けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

朴大統領の最近の支持率の高さの理由を考えてみた

2013-07-20 23:58:19 | 政治
先日のブログ「韓国と中国で始まった粛清の流れの源流」を書きながら韓国の朴大統領の支持率を調べたら、6月末の統計であるが70%を超えた非常に高い支持率であった。就任当初のお恥ずかしいドタバタ劇や、米韓首脳会談時のセクハラ騒動などで、一時は支持率を下げていたのを知っていたので、最初に70%オーバーと聞いて最初は信じられなかった。しかし、よくよく考えてみると納得できる話である。

韓国では歴史問題で日本叩きをすれば支持率が上がると信じられているが、今回の高支持率は日本叩きによるものではないだろう。勿論、相当プラスに働いているのは事実だろうが、最も重要な要素は、対北朝鮮で中国の後ろ盾を得たことで、北朝鮮の核放棄の可能性に現実味が出てきたからである。中国もイマイチはっきりしないところがあり、中韓首脳会談による共同声明でも北朝鮮を名指しして非難してはいないが、中国の本気度は日増しに高まり、中国が「北朝鮮より韓国を重要視し始めた」という雰囲気づくりにはある程度成功したので、それはそれで北朝鮮に対する強いメッセージになると韓国政府は感じたはずである。面白いのは韓国のマスコミは、(特に外交的な面における)国益という視点ではかなり政府と一枚岩の関係があり、日本とは異なり太鼓持ち的な論調を多く見る。

この支持率の原因は私の勝手な思い込みではあるが、しかし、この仮説が正しいとすると見えて来るものがある。それは、韓国国民は相当、北朝鮮の核に対する恐怖心が強いという事実である。我々日本人もその恐怖心に関しては同様であるが、国境を接する韓国に比べ、可能性としては(北朝鮮保有の核弾頭数が限られていれば)ミサイル迎撃で回避できるかも知れないし、仮にミサイルが飛んできたとしても韓国の次だろうという楽観的な考え方も可能な日本とでは、その恐怖のリアリティの程度は雲泥の差であるはずである。国民のこの感覚を肌で感じている朴大統領は、まずは中国が本気を示さないうちはアメリカの核の傘に期待をしたのだが、最近の中国の態度を見て一気に中国に傾斜する決断をした。それには、今後の追加核実験や何らかの形で北朝鮮の核ミサイルが現実の脅威と世界が認めるに至った時、韓国は中国との全面戦争を恐れるアメリカの力による不確実な北朝鮮に対する抑止力よりも、北朝鮮との戦争に対してのハードルがアメリカよりも低くなった中国の方が、よっぽど頼りになるという実利を韓国国民も認めてくれるだろうという計算が働いていたのではないかと思う。そして、それがズバリ当たったのだろう。

韓国の北朝鮮に対する態度を見ていれば、とてもチキンレースをする覚悟など無いように見えるし、盧武鉉大統領が外交資料を後世に残さない様に破棄しなければならないほど、金正日に対して反米的な態度を示し、北朝鮮をヨイショしてでも平和的な関係を築こうとしていた必死さが感じられる。北風政策と太陽政策の間で揺れる気持ちは、理屈では我儘を許してはいけないと分かっていながらも、拳銃をこめかみに突き付けられたら頭を下げざるを得ないだろうという感覚を写したものだろう。だからこそ、飯島勲内閣官房参与の訪朝などは、韓国の思い描く対北朝鮮に対する不安定要因になり得るから、血相を変えて批判したのではないかと思う。

ただ、この支持率の高さは諸刃の剣であることは忘れてはいけない。中国は中韓首脳会談で「朝鮮半島の非核化」を求め、韓国もこれを追認した。中国べったり路線になれば、米軍との軍事同盟の中においても、日本の非核三原則の様にアメリカからの核の持ち込みを禁ずるように迫るかも知れない。中国は北朝鮮に対して相当怒っており、金正恩の特使、軍部のNo.2のチェ・リョンヘ氏が5月に北京を訪れた際にも、「習近平国家主席に会いたいなら、その着ている軍服を着替えてから出直せ!」と相当失礼なことを言ったそうであり、今現在は最悪の関係にあるのだろうが、金正恩が急に中国に頭を下げだしたら、中国の態度も急にもう少し柔軟に変わるかも知れない。その時、韓国哨戒艇沈没事件では北朝鮮の仕業とすら認めなかった中国が、韓国に対してどの様な態度を示すかは分からない。あくまでも国益で判断する国だから、感情論的に「韓国のことは裏切らないよ!」などと言ってくれるわけがない。その時韓国国民が「本当に(アメリカより)中国を選んでおいて良かった!」と思うのか、それとも「だから言わんこっちゃない!」というのか、想像するのは容易だろう。

ただでさえ経済的に茨の道にある国だから、それだけでもいつ支持率が暴落してもおかしくないのだが、そこに外交的致命傷が加わったなら、即座に政権は崩壊する。その時、最近過激さを増してくる粛清の反動で、世間が朴大統領にどの様に矛先を向けるかを考えれば、先進国の仲間入りをしたはずの国では珍しいような政治的な動乱が起きたとしてもおかしくはない。

よその国だからあくまでも他人事ではあるが、この国は一度、痛い目に合わないと変われないのではないかと思うと共に、その痛い目はそれほど遠くない時期(例えば2年以内)にあるのではないかと感じている。

韓国との関係改善は、その後に考えれば良いとの割り切りも必要かも知れない。

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