けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

新聞が報道しない国会事故調聴取会で判明した原発事故の人災の原因

2012-05-29 22:08:48 | 政治
現在、国会事故調による福島第一原発の調査が進められている。ここ数日、海江田元経産相、枝野前官房長官ときて、昨日、菅前総理の番になった。新聞やテレビの報道で概ね紹介されているが、やはり、東日本大震災の時にこの人が総理であったことが国民の不幸であったことが思い知らされた。概ね、何処かの新聞などに解り易いツッコミ処は書きつくされているので、ここでは今回の聴取会で明らかになった新聞が指摘しない福島第一原発事故の人災の本当の原因について書いてみようと思う。

国会事故調の菅前総理への聴取の中で、私が最も注目した点は(何とも情けない話だが)「情報が上がってこなかった」という発言である。この部分を多くの報道機関や事故調も聞き流してしまっているが、多分、この発言の裏に潜む問題が今回の人災の根本原因なのだと思う。以下は私の予測であり、全く裏など取っていないのでその辺はご容赦願いたい。

東日本大震災の前からのことであるが、菅前総理は官僚を「大馬鹿者」呼ばわりして、一方的に言いたい放題の暴言を吐き、本当に必要な時しか部下が菅前総理に近寄れない状況を作り出していた。とにかく誰かに対して強く叱責すると言う癇癪持ちの性格が強い。言うまでもなく、権力を握った人間がその権力を振りかざしてみたくなる欲求に負けた、その人間的な幼稚さが原因である。原発事故の発生時には、未だに原子炉の中がどうなっているかを完全に把握できていないことからも分かるように、当時は不確定な情報しかなく、当然ながら部下からの報告には断定的な結論など言えなかったはずである。しかし、そこで「予測ではあるが」との前置きに続けて、「○○%程度の確率でこの様なリスクがある。更に、××のリスクは□□%程度であろう」とリスクについて積極的に議論することが求められていたはずである。

しかし、これまでの彼の言動から、有能な部下たちは「責任の取れる確実なこと以外は、断定的な答えは命取り」と骨身に沁みて感じていたはずである。菅前総理が「(何を聞いても)『分からない』との返事が返ってきて困った」と言っているが、身から出た錆とでも言うべき、当然の結果なのである。この様な性格の人には当然ながら周りからは情報が上がらず、どうしても報告しなければならない事態においても、本音ベースの正直な現状把握に有益な情報ではなく、「現在調査中です」という決断を下すためには誠に役に立たない情報しか上がらなない。

実際、海水注入の可否が問題になった際には、菅前総理は再臨界の可能性が「完全にゼロであると言い切れるのか」と迫っていた。原子力安全委員会の斑目委員長も、科学の世界にabsolute zeroの確率は存在しないから、「大丈夫!」と太鼓判を押さなかった。東電のフェローも、吉田所長に対して海水注入の中止を指示している。本来であれば、周りの専門家が全て確信していた「科学に100%はあり得ないが、理屈の上では再臨界は考えられない。海水を注入すべきです!」との助言を引き出すべき場所で、全く逆の結論を引き出してしまったのである。しかし、今回の聴取でも明らかになった様に、菅前総理には自らの言動が周囲の人間に対してその様な判断をもたらしてしまった自覚が全く無い。おまけに、「再臨界の可能性がないことなど知っていた!」などと嘯く始末である。

まかりなりにも内閣総理大臣とは、(建前上は象徴天皇に元首の座を譲るとしても)実効的には日本国民の生命・財産の安全に係わる最高責任者なのである。だから、本人の趣味や気分で国民を危険に晒すことは許されないのである。しかし、あの時の菅前総理の言動を総合すると、国家の最高責任者であることに酔いしれて、部下に罵声を浴びせ続けることばかりをしていた。海江田元経産相が事情聴取で、「初め菅前総理のスピーチを聞く人は違和感を持つと思う」と発言したが、非情にオブラートに包んだ大人しい発言ではあるが、翻訳すれば「常軌を逸した、相手の全人格を否定する罵声」「ヤクザの様な恫喝」といった意味になるのだろう。
これが、(私の理解では)今回の人災の最大の原因なのだと思う。そしてその証拠の映像は東電には残っているのである。多分、その映像を国民全てが見れば、「ああ、この人のせいで福島の皆さんは、そして日本は多大なる損失を出すに至ったのだ」と実感するに違いない。

折しも、今日から原子力規制庁法案が審議入りした。民主党案と自民党案の一番の違いは、緊急事態において国家が積極的に関与するのか、基本的に事業者の責任で判断を下すのかの違いだそうだ。自民党の塩崎議員曰く、「菅直人リスクをなくす」ことが今回の組織改革のポイントだという。私は、現時点での直感的な感覚としては、利益を追求する企業がビジネス的な見地から正しい判断が下せるか否かを考えると国家の関与が必要だとも考えるが、実際の福島第一原発事故の対応においては、少なくとも政府よりも東電の方が安全側の適切な判断が早かった実績がある。今回の教訓から、電力会社はもう決して博打を打とうなど思わないだろう。一方で、「菅直人リスク」の排除のためには、上述の人災の責任をその責任者に問うのが近道である。国会事故調には証人喚問などを含めて、更なる原因追求をする権限があるはずである。3月15日の東電での映像を公開し、関係者から事情聴取すれば、さらに私の推測を裏付ける証言は出てくるだろう。菅前総理は、「今後の再発防止、対策のために原因追求を望む」と他人事のような発言に終始していたが、国家の最高権力者たる者がその責任を果たさずに、権力をお遊びで振りかざしていたら、最終的にはその重大な責任を取らされるという実績を残すことが、ひょっとしたら最大の再発防止につながるのかも知れない。

そんな風に感じた聴取会であった。皆さんはどの様に感じたのだろうか?

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