けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

慰安婦問題の着地点を見出すための韓国人との議論の糸口

2013-06-07 23:58:42 | 政治
竹島、慰安婦問題など、韓国との間での議論が噛み合わない。ただ、竹島問題は宗教的な域に達しているから議論は不可能だと思うが、慰安婦問題については議論の余地があるのではないかと最近考えるようになった。これまでとはちょっと違った論点を整理することで、少しは議論が出来ない事かと考えてみた。まだまだ思いつきなので整理できていないが、以下、議論の糸口の一例を整理してみた。

(1)歴史認識と慰安婦問題は切り離し可能なのか?
まず、日本と韓国の間には、大きく分けて竹島問題、歴史認識問題、慰安婦問題が存在する。それぞれは相互に関連しているが、単純に考えて竹島問題は解決に向けたハードルが高い。何故なら、韓国は絶対に「自国の主張を日本が無条件で承認すること」のみが唯一の解決策だと思っているから、50-50(Fifty-Fifty)や80-20的な妥協案ではなく、100-0の完全敗北を強要している時点で話合いによる解決は不可能だと分かる。しかし、(多分、多くの日本人が)慰安婦問題に関してはまだ、話し合い解決の可能性があるのではないかと感じている。だからこそ、河野談話がなされたり、村山談話がなされたりしてきた。更には、建前上は民間による補償となっているが、実効的には政府が陣頭指揮を執ってアジア女性基金を創設し、元慰安婦に対して金銭的な補償を行うと共に、歴代の総理が手紙という形で繰り返し謝罪を行っている。この延長線上にゴールはあるのではないかと考えるが、これに竹島問題や歴史問題がリンクしてくると、途端にゴールは遠のいていく。例えば、日本からすれば竹島問題とは「国際法に照らし合わせてどちらの領有権が認められるべきか?」の正当性の議論だと思っているが、韓国では「日本が韓国から一方的に盗み取った」という歴史認識を日本が認めるかどうかという歴史問題に帰着させている。この辺の議論と慰安婦問題が切り分け可能であると多くの韓国民が感じているのであれば解決の可能性はあると思うが、「竹島を放棄しなければ、日本は誤った歴史認識を正せていない」→「誤った歴史認識を正せなければ、形式上、謝罪しても全く意味はない」→「謝罪に意味がなければ、慰安婦問題を解決とは認めない」と連鎖を断ち切れないのであれば、竹島問題がある限り、慰安婦問題は解決などできるはずがなく、議論は空しいものとなる。この点を韓国国民はどの様に考えているのだろうか?ここから議論をしてみたい。

(2)どの様になれば解決したとみなされるのか?
日本は民主主義の国であり、一般市民であれ国会議員であれ、自らの主義主張を公にする表現の自由が認められている。報道を見て頂ければ分かる通り、多分、日本のマスコミは世界で一番自国政府に厳しいのではないかと思う。だから、慰安婦問題に対する同情論が日本国内にも多いのだが、その様な中で総理大臣などが慰安婦問題について真の意味で根拠のない暴言を吐けば、次の選挙で大幅に議席を減らすことになる。この様な選挙の洗礼のもとで成り立つ日本の民主主義の範囲内で許される発言も含めて、韓国側の意に沿わない発言が一切なくなるまで謝罪したとは認めないとなれば、多分、これは100年後でも問題は解決していないだろう。だから、日本政府が公式で明確な謝罪をしたのであれば、それが解決への糸口になりうるはずと日本国民は考える。実際、河野談話を作成した際の実効的な責任者である石原元副官房長官などは、慰安婦問題を「河野談話で解決済みの問題」と言い切っている。橋下代表などが、それを蒸し返すから良くないのだ・・・と。しかし、実際には河野談話、村山談話と続き、日本政府内ではかなり韓国に配慮した政権が続いた。歴代総理のアジア女性基金に関する謝罪の手紙などを読めば、その手紙は公式にはプライベートな位置づけかも知れないが、謝罪の気持ちを丁寧に伝えているのが分かる。しかし、多くの日本国民がどの様に感じているかと言えば、その様な状況でも韓国は反日攻撃の手を緩めず、慰安婦問題を更に加熱させて来たと感じている。今回の橋下発言の多くの報道を鵜呑みにすれば、確かに現時点では問題があると思うのであろうが、しかし宮沢内閣から小渕内閣程度までの時期において、この問題が更に加熱するに至った理由が何故なのかが我々日本人には理解できない。だから、「最初から韓国側は、謝罪を受け入れるつもりなどなかったのではないか?」、「これで解決したと認める気持ちがなかった」のではないかと疑心暗鬼になってしまう。だから、実際のところ、韓国の人は「慰安婦問題が解決された状態」というものをどの様にイメージしているのだろうか?この答えを聞けば少しは参考になるのではないだろうか?

