目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

2011年公開作品評価とベスト10

2011-12-31 12:02:38 | 2011年公開作品評価
2011年公開映画ベスト

新作として公開された映画で今年観た映画は49本!(DVD含む)今年は割といいペースで鑑賞しましたね!この中からベスト10とワースト3くらいを決めたいですね。個人的なベストですし、ブラックスワンやスコット・ピルグリムのような注目作をスルーしてしまってる時点であまり参考にならないかも、ですし、あくまで私の個人的なベストであることをご理解ください!

これだけ観ると選ぶのも一苦労ですね。

まずはTOP10から。
1位!
仮面ライダーオーズ&フォーゼ MOVIE大戦MEGAMAX

いやー、まさかプログラムピクチャーで子供向けコンテンツを一位に持ってくることになろうとは。でもね、これ、私のランキングなのでご容赦願いたい。オススメする、というよりはライダーというコンテンツにまだ関心がある人には是非観て欲しいなあ、今のライダーシリーズは、という気持ちはあります。お話の出来がここまでしっかりしてくると、子供向けとは言え一見の価値はありますよね。ってか、TVシリーズという52話x22分を3シリーズと劇場版が5~6作品というバックグラウンドがあるからこその映画という意味では少しズルいと言えばずるいんですけどね。他の映画より面白く出来る条件はしっかり揃ってるわけですから。

2位!
トゥルーグリット
この映画を一位にしてもよかったのですが…。西部劇って素晴らしいですよね。なんともお手本のような映画です。こういう映画が普通に出てくるのがハリウッドのすごいところ。そして、こういう名作がさっぱりヒットしないのが日本の怖いところ。未見の方はぜひ。面白いですよ。

3位!
ブルーバレンタイン
DVDで観ました。この作品が一位でも全然いいのですが…とにかくこの映画には今年でないと出会えなかっただろうなあ、とほんとに感じます。そして、破壊力抜群の悲しいストーリー。ほんとね、殺されるかと思いましたよ。でも、観てよかった。

4位!
モテキ 
とにかく「今年」観ることにここまで意味のある作品もなかったのではないでしょうか。同時代性をここまで鮮明に切り取ってる映画は珍しい。人によっては腹が立つ人もいるそうですが、私はこの映画、とっても楽しみました。長澤まさみが再び輝きを取り戻した作品とも言えます。

5位!
猿の惑星: 創世記 
この映画といい、X-MENといい、今年は過去のコンテンツを有効に活かしつつ素晴らしい形に昇華出来てる作品が多かったですね。単なる焼き直しではなく、きちんと存在感と存在価値のある作品に仕上がっている。良質なSFコンテンツでした。

6位!
リアル・スティール
ベタですが、この作品はとても面白かった。後半にいい映画が固まったなあ、今年は。ヒュー・ジャックマンもウルヴァリンの人から脱却できそうで、よかったなあ、と。

7位!
塔の上のラプンツェル
上半期ベスト1ですね。コメントは上半期と変わりませんが、クオリティの高い作品だったと思います。また観たいなあ。

8位!
冷たい熱帯魚
いやー、今年は恋の罪をまだ観れてないのでそれが残念ですが、とにかく度肝を抜かれる作品でしたね、この作品は。

9位!
X-MEN ファーストジェネレーション 
どうしてもTOP10には入れたくて上半期と順位が入れ替わってしまいましたね…いい作品だったと思います。

10位!
アンストッパブル
今年一発目の映画ながら非常に印象の良い映画でしたね。熱い男たちの映画!

11位
ソーシャルネットワーク
やっぱり、今年この作品には大きな意味があったなあ、と思います。Facebookが本格的にブレークしたという意味でも映画化の意味はあったんじゃないかな、と。

以下、順位順で並べました。

12位以下
SUPER 8
トップ10か、というとちょっと違うなあ、と。いい映画でしたけどね!

