今日、名護市長選が行われ、無所属で現職の稲嶺進氏が当選?した。この数日前、自民党の石破幹事長が自民党推薦の末松文信氏の選挙応援に入り、医療や教育に関する末松氏の公約実現のため500億円の「名護振興基金」を創設する構想を表明したという。これを聞いて普天間飛行場の辺野古移設反対派の人々は、「札束で顔をひっぱたく行為」と憤っている。今日はその辺について考えてみたい。
まず、普天間飛行場の移設問題は、ルーピー鳩山元総理の出現により殆ど修復不可能な状態にされ、中国・韓国の反日と同様に理屈を抜きにした感情的な議論となっている。そんな中での札束の登場だから、札束が出てこなくても不愉快なところ、火に油を注ぐような状態に至った訳である。私はこの「札束で顔をひっぱたく行為」というのは非常に下品な行為だから不快には感じるが、しかし、すこし着目すべき点を変えてみると事情が異なって来るように思える。それは、例えば日本の農業政策に代表される様々な保護政策と相似形であるという点である。
まず、沖縄という地政学的に戦略上重要な場所にあるがため、第二次世界大戦では軍人のみならず多くの民間人が無用に多数の死者を出すに至った。故に、仲井間知事の発言でも話題になった「格別の御高配を賜り」という言葉の出典である沖縄の海軍司令官大田中将の打電内容「沖縄県民斯く戦ヘり。県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」を暗に受け継いで、様々な振興予算をつぎ込んできた。更には米軍基地があることから、そこから落ちる経済効果など、それなりの恩恵を受けている訳である。子供の頃には沖縄の本土復帰を祝い海洋博覧会なども開催されていたし、沖縄でのサミットまでもが開かれた。さらには北海道と合わせて復興のための大臣も存在している特別ぶりである。しかし、その様な長い長い保護の歴史に中で、沖縄は自立することが出来なかった訳である。それ故に、この様な札束攻勢が効果を持ってしまうのである。
現在、沖縄の中で辺野古容認やオスプレイ容認を口にすれば、それは韓国や中国で反日に異を唱えるようなリスクを伴う。しかし、例えば普天間飛行場の代替え地にフォーカスした場合、未来永劫、その代替え地が沖縄にあり続けることには圧倒的に反対が多数でも、中期的に普天間の固定化解消のために辺野古というワンステップがあることを許容できる人は本音ではそれなりの数になるはずである。にも拘らず、沖縄の地元紙などの論調が一方的なのは、これは個人的な勝手な推測だが「ゴネれば、ゴネただけ見返りが大きくなる」という甘えがあるからではないかと感じている。多分、仲井間知事が安倍総理の決断を非常に高く評価したことからも分かる通り、仲井間知事は普天間の固定化を避けるための現実的な手段として、辺野古移設を承認する決断をするだろう。であれば、名護市の稲嶺市長が賛成しようが反対しようが、事務的には淡々と辺野古移設は進むことになる。勿論、反対派の過激な行動が勢いづくのは予想されるが、結果的にそこに基地を作るとなれば、政府は振興予算をそこに投じることになるのは目に見えている。それは、末松氏の当選の引き換え条件ではなく、稲嶺市長となっても同じことである。
私が強く感じるのは、沖縄の基地問題をどの様に解決していくかという問題を解くには多分30年程度の長期的スパンでの戦略が必要であるのと同様に、沖縄の地域経済を如何にして活性化していくかという問題をやはり長期的な視点で独立に考えなければならないということである。にも拘らず、基地移設反対というシングルイシュー化戦略であったり、自民党推薦の末松氏や石破幹事長でも長期的な視点での地域経済の活性化など、本来考えるべき論点をすっ飛ばかして短期的・短絡的な論点にすり替えていたように思える。一説には、例えば洋上に浮揚型の巨大メガフロート飛行場を建設するという構想もあったが、それは「沖縄にお金が落ち難い」という理由で候補から除外されたと聞く。それが本当かどうか知らないが、多分、30年というスパンで考えれば、その様な巨大な人工島(実際には移動も可能)の飛行場が沖縄周辺の海域に建設され、そこに多くの米軍基地が移設される可能性は大いにあるだろう。もちろん、公海上であれば船舶の航行も自由なので問題であろうが、沖縄の島々から12海里以内に係留する案であれば、防衛上の課題の多くは対処できる可能性が高い。仮に沖縄県民の総意が基地の大幅縮小であるならば、沖縄にお金を落とさない代わりに人工島建設にその分のお金を投入し、両者がWin-Winのはずの着地点を見出すことは可能であるだろう。しかし、その時は本当に沖縄への振興予算は縮小され、その分が人工島の維持管理に回される。その時、沖縄が自立できていれば良いのだが、この選挙の一連の流れを見る限りでは、その様な覚悟があるようには見えなかった。
沖縄という離れた場所故に情報が限りあるが故の杞憂であれば良いのだが、本当のところはどうなのだろうか?選挙が終わり、仲井間知事が何らかの決断をした暁には、沖縄県民も30年後を見据えた戦略を優先順位1位に格上げしてはどうだろうか?
