けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

「リアル緊急避難訓練」の提案

2014-08-25 23:52:46 | 政治
先日の記録的な豪雨により、広島で大規模な土砂災害が起きた。映像や住民のインタビューなどからうかがい知れる状況は、気が付いたときには身動きが取れない状況で、雨が通り過ぎるのを息を潜めて自宅で待機している所を土石流が一気に多くの建物を押し流したという感じだ。以前の災害でも同様だが、深夜から未明に大雨になる場合には、気が付いたときには避難などできる状況ではなく、当然ながら明るいうちに避難をしておくのが正解であった。しかし、雨風の状況は1時間程度で急変するのは常識だから、半日前に避難勧告をすることは不可能である。そんな中、先日のTBSの「ひるおび」で「予防的避難」という制度を紹介していた。予防的避難は例えば下記のページで紹介されている。

全国知事会 政策個表「予防的避難の取り組み

背景になるのは、災害を予期して例えば避難指示を出そうとしても、その受け入れ先の学校などの校舎を利用するにはそれなりのオフィシャルな決定が必要で、気象庁などからの注意・警報などの裏付けのない段階では「避難指示」を出すのがハードルが高く、その際の経費などを考慮しても後手に回る傾向があるところ、正式な「避難指示」を待たずに発出可能な「予防的避難」という制度を導入し、仮に避難が空振りであったとしても、あくまでも「予防的」だからという言い訳を入れ易い状況を作っている。目的の欄を見て頂けば、「住民の『いのち』を守ることを最優先するという考えのもと、危険の差し迫っていない昼間(日没前の明るいうち)に住民の予防的避難を促し、被害を未然に防止する。(住民の生命を守る)」「避難行動による住民の防災意識(『自助』・『共助』)の啓発。」と記載されている。

さらにこの制度の特徴は、「大雨等が予想される際、日没前の危険が差し迫っていない段階で住民の避難を促し、避難所等に住民を避難させる取組み(予防的避難)に対し、事業費の1/2を実施市町村に対し助成。」としており、これにより生じる費用を助成することで、対応を積極的にしようとしている。実施の基準は例えば「1時間雨量80ミリ以上」「1時間雨量70ミリ以上かつ24時間雨量250ミリ以上」であるから、かなりハードル的には低いと言える。この様な制度を積極的に利用すれば、大規模災害の被害の軽減に役に立つのは間違いなく、非常に納得させられた。

しかし、である。理屈の上では避難のハードルを下げていながら、実際にはこの様な制度が有効に発出される例は圧倒的に稀である。そのひとつの理由には、「予防的避難」とは言っているが、何だかんだ言って「避難勧告」の「遠慮気味のバージョン」の様なものだから、あまりこの様なものを多発すると「予防的避難の効果も薄れるのでは」というネガティブな思考が付きまとうからではないかと思う。であれば、もう少しポジティブな思考で「避難」ができる制度を考えてみるのも悪くはないと思った。つまり、「攻めの安全対策」的なものである。

例えば、我々の周りでも1年に1回程度は避難訓練なるものが実施される。町内会の回覧板などで回ってくる情報に記載があるのだろうが、専業主婦の家内は知っているのだろうが、私などは全然その様な情報を知らない。会社の避難訓練は大々的にやるが、最初から予定が決まっているし、役割分担も出来ているから、全くもって緊張感がない。それでもやらないよりはましだろうが、我々の知る避難訓練というのは非難の必要性が全くないときに行われるのが常識であった。しかし、本来の訓練はその様な十分な準備が整ってスケジュールに組まれた中でやるものではなく、抜き打ち的に行うのが本来の筋である。

であるならば、敢えて集中豪雨による被害が予想される様な状況で、「予防的避難」ではなく、「リアル緊急避難訓練」を行ったらどうなるだろうかと考えた。今回、避難所の体育館には避難住民の寝る場所に用いる銀マットすらない状況で、殆ど、毛布をマット代わりに寝ている様な状況であった。余りにも避難の準備の受け入れ態勢が出来ておらず、実際の被害から数日たっても直ぐには状況は改善していない。それは、「避難勧告」などは数十年に1度あるかどうかという頻度だから、その様な備えが無駄になる可能性が高く、それ故に準備不足となっていると思われる。これが、例えば10年に1度は実施される「避難訓練」で必要な物資となれば、多くの自治体がそれなりの準備をするに違いない。この様な体育館への避難訓練では折角だから、単なる避難だけではなく本当にリアリティをもって訓練を行えば良い。例えば、町内会ごとに誰が避難して誰が避難しないなどの名簿を作成したり、生存者情報などの情報発信の練習もすれば良い。救助に当たっては、避難できていない家が絞り込めるから、どの家を中心に救助すれば良いかの情報が事前に分かることになる。全員が避難できなくても、その後の救助や対策は打ちやすい。さらには、一度はその様な状況を経験していれば、東日本大震災の様な大地震が起きても、それほど慌てることにはならないだろう。台風の場合の避難場所は何処で、津波を伴う地震の場合の避難場所は何処であるとか、その様な確認のためにも有効だろう。そして、国ないしは自治体が、その様な「リアル緊急避難訓練」の予算を組めば、言い方は悪いが10年に一度ぐらいは予算消化の為に「躊躇」することなく避難訓練命令を発することが出来るだろう。

まあ、単なる思い付きだからもう少し深い詰めが必要だろうが、発想の転換としてリアリティを伴う環境で、それ程追い込まれる前に避難訓練を行うという発想は検討の余地があるのではないかと思った。如何だろうか?

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