カンフー・パンダ2 
タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密
タンタンも出来の良い映画でしたが完成度と蛇足の無さでなカンフーパンダに軍配が上がりそうです。

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー 
非常にバランスの取れた映画化でしたね。

Peace ピース 
想田監督の作品はどちらかというとこういうランキングには馴染まないんですけどね…。

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン 
すごい映像技術なのに、激しくなっていくと、逆にあまり印象に残らなくなってしまう皮肉。

阪急電車 片道15分の奇跡
ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦

その街のこども 劇場版
この映画も今年観ることに大きな意味を感じました。また15年後にああいう映画が作られるのかな…。

探偵はBARにいる
こういう映画はもうちょっと増えてもいいかと感じました。良質な邦画コンテンツ。

カーズ2 

コクリコ坂から 
ほんとはもう少し高評価をあげたい作品。よく出来てたとおもうんだけどなあ…。

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 

うさぎドロップ 
ツレがうつになりまして。 
映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち
神様のカルテ 
ミッション: 8ミニッツ 
パイレーツオブカリビアン 生命の泉
世界侵略: ロサンゼルス決戦 
マイティ・ソー 
朱花の月
ウォールストリート 
アンダルシア 女神の報酬
アジャストメント
カウボーイ & エイリアン 
エンジェルウォーズ 
スカイライン 征服 
オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー 
GANTZ perfect answer 
GANTZ 
SP 革命篇 

プリンセストヨトミ
綾瀬はるかパワーだけではいかんともし難かった。お話自体は悪くないが題材が映像向きではなかった。

悪魔を見た 
復讐は独りよがりではいけない、というのがよくわかる話…

リミットレス 
オチが斬新だがそれ以外はあまり印象のない作品。

アイ・アム・ナンバー4 
印象の薄い作品だったなあ。

選外
攻殻機動隊 SSS


観てなくて観たい映画
劇場版 仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル 
海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船 
カイジ2 ~人生奪回ゲーム~ 
マネーボール 
恋の罪 
新少林寺/SHAOLIN 
ピラニア3D 
監督失格 
アンフェア the answer 
電人ザボーガー 
一命 
三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
ステキな金縛り 
ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル
あしたのジョー
ヒアアフター
英国王のスピーチ
ツーリスト
ガリバー旅行記
スコットピルグリムvs邪悪な元カレ軍団
星を追う子ども
ブラックスワン
パラダイスキス
127時間

リアルスティール ★★★★

2011-12-18 14:29:29 | ★★★★
リアルスティール ★★★★

上大岡のTOHOシネマズで鑑賞。
ヒュー・ジャックマン主演。ほぼ等身大のロボット同士のボクシングを通じてそこに携わる元ボクサーの父とずっと離れて暮らしていた息子との心の交流を描く。
とても面白かったです。

ネタバレ注意です!


この映画の面白いところは普通ならボクサーの父親がボクシングにカムバックして、頑張る姿を通して息子に生き様を見せるというのがベタな作劇なところなのに、そうしなかったところです。なぜ、わざわざロボットボクシングなのかと。それは取りも直さず11歳の息子でもロボットへの指示を通して活躍できるようにするためなのですが。父のボクサーとしてのカムバックは最後の試合で半分程度果たされます。

この映画で唯一きちんと描かれないこととして、ATOMの出自がありますが、そこについては詳しく掘り下げられません。廃棄処理されたロボットとは言え、持ち主がいたはずで、あそこまで有名になってしまうと誰かしら何かいいそうなものですが(^^;;
そういう意味でこの映画の主題はあくまで、そこに出てくるロボットではなくて、そこに携わる親子のドラマにあることがハッキリとしています。
悪役に単純な悪役以上の役割を担わせなかったところにもそれははっきり表れています。

