けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

天下の大新聞が信じられなくなった日

2014-08-18 23:57:44 | 政治
今朝は朝から腹が立ってしょうがなかった。今日の産経新聞は、1面、2面、3面を使って朝日新聞が先日「大捏造」した吉田調書の真実が語られていた。

産経ニュース2014年8月18日「吉田所長、『全面撤退』明確に否定 福島第1原発事故
産経ニュース2014年8月18日「第2への退避、吉田氏『正しかった』元所員『命令違反ではない』本紙に証言
産経ニュース2014年8月18日「朝日新聞の報道は『所長命令に違反し、所員の9割が原発撤退』

この問題も慰安婦問題と同様で、福島第一原発の真実を知る多くの報道機関やジャーナリストから「誤報の訂正を!」と合唱連呼が起きていた。しかし、朝日新聞は「一部週刊誌の『虚報』『ウソ』などの報道は、朝日新聞社の名誉と信用を著しく毀損(きそん)しています。厳重に抗議するとともに、訂正と謝罪の記事の掲載を求めています」と未だに言い続けている。産経新聞の今日の報道は、朝日新聞などに引き続き、産経新聞も吉田調書を遅ればせながら入手し、その中身を検証した結果、朝日新聞の誤報(捏造)を明確に吉田調書の文章を引用し、朝日新聞を糾弾している。

特に問題となったのは下記の部分である。

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 吉田氏「そうそう。ですから本店とのやりとりで退避させますよと。放射能が出てくる可能性が高いので一回、2F(福島第2原発)まで退避させようとバスを手配させたんです」
 --細野(豪志首相補佐官)さんなりに、危険な状態で撤退ということも(伝えてあったのか)
 吉田氏「全員撤退して身を引くということは言っていませんよ。私は残りますし、当然操作する人間は残すけども、関係ない人間はさせますからといっただけです」
 --15日午前に2Fに退避した人たちが帰ってくる
 吉田氏「本当は私、2Fに行けとは言ってないんですよ。車を用意しておけという話をしたら、伝言した人間は運転手に福島第2に行けという指示をしたんです。私は福島第1の近辺で線量の低いようなところに一回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fにいってしまったというんでしようがないなと。2Fに着いたあと、まずGM(グループマネジャー)クラスは帰ってきてということになったわけです」
--所長の頭の中では1F(第1原発)周辺でと
 吉田氏「線量が落ち着いたところで一回退避してくれというつもりでいったんですが、考えてみればみんな全面マスクしているわけです。何時間も退避していて死んでしまう。よく考えれば2Fに行ったほうがはるかに正しい」
 --退避をめぐっては報道でもごちゃごちゃと
 吉田氏「逃げていないではないか、逃げたんだったら言えと。本店だとか官邸でくだらない議論をしているか知らないですけども、現場は逃げていないだろう。それをくだらない、逃げたと言ったとか言わないとか菅首相が言っているんですけども、何だ馬鹿(ばか)野郎というのが基本的な私のポジションで、逃げろなんてちっとも言っていないではないか。注水とか最低限の人間は置いておく。私も残るつもりでした。場合によって事務の人間を退避させることは考えていると言った」
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朝日新聞の主張は非常に分かり易い話である。つまり、文章を読んでいくと、ある部分だけを切り取り残りの部分を黙殺すると、あたかも朝日新聞の主張する「命令違反で逃亡」という部分を浮き立たせることができる。
しかしこれは真実ではない。

私のブログでは口酸っぱく言っているが、「事実」と「真実」は似て非なるものである。典型的な例としていつも挙げるのは湾岸戦争の米政府の世論誘導の話である。つまり、ハイテク兵器の映像をテレビで垂れ流し、視聴者に「米軍はハイテク兵器で誤爆などするはずがない」と植え付ける。ハイテク兵器を使っているのは「事実」だが、「真実」とは「ハイテク兵器は全体のごく一部で、大半は旧式の爆撃を繰り返していたので誤爆が頻発した」である。しかし、視聴者をミスリードするには十分で、実際に私も誤爆の報道を敵のプロパガンダだと勘違いした。しかし、戦争ではその様な世論誘導はいつでもある話で、それは兵士の士気を高める上でも国内の反戦ムードを抑える努力を米政府がしなければならないのは十分理解できる。だからこそ報道機関の存在意義がある訳で、その様な誤った誘導を断ち切るために、報道こそが「真実」を追求すべきなのである。そして多くの一般市民は、報道は「真実」の追及に対して非常に真摯な態度で挑み、決して誤りなど犯さないと信じているのである。朝日新聞の行動はこの様な一般市民の信頼を弄び、自らの主義主張に読者をミスリード、すなわち「洗脳」することに奔走していることに他ならない。

ちなみに、朝日新聞のこの捏造は悪質である。朝日新聞は自社のホームページで吉田調書の一部を公開している。しかし、その公開は恣意的で、例えば「フクシマ・フィフティの真相」と題して公開しているが、ここでは上記の私の引用の中の最後の部分、「逃げていないではないか、逃げたんだったら言えと・・・」の部分を削除している。また、福島第2原発(以降F2と記載)への避難を検討している最中に「車の用意をしておけ」と指示したことが、伝言ゲームで「福島第2原発へ行け」との指示になってしまった。これを称して「葬られた命令違反」との大見出しをかかげ、9割の所員が吉田所長の命令に反して逃げ出したのが「フクシマ・フィフティの真相」だとしている。しかし、これが吉田調書の誤った読み方であるのは明らかであるし、仮に百万歩譲って彼らが「逃げ出した」と解釈したとしても、吉田所長を含む69名の必要最小限の人員はそれでも福島第一原発に留まっている。正確に言えば「フクシマ・フィフティ」として称えられるべき人はその当時に福島第一原発で一緒に戦っていた800名程度の所員であり、1桁ほど桁が違うのであるが、その中のF2に一時避難した人を除いたも者を別格の「フクシマ・フィフティ」と称するならば、少なくとも「フクシマ・フィフティ」は一時退避すらしていないのだから、海外メディアが報じた内容は少なくとも間違ってはおらず、「フクシマ・フィフティの真相」などと訂正をしようとしたのは悪意以外の何物でもない。ここでも百万歩譲るなら、「フクシマ・ファイブハンドレッドの真相」とでも書くのなら、「500人の9割は一時退避しただろ・・・」と主張できるが、対象が「フィフティ」なのだから明らかに捏造なのである。