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まず、普天間飛行場の移設問題は、ルーピー鳩山元総理の出現により殆ど修復不可能な状態にされ、中国・韓国の反日と同様に理屈を抜きにした感情的な議論となっている。そんな中での札束の登場だから、札束が出てこなくても不愉快なところ、火に油を注ぐような状態に至った訳である。私はこの「札束で顔をひっぱたく行為」というのは非常に下品な行為だから不快には感じるが、しかし、すこし着目すべき点を変えてみると事情が異なって来るように思える。それは、例えば日本の農業政策に代表される様々な保護政策と相似形であるという点である。
まず、沖縄という地政学的に戦略上重要な場所にあるがため、第二次世界大戦では軍人のみならず多くの民間人が無用に多数の死者を出すに至った。故に、仲井間知事の発言でも話題になった「格別の御高配を賜り」という言葉の出典である沖縄の海軍司令官大田中将の打電内容「沖縄県民斯く戦ヘり。県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」を暗に受け継いで、様々な振興予算をつぎ込んできた。更には米軍基地があることから、そこから落ちる経済効果など、それなりの恩恵を受けている訳である。子供の頃には沖縄の本土復帰を祝い海洋博覧会なども開催されていたし、沖縄でのサミットまでもが開かれた。さらには北海道と合わせて復興のための大臣も存在している特別ぶりである。しかし、その様な長い長い保護の歴史に中で、沖縄は自立することが出来なかった訳である。それ故に、この様な札束攻勢が効果を持ってしまうのである。
現在、沖縄の中で辺野古容認やオスプレイ容認を口にすれば、それは韓国や中国で反日に異を唱えるようなリスクを伴う。しかし、例えば普天間飛行場の代替え地にフォーカスした場合、未来永劫、その代替え地が沖縄にあり続けることには圧倒的に反対が多数でも、中期的に普天間の固定化解消のために辺野古というワンステップがあることを許容できる人は本音ではそれなりの数になるはずである。にも拘らず、沖縄の地元紙などの論調が一方的なのは、これは個人的な勝手な推測だが「ゴネれば、ゴネただけ見返りが大きくなる」という甘えがあるからではないかと感じている。多分、仲井間知事が安倍総理の決断を非常に高く評価したことからも分かる通り、仲井間知事は普天間の固定化を避けるための現実的な手段として、辺野古移設を承認する決断をするだろう。であれば、名護市の稲嶺市長が賛成しようが反対しようが、事務的には淡々と辺野古移設は進むことになる。勿論、反対派の過激な行動が勢いづくのは予想されるが、結果的にそこに基地を作るとなれば、政府は振興予算をそこに投じることになるのは目に見えている。それは、末松氏の当選の引き換え条件ではなく、稲嶺市長となっても同じことである。
私が強く感じるのは、沖縄の基地問題をどの様に解決していくかという問題を解くには多分30年程度の長期的スパンでの戦略が必要であるのと同様に、沖縄の地域経済を如何にして活性化していくかという問題をやはり長期的な視点で独立に考えなければならないということである。にも拘らず、基地移設反対というシングルイシュー化戦略であったり、自民党推薦の末松氏や石破幹事長でも長期的な視点での地域経済の活性化など、本来考えるべき論点をすっ飛ばかして短期的・短絡的な論点にすり替えていたように思える。一説には、例えば洋上に浮揚型の巨大メガフロート飛行場を建設するという構想もあったが、それは「沖縄にお金が落ち難い」という理由で候補から除外されたと聞く。それが本当かどうか知らないが、多分、30年というスパンで考えれば、その様な巨大な人工島(実際には移動も可能)の飛行場が沖縄周辺の海域に建設され、そこに多くの米軍基地が移設される可能性は大いにあるだろう。もちろん、公海上であれば船舶の航行も自由なので問題であろうが、沖縄の島々から12海里以内に係留する案であれば、防衛上の課題の多くは対処できる可能性が高い。仮に沖縄県民の総意が基地の大幅縮小であるならば、沖縄にお金を落とさない代わりに人工島建設にその分のお金を投入し、両者がWin-Winのはずの着地点を見出すことは可能であるだろう。しかし、その時は本当に沖縄への振興予算は縮小され、その分が人工島の維持管理に回される。その時、沖縄が自立できていれば良いのだが、この選挙の一連の流れを見る限りでは、その様な覚悟があるようには見えなかった。
沖縄という離れた場所故に情報が限りあるが故の杞憂であれば良いのだが、本当のところはどうなのだろうか?選挙が終わり、仲井間知事が何らかの決断をした暁には、沖縄県民も30年後を見据えた戦略を優先順位1位に格上げしてはどうだろうか?
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