ロボットボクシングという変化球を使いながら、描こうとしていることは普遍的な父と子の物語なのだ、と言えるでしょう。
ただ、ロボットボクシングについてはかなりしっかりと作り上げられていて説得力があります。一つ一つのセリフや背景、情景描写でロボットボクシングの世界をしっかりと表現しています。公式戦とそれ以外のイレギュラーな賭けのある草試合があること。世界戦があったりそこを転戦するロボットがいたり。音声操作が出来るロボットもいれば、そうじゃないロボットもいたり。高級車程度が買えるお金があればロボットは手に入ること。「ロボットを操る人にはボクサーの経験があってもあまり意味がないと思われてること。」
実はこの最後の部分が盲点というか、ポイントになっていて、スパーリング用のロボットであるはずのATOMがシャドー機能によって、世界戦に挑める下地になっています。作劇の妙ともうしますか、本来であればこういうロボット系のモーションだとかって専門家の意見をふんだんに取り入れるでしょうから、トレースには意味がないと思われてるのが実際には変なのですが、「この世界ではそうなんだ、」というルールというか先入観、イメージを観客の中に構築させることによって、主人公たちにスターダムへ上がらせる「作劇上の仕掛け」を作ってあるわけです。この辺りはやはりディズニー映画らしい、というか。SF的思考の強すぎる普通のSF映画ではこういう作劇はできないように思います。
父親は最初、お世辞にも人間的に褒められる存在ではありません。ロボットボクシングでは負けが続き、稼ぐどころか借金が雪だるま式に増えていく状況で、もはや限界というところへ来た別居していた息子が母親を亡くしたせいで転がり込んで来るわけですが、早速その息子をネタにお金を稼ぎます。まさにここの流れなどは本当に救いようがないダメな人っぷり。息子には早々にお金で売り飛ばされたことを見抜かれる始末。せっかく手に入れたロボットも無策な戦い方のせいで、あっという間にスクラップ同然になります。ここで、いいロボットがあっても指示する人間がダメだとうまくいかない、ということがはっきり描かれます。息子の大活躍の下地を作ってるわけですね。
紆余曲折あって、ATOMを偶然手に入れた息子はATOMを試合に出し始めます。この試合でうまく勝つわけですがそこで、父親にはボクサーの資質によって、相手ロボットの動きはきちんと二手先くらいまで読めていることが発覚。(ってことは、これまでも相手の動きは読めててもロボット操作が下手くそだったということですね。)
ゲームで腕をならしてきた息子にはロボットの操縦はそれほど苦もないことだったようで、順調にロボットを自分の手足のように操れるようになっていきます。シャドー機能も駆使して、ダンスも出来るボクシングロボット、という形で名をあげていくわけです。

シャドー機能そのものもそうですが、このロボットのCGの存在感の凄さは劇場で観ると息を飲むほどでした。特に初めてダンスを踊るシーンあたりの実在感というのは、半端ないな、と。日本でもHINOKIOというロボット映画がありましたが、比べるのが悲しくなるほどです。(HINOKIOは私は大好きですが!)ASIMOやアイボやムラタセーサク君など、ロボットの平和利用では一日の長がある日本ですが、こういう映画はむしろ日本の方がやれたんじゃないかなあ、と思うんですけどね。アメリカであんなロボットが開発されたら真っ先に兵器利用されそうです笑。

そこで来た公式戦のオファー。強敵をなんとか退けて、チャンピオンと戦うことに。ここで、トラブルがあり、父は息子に危険が及ばないように、いったんは息子と離れて、もう試合は諦めようとするのですが、結局きちんと向き合うことで息子と最後にチャンピオンに挑むことになります。
この父と子が改めて向き合うシーンから試合へ向かって行く高揚感たるや凄まじいものがあります。
チャンピオン戦も大苦戦するものの、ATOMは健気に壊れずに戦い続け、最後は音声認識まで壊れてしまうものの、シャドー機能によって真価を発揮します。それにしても、誰かのTweetにもありましたが、Gガンダムでいうモビルトレースシステムですよね笑。まあ、そもそも、あれはあれでモーションキャプチャーをモデルにしてるような気がしますが。人間の力は及ばないけど、人間の勘や経験にはロボットでは対応できない、ってことなのでしょう。ロボット開発の流れから言うとこの流れって少し矛盾するようにも思いますけどね(^^;;

勝敗は判定にもつれこみます。この先はぜひ劇場で、という感じですかね。

タイトルのREAL STEELというのは直訳すると、真の鉄、となります。劇中ではロボットボクシングの公式戦がそう呼ばれていますが、この映画全体を通して描かれるのは親子の絆と信頼の回復であり、その絆の強さこそが最終的にはReal Steelなんだぞ、ということのように感じました。