ところで、この朝日新聞の記事は誰を利するものであるかを考えると良く分かる。この誤報で喜んだのは大きく分けて、韓国や中国などの反日勢力、脱原発勢力、そして菅元首相である。菅元首相は吉田所長を一緒に原発と戦った「戦友」の様に思い、吉田所長にあやかって自らも英雄視しているようだが現実は真逆である。それは下記の吉田調書から良く分かる。

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--政治家ではそういう話になってしまっている
 吉田氏「知りません。アホみたいな国のアホみたいな政治家、つくづく見限ってやろうと思って」
 --ある時期、菅氏は自分が東電が逃げるのを止めたみたいな(発言をした)
 吉田氏「辞めた途端に。あのおっさん(菅氏)がそんなの発言する権利があるんですか。あのおっさんだって事故調の調査対象でしょう。そんなおっさんが辞めて、自分だけの考えをテレビで言うのはアンフェアも限りない。事故調としてクレームつけないといけないんではないか」
 〈政府事故調は菅政権が設置を決定。23年6月7日の初会合で菅氏は「私自身を含め被告といったら強い口調だが」と発言した〉
 --この事故調を自分(菅氏)が作っている
 吉田氏「私も被告ですなんて偉そうなことを言っていたけども、被告がべらべらしゃべるんじゃない、馬鹿野郎と言いたいですけども。議事録に書いておいて」(肩書は当時)
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ここまで菅元総理をケチョンケチョンにこき降ろし、この諸悪の根源のせいでどれだけ作業に支障が出て、さらには職員の士気までどれだけ下げられたかを考えれば、菅元総理を援護するかのような朝日新聞の捏造は悪意に満ちているとしか言いようがない。その目的は単純で、脱原発を実現するためには手段を選ばず、日本を不幸のどん底に突き落としかけた悪魔(元総理)とも手を組むという不純さである。そして、東京電力の社員が非常に良く頑張っていたという事実が脱原発勢力にとっては不都合な真実であり、その様な命を賭けて日本を守った英雄たちをも不道徳で倫理観のかけらもないセウォル号の船長達と同一視させることで、一般市民が東京電力に対して拒絶反応を抱くように仕向けている。

今回の記事では下記の様に門田隆将氏のコメントを掲載しているが、門田氏は自信のブログでも、朝日新聞の捏造記事を糾弾している。

産経ニュース2014年8月18日「『朝日新聞は事実を曲げてまで日本人をおとしめたいのか』ジャーナリスト、門田隆将氏
門田隆将ブログ「夏炉冬扇の記」2014年5月31日「お粗末な朝日新聞『吉田調書』のキャンペーン記事

そして、詳しい点は把握していないが、吉田調書を同様に入手していると思われる共同通信が掲載している連載記事「全電源喪失の記憶~証言福島第一原発~」の中で、問題の個所の記述が詳細になされている。これを門田氏は引用して次の記事を書いている。

門田隆将ブログ「夏炉冬扇の記」2014年7月25日「共同通信が決着させた朝日新聞『吉田調書』誤報事件

このブログで門田氏は下記の様に断じている。

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『死の淵を見た男』の取材で100名近い関係者の実名証言を得ている私は、NHKの「NHKスペシャル班」も相当、現場への取材を展開し、深く食い込んでいることを知っている。
そして、共同通信の現場への食い込み方は、やはり活字媒体ならでは、の思いが強い。しかし、朝日新聞だけは、現場取材の痕跡がない。「ひょっとして朝日は現場に取材もしないまま、あの記事を書いたのではないか」と、どうしても疑ってしまうのである。
現場を取材する他紙の記者たちの中にも、今は、あの時の“現場の真実”を知っている記者たちが多くなってきた。彼らは、今回の朝日の「吉田調書」キャンペーンには、実に冷ややかだった。そこには、裏取りが不完全なまま「9割の人間が逃げた」と書いてしまう同業者に対する諦めと怒りがあるように私には思えた。
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少々不謹慎な書き方をさせて頂くが、朝日新聞の捏造記事は慰安婦問題も吉田調書問題も、どちらも二人の「吉田氏」がキーマンとなっている。一方は嘘八百の職業的作話師で全てが大嘘であり、これに朝日新聞は踊らされた(というか、自分で勝手に踊っていた)。もう一方の吉田氏は、本当のことを言い続けたのに、朝日新聞はその本当のことに蓋をして、会話の部分部分を巧みに切り取って、「真実」とは真逆の誤解を世界中にばらまいた。そして今、二人の吉田氏のお蔭で朝日新聞の深い闇が炙り出されようとしている。

産経新聞の記事を読めば読むほど腹立たしいのであるが、真実が世間に広まりつつある現実に、少しばかり希望を見出すことが出来る。今後の展開を期待したい。

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