アルゴ ★★★★
ベン・アフレック監督主演作
「もっとマシな作戦はないのか?」
「考えうる最もマシなろくでもない作戦です。」
これは面白い映画ですね!昨年のBest級に挙げる人たちが多かったのも頷けます。
緊迫するイランのカナダ大使館に取り残されたアメリカ大使館員6人。彼らを脱出させるための作戦は宇宙映画のロケ隊に扮することだった!?という嘘みたいな実際にあった話。
序盤のアメリカ大使館が占拠されるまでのリアリティとそこからの作戦立案までの展開の滑稽さの対比が面白い。とはいえ、この脱出作戦に至るまでに描かれるイランの様子は非常に恐ろしい描写が続き、簡単に人が撃ち殺されたり、街中でクレーンに吊るされてる人が出てきたり、となかなかのシーンが続々と描かれることで脱出作戦の緊迫感がより際立つわけですね。
まだ黒電話しかない時代なので、すぐに人が見つからなかったり最近のスパイ映画では付き物のスパイ衛星がなかったりと現代劇では起こり得ない緊張感がまた新鮮だったりします。
CIAのメンバー同士の会話で
「主席補佐官を探せ!」
「どうやって?」
「俺たちは諜報機関だぞ!」
というやり取りもなかなかに面白い。
中東の石油権益を巡る問題はずーっと続いているのだなあと感じずにはいられない一本。とても楽しい映画でした。