※steelには「鋼のような強い精神力」という意味もあります。

仮面ライダーフォーゼ&オーズ MOVIE大戦2011 MEGAMAX ★★★★★

2011-12-11 19:34:28 | ★★★★★
仮面ライダーフォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGAMAX ★★★★★

TVシリーズの仮面ライダーオーズが終わって仮面ライダーフォーゼが始まって三ヶ月、ここまでの映画体験をさせてもらえるなんて思ってもみませんでした。
★五つは当然、TVシリーズをきちんと見てる人に限られる評価かもしれませんが、少なくともアギトのプロジェクトG4に始まる平成ライダー映画の中では最高傑作確定です。特撮、いや、ヒーロー映画の括りで観ても安定感抜群、アクションてんこ盛り、そしてまとまりのある映画でした。
それにしても一つずつのエピソードを思い出すとバラバラにも思えるのに、きちんとまとまってます。これはひとえに財団Xの存在が大きいですね。きちんとWのTVシリーズの頃から黒幕的存在として暗躍してきただけあって、一本筋の通った悪の組織になってます。NEVERにもゾディアーツにも鴻上ファウンデーションにも「出資」という形で関わってましたよー、というのは中々に面白い。よく特撮ファンの間では無限に暗躍する悪の組織の開発費や活動費などの「資金源」が気になるって話になりますが、こういう存在が居ると納得性が格段に上がります。この設定は今後も活かせそうですね。
ディケイドで一区切りついたのか、今回は平成ライダーはW、オーズ、フォーゼだけ。そして、昭和ライダーも一号からストロンガーまでとなっています。ライダーの場合、登場してないライダーもどこかで戦ってる、と思えるからこれくらいの人数の方が描きやすくていいですよね。ストロンガーまでの理由は学園祭の仮面ライダー部のハリボテシーンでわかりますよね。フォーゼのキャスト、ライダー部の面々の役名が歴代ライダーのアナグラムというのは前から言われてることでしたが、ここへ来てこういう形で描かれるとはね。

さて、今回はネタバレメガマックスです。




映画は隕石が落下してくるところから始まります。そして、昭和ライダーたちの戦闘から始まるわけですが、今回はストロンガーまでに絞ったおかげでここで一つの役得が生まれます。残念ながら今回も中の人登場は叶いませんでしたが、各昭和ライダーの必殺技がしっかりと描かれます。後半ではV3の反転キックやXのライドルスティックを使ったXキックなどもワイヤーアクションたっぷりで見られます。(最高!)
ライダー2号のライダーパンチもしっかりとしたエフェクトで描かれていてSPIRITSっぽさがあってすごくよかったです。坂本監督、ワイヤーの人というイメージが強いですが、この2号のライダーパンチでは重みの表現もうまくできていて、かなり嬉しかったですね。あ、ちなみにライダーパンチは後半で観られます。

オーズ編からまず始まります。早速未来からの来訪者によって大変な事態になります。
暴走したコアメダルの化身と40年後の仮面ライダーアクア。今回のオーズでのゲストキャラと設定は中々に奇抜ですが面白いと感じます。しかも、事態の発端はやっぱり年老いた鴻上会長というオーズの少ない登場人物で完結、という特徴を活かした展開になってます笑。
40周年記念に40年後のライダーが出てくるというのは中々に素敵な設定です。アクアはあまり主人公っぽくはないデザインですが、40年後にも仮面ライダーがコンテンツとして残っていて、彼が主人公のTVシリーズが展開されたら素敵だな、と思わされます。水が苦手な水の力で変身するライダーというのも面白い設定。彼が水への恐怖を克服し、成長する、というのもまた一つのこの映画で描かれてるわけなのですが、この短時間でよく描けてるなあ、と感心しました。そして、アンクの登場。今回は、刑事さんの肉体を使わずメダルの力だけで人間体を維持してる、という設定。彼の復活の謎はそれほど難しい謎ではないものの、そこが一つのフックとしてオーズ編は展開します。ちゃんとオーズ編の最後でバックトゥザフューチャー的な展開で説明してくれます。
510さんと伊達さんも登場。残念ながら彼らははあまりいいところが無く、バースも伊達さんのプロトタイプは初戦敗退と残念な引き立て役になってしまいました。バースのテーマ曲ってかなりカッコいいのですが…。そして、登場時のイメージか、伊達さんのバースって、かなり強いイメージあったんだけどな…(^^;;今回は、セルメダルでのアタッチメントもあまり登場せず。510さんのバースもブレストキャノンまでは撃たせてもらえたものの、結局強制変身解除、全治三週間と完全にオーズの引き立て役になってしまいました。

