くらいは見ました。
さすがにフィギュアにまでは手を出しませんでしたが・・・。高校になったら忙しくてあんまり
こういうアニメとか見なくなっていったんですよねえ。

でもやっぱりエヴァはある種、当時を思い出させるキーであることには変わりは無くて。

庵野監督が「この１０年、エヴァより新しい映画はありませんでした」というコメントを新劇場版を製作するにあたって表明していましたが、
そう言われても仕方ないような気はします。
（個人的には、今監督や押井監督はある程度
その評価は低いんじゃないの、と思う。）

そして、わざわざ過去のカット割やフィルムや
原画やコンテを引っ張り出してきて再び新しい
作品として復活させたわけですが。
この手法は過去、Zを新約３部作で蘇らせた
富野監督よりも潔くて好感触。だって、
やっぱりアレは無理あったもん。

画風はあの頃を踏襲しつつも２００７年の
作品としてまったく新しい世界観を提示し
始めたこの劇場版は必見だと思います。

編集の仕方も無理がない。（ただ、
テンポは非常に速いのでできればある程度
あらすじを理解しておくか、テレビ版を
予習していたほうが劇場で楽しめる）
正直、初心者でも大丈夫ですよ、と宣伝するには
専門用語が当たり前に走り回るので苦しいかも。

この映画で使われている用語をまったく解説もなしに
すべて理解するのは非常に難しい。心理学、
軍事、宗教、そういったものの深い理解が
あればわざわざ予習する必要もないのかも
しれないけれど。

個人的にはカット割、すごいよかった。
新カット、新解釈も多くて、
ヤシマ作戦をもう一度
納得しやすい形で再現した手腕はお見事。
やっぱりやり直すのって難しいですからね。
そういった過去の栄光を全部叩き壊して新しい
それでいて従来のイメージを壊しすぎない
作品作りをしたのはとてもよかったと
思います。

ストーリーはテレビ版をほぼ踏襲、
ただ今後新しい展開にもっていきそうな予感。
なんと次回予告がエンドロール後に流れるので
エンドロール後に席を立つのは非常に勿体無いです。
また、メカニックデザインも秀逸。
いくつもの新デザインが生み出されていて
男の子も満足の内容だと思います。
EVAもかなりリニューアルされていますし。


出来ることなら、失速することなく劇場版を
完成させてほしいものです。

今後に期待。