今回はクスクシエも知世子さんも里中くんもきちんと見せ場があり、オーズのメイン登場人物はしっかりと彼らの持ち味をスクリーンに焼き付けることに成功してます。せいぜい30分の間に本当にしっかりとしたストーリーテリングですよね。

個人的には映司がアクアに対して、パンツのことを説明するくだりが良かったなあ、と。TVシリーズ第一話から見せていた異常なまでのパンツへのこだわり。それは「明日の」パンツってとこらがミソなんだよ、って言うシーンは映司もまた仮面ライダーとして一年戦って来たからこそ、増した説得力を持っているように思います。僕らの心の中でずーっとTVシリーズの勇姿が焼き付いているからこその名シーンだな、と。
アクアの助勢もあり、なんとかコアメダルの暴走を止めることに成功して、アクアが未来へ帰っていき、未来のコアメダルが財団に奪われ、オーズ編は終了。

Wについてはテロップなしの短編が挟まります。まさかのフィリップ変身拒否(笑)により、まさかの仮面ライダージョーカー再登場。製作陣もファンも翔太郎単身で変身する仮面ライダージョーカーが好きなんだなあ。本編含めてまだ、数回しか出て来てないフォームなのに!(笑)
翔太郎のクールな三枚目は健在ですね。ライダーパンチがまた観れたのは本当に嬉しい。

そして、フォーゼ編。
今回は学園祭シーンからスタート。学園祭では様々な催し物をやってるわけで、この題材を使えば、TVでもいろいろできたはずですが…まあ、映画優先ですかね。

仮面ライダー部がしっかりと「部になってる」良いタイミングでの映画公開だったため、今回も彼らの「友情」を基軸に物語は展開します。
それにしても、リーゼントの高校生 弦太郎の恋という、子どもには少しハードルの高い題材をうまく描きましたね。初恋の相手がメタリックな宇宙生命体というのも可哀想な話ですが…。ターミネーター2を彷彿とさせる生命体が物語のキーの一つになっており、女性ライダー、仮面ライダーなでしこという飛び道具も登場。真野さんは中々にこの「実は宇宙生命体」というぶっ飛んだ役をうまくこなしてますね。月のシーンでヘルメット外して銀色の液体になってしまうシーンとか中々にアイドルにはつらい描写ですが…苦笑。嫌がる人もいるでしょうけど、しっかりこなしてるのは偉いなあ、と。仮面ライダーなでしこについては、まあ、ちょっと観てる方が恥ずかしくなるものの、許容範囲内かな…(^^;;ノーベルガンダムとか許せる人なら多分大丈夫かな、と。

弦太郎のデートシーンも中々に面白い。弦太郎は真面目な奴なので、今後、TVシリーズでは彼の恋模様は恐らく描かれることがないんだろうなあ、とも思いますが…。
男が泣いていいのは財布を落としたときと、失恋したときだ、ってのは中々に面白いセリフだよね。
ってか、マジで失恋というか、ほぼ死別に近い悲恋を経験させてしまうわけで、今回の劇場版での弦太郎の成長度合いたるや、推して知るべしですよね。彼の泣く時間を必死に作るために確保する仮面ライダー部の面々の優しさには本当に胸が打たれました。そう、どんなに敵が近くにいたって、泣きたいときがあるんですよ、男にだって。いやー、こういうワイワイガヤガヤな面々で繰り広げるトレンディドラマ的展開がフォーゼの真骨頂なのだな、と今後のTVシリーズも安心して観ていられそうだな、と確信するに足る展開の熱さを見せてもらいました。

そして、そこから普通にバイクで映司登場笑。そんなに近いの?学園と。(^^;;「友達はたくさんできた?弦太郎くん。」という映司の台詞にはしっかりと映司らしさが詰め込まれてましたね。

ここから、Wとも合流して四人揃い踏み。翔太郎と弦太郎が盛り上がって、それをフィリップが冷ややかに見てて、映司が冷静に止めに入るという、形で彼らの人となりを短時間で描き切る。坂本監督の手腕たるや、凄まじいものがあります。
ここからは、Wと別れてフォーゼとオーズは財団を追い、Wは彼らの追っ手を食い止めます。翔太郎はちゃんと映司と会った時の「ライダーは助け合いでしょ」という台詞を覚えてるというところが胸熱ですし、弦太郎に「先輩」と呼ばれてる絵がまた胸が熱くなります。二人で一人の仮面ライダーという、途中まではあきらかに半人前ライダーだった彼ら。仮面ライダースカルという大先輩ライダーの背中を追いかけ続ける二人にとってはむず痒くも悪くない展開だったに違いありません。このようにきちんと過去の作品をしっかりと踏襲した脚本になっており、過去の作品をきちんと観て来た人ほど楽しめる作品になってます。

完全にここからの後半戦はアクションてんこもりシーンでした。オーズは全コンボを披露し、次から次へと敵をなぎ倒し、フォーゼも各種これまで出てきたスイッチを活用して戦います。オーズのコンボは流石に大量の敵と戦うのに向いてますね。
Wもいくつかのメモリの組み合わせを披露してくれます。やっぱりW、かっこええ…そして、主題歌もばっちり流れるところにWへの愛を感じました。タイトルにこそ書かれてないですが、この映画のW率は結構高めです。残念ながら風都のメンツやアクセルや所長は出て来ませんが…(^^;;

そして、ラストバトル。オーズはここへ来てさらに未来のコアメダルで新フォームを披露。フォーゼもロケットの新フォームで成層圏バトルを繰り広げます。CGとワイヤーの上手いシームレスに見える組み合わせでハイスピードバトルを完璧に描いていました。

最後は、撫子とのxxxも少しだけあるのですが、その後の「恋ってほろ苦いね…」という先輩ライダー映司の優しさが痛い展開に笑わせてもらいました。オーズやWの面々の再登場を祈るばかりです。メインキャストも段々大物になっていくケースが多いですしね…。
そして、メテオが少しだけ顔見せし、ギャバンVSゴーカイジャーとライダーvs戦隊の映画予告でてんこ盛りの映画は終了しました。


はっきりと大傑作ですよね。ファンのツボをしっかりと抑えつつ、アクションは坂本監督お得意のワイヤーとCGの高次元の融合、テーマ音楽も惜しげもなく投入し、主題歌まで流し、新ライダーまで二人も出しつつ、強大な敵も何人も出しておきながら90分で全て収拾つける。(撫子が空から降ってきた理由だけが描かれてませんが気にならないレベル)きちんと台詞の端々にTVや劇場版の細かい伏線回収などをさせてるし、アクションもファンが観たいモノをしっかりと取り込んでる。こんなお得な大人も子供も楽しめる映画なかなか作れないですよ。ほんとに驚愕です。個人的にはかなりの上位ですよ、今年公開映画の中でも。


ライダーファンにはほんとにオススメです。

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 ★★★★

2011-12-05 12:14:06 | ★★★★
タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密

字幕3Dで上大岡のTOHOで鑑賞。
最初、事前の期待値が低かったのだが、色々と予告編での映像が増えてくるに従って期待値急上昇、特にあのぶらさがりながら、追っかけてく終盤のシークエンスの映像観てから期待値急上昇!これは素晴らしそう!と。

周りでの評判もかなり良かったので、無理して観に行きました。

結論から言うと期待し過ぎた感はあったものの、平均的に面白いよくできた冒険活劇となっていました。インディ・ジョーンズが好きな人なら絶対楽しめるかな。

それにしてもCGアニメの近年の進歩には目を見張るものがあります。もはや実写ですよ、実写。CGだからこそ出来るカメラワークも多数ありながら、人物や動物、背景の質感までホンモノさながらです。ここまでできると、もう何でもCGでよくね?となりますね。タンタンとスノーウィだけは元のイラストの関係で、ああいう顔、デザインですがその他のキャラは実写と見まごうばかりです。
このCG技術の進歩だけでも劇場で確認する意味があります。

ただ、一つ間違えたくないのはCGの出来の良さは必ずしも映画の出来不出来に直結しない、ということ。和製CGアニメなどはサッパリ話題にもならないのに、それなりの公開規模で公開されてたりします。その時の旬の芸人が声優に挑戦したりして。CGアニメのレベルもそんなに低くありません。ただ、全体的にお話の出来がイマイチなせいで、たいして話題になることもなく、公開期間が終わる、という映画が多いように感じます。CGは大事ですし、その中でもカメラワークや動きの描写など、突き詰める部分はいくらでもありますが、映画として観た場合は必ずしもそれだけではダメ、という好例だと思います。まあー、ハリウッドと日本のCG比べでもどんどん差がついてきてるようには感じますが…。肌とか髭の質感が特に…。

この映画で特筆すべき点はCG映画であることの特徴を最大限に活かした驚異的長回し、そして、アングルの妙ですかね。CG映画はカメラを自由に配置出来るのが最大の強みですからね。実写だと、どうやって撮るか悩むようなシーンの連続です。終盤の追いかけっこの関係でシーンがまさにそれですが、本当に楽しいシークエンスでした。

いくつかの意見として、この映画にメリハリがなく、冗長である、という意見を目にしました。もっと、レイダースのような印象的な旋律があったほうがよかったとか、シーンが断続的に続くのが、退屈、などなど。ぼんやりと考えてみると、この映画は船長とタンタンのバディっぽい珍道中が見所になってるわけですが、ずーっとそれのみで展開されるんですよね。メインキャストがすごく少ない。
そして、インディ・ジョーンズにあって、タンタンにないもの、を考えると、ヒロインの不在、だと思うんですけどどうですかね。

この映画には驚くほど女子が登場しないのです。歌声を披露するあのおばさんくらいです。(あのおばさんが切り札というのもとんでもない計画だなあ、と思いますが笑)
別にFFよろしく萌えキャラはいらんのです。ちょっと大人びたミステリアスな女子、究極、敵でもいいので、そういう紅一点が全く添えられてない。こういうキャスティングが出来るのがCG映画の美点でもあると思いますが、やっぱりロマンスとかハラハラドキドキに加えてそういう要素ってあった方がいいと思うんですよね。例えば依頼人がヒロインで、捕まっちゃったりする。んで、スノーウィと一緒に脱出するようなシークエンスが間に挟まったりすれば、少しはメリハリついたような、でも、やっぱり無駄なシーンかな…。

とにかく童心にかえったつもりで大人も子どもも楽しめる上質なエンタメであることには間違いないです。敢えて、3Dをオススメしておきます。

トゥルーグリット ★★★★

2011-12-05 12:11:05 | ★★★★

面白いと聞いていたけどやっと観ることが出来ました。DVDで鑑賞。これは確かに面白い。西部劇の中でもレオンとかに近いのかな、少女と保安官とレンジャーの三人が少女の親の敵を追って旅する話。

人を呪わば穴二つ、という言葉が正にしっくりくる映画だと感じました。暗に「復讐なんて空しいだけだよ」、と伝えてるように感じました。この因果応報が映画としてはきっちりまとまっているので、鑑賞後はかなり好感が持てました。
それにしても、素晴らしい景観と雰囲気。西部劇っていいですよね、アメリカなんかだと荒野が広がってるからこういう映像ってまだ撮り易い。日本の時代劇に相当するんだと思うんだけど、きちんとこれからも西部劇が撮影されていくといいなあ、と思わされます。余計な現代の文明の利器が出てこないからこそ、物語もより普遍的なものにできる。これこそが、西部劇や時代劇の様式劇をやることの意味だと思うんですよね。当然、当時の時代背景はある程度反映してることが前提ではあると思いますが…。

ロボコップ ★★★★

2011-12-05 12:09:21 | ★★★★
ロボコップ
TVの地上波で鑑賞。既に何度も観てますが感想を書いたことは無かったですよね。ほんと、ロボット刑事物をハリウッドが本気出してやった作品として、金字塔とも呼べる存在です。オムニ社の連中は本当に自分勝手だし、酷い台詞や描写も多いし、人が死にまくるし、アメリカの良くも悪くも大味な演出が目立つ作品なんだけど、マーフィことロボコップの誕生作品として、その後二作品、さらにTVシリーズも続いた長編ヒット作品のスタートを飾るには相応しい映画だと思います。
クラレンスが憎たらしければ憎たらしいほど、倒した時の爽快感と言ったらありません。お前はクビだー!のくだりもわかっててもいつもスカっとします。

ロボコップのデザインは結構鈍重だし、決して昨今のアクションヒーロー、例えばアイアンマンのように洗練されてはいませんが、このノッシノッシ歩く、メカニカルな姿がまたロボコップの良さなんですよね。ちなみに最近のホンダのアシモなんかだと既に走ることすら可能になってるし、近未来の話としてもちょっと古臭さが見えてしまうのは致し方ないところですかね。ロボコップ3では素早く動く忍者ロボットとか出てきますが…。

ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2 ★★★★

2011-12-05 12:07:23 | ★★★★
ハリー・ポッター 死の秘宝 パート2
台北行の飛行機の中で鑑賞。
堂々の完結の名に相応しい展開。とかいいつつパート1を観ずにパート2を観てしまいました。映画ファンにあるまじき行為。パート1を観てなくても大まかなシリーズの展開は理解していたのでなんとか話にはついていけました。
分霊箱というルールさえ掴めていれば後は大丈夫、この映画は大スペクタクルを楽しむ映画になってると思います。音楽も映像も素晴らしい。クラスメイトたちにスポットが当たってるのもシリーズファンにはたまらないと思います。ずーっと観続けてきた貴方のための、完結編だと思うんです。

それにしても第一作はもう10年前ですよ。個人的にはこの作品がきちんとメインの三人が欠けることなくオリジナルキャストで完結出来たことが一番素晴らしいと思います。キャストって大事なんですよ。特にここまでの長期シリーズではキャストも歳をとるし、ギャラも年々上がっていくだろうし、作品も大きくなっていくわけで特にこの作品は小説自体が世界的大ヒット作品なだけにプレッシャーや難しい部分もたくさんあったと思います。途中で変わると熱が冷めてしまうんですよね。それでもきちんとこのハリーとロンとハーマイオニーで駆け抜けることが出来た、それだけでこの完結編は感動できると思うのですよね。確かにイメージの定着により、今後の彼らの出演作に影響はあるかもしれません。スターウォーズの旧三部作に出ていた俳優たちがハリソン・フォード以外、大成功出来なかったようになってしまう可能性だってあるかもしれません。それでも、このハリーポッターシリーズをきちんと最後まで導いた彼らに私は拍手を贈りたいと思います。あー、もうこんなに年月が経ってしまったんだなあ。私も歳をとったし、彼らも歳をとった。

ちなみに最後のくだりはベタベタだと思ったし、相変わらずのスリザリンの扱いの悪さには笑ったけど、それでもこのエンディングは涙なしには観られないんじゃないかなあ。楽しませてもらいました。ホグワーツの皆さん、お疲れ様でした!

ミッション8ミニッツ ★★★

2011-12-05 12:05:19 | ★★★
ミッション8ミニッツ
確かにこの映画は原題の方がわかりやすい。邦題はあまりセンスの良い名前とは言えない。確かに8分間の間に何とかしなさいと言う話なので、間違ってはないんだけどね。
評判が良かったので観に行ってきたわけだけど、確かに前評判通りの面白さ。その全容を把握するには少々時間はかかるものの…。個人的にはバタフライエフェクトなんかを思い出したけど、またあの映画とは似て非なる映画だと思う。

それにしても、見終わった後の爽快感の無さはやはり主人公の置かれてる境遇と特異な結末にあると思うんだけど、ほんとにこの結末で良かったのかなあとは思う。不思議な結末。