(3)日韓基本条約締結後の国家賠償の意味
まず、日韓基本条約にはご存知のように、「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」との記載がある。これは、交通事故の後の示談の様なもので、補償問題は何処かで法的な決着をつけなければならない。一昨日のBSフジのPRIME Newsでも、キャスターの反町氏が、出演者の「日本の戦争責任資料センター」共同代表の藍谷邦雄氏に対し、国家間の条約の重さというものは非常に重く、一旦取り決めた条約に例外規定を設けたら、次から次へと「これも例外、あれも例外」というものが溢れ出し、パンドラの箱を開けて魑魅魍魎だらけになるのは見えていると指摘し、藍谷氏をタジタジにさせていた。だから、例外規定を定めるなら、国際司法裁判所なりの判断を受けて、強制命令に従う形で「司法判断が伴う場合にのみ、例外規定が存在する」と線引きしなければ、国家として崩壊することになる。この様に説明を丁寧にすれば、韓国国民にしても、何故、日本政府がかたくなに国家賠償を拒むのかは理解できる(と信じたい)。であれば、それでも国家賠償を求めるなら、国際司法裁判所へ提訴するなどの司法手続きを踏むのが解決への近道のはずである。これは、(竹島問題も同様だが)問題意識を持っている方が国際司法裁判所に提訴するのが筋だから、既に条約により決着済みと言わざるを得ない日本が率先して提訴することはできない。日本政府がこれまでも様々な形で謝罪を行い、アジア女性基金という形で実効的な補償に踏み込んでいるのは、この部分に対してはどうしても国家として譲れないから、その点に関しては必要があれば韓国側からの提訴という形で対応するよう配慮してくれというメッセージなのだと思う。この様に日本人は考えるのであるが、韓国国民は、その様な国際的に何処の国でも当然の様に感じる「例外規定を安易に認められない」という状況を理解してくれるのだろうか?実はこの辺は上述の(2)とも関連するが、先ほどの藍谷氏も、(国際司法裁判所の力など借りずに、日本政府が自発的に個人補償を申し出ない以上は、河野談話を出したとしても)「謝罪したとは認められない」という主張をしていた。何故、日本人のこの人が、こんなことを言うのかも分からないのだが、もし仮に上述の日本の立場を理解できずに、「一方的な例外規定を認めた個人補償がなければ解決とは認めない」とのスタンスであれば、話し合いによる解決は多分不可能であろう。この辺はどうなのだろうか?

(4)「慰安婦」問題の残虐さイメージのギャップ
日本国内にも慰安婦問題で謝罪せよという人もいれば、謝罪許すまじという人がいる。極端な考え方としては、右翼的な発想で「韓国なんかに謝罪する必要なし!」という発想と、左翼的な発想で「日本政府は何でもかんでも悪いに決まっている!」という人がいる。しかし、この様な極端な人の話にまともに取り合っていると、絶対に話はまとまる訳がない。だから、もうちょっと常識的な大多数の人の感覚を引き合いに出すならば、「自ら望まない売春行為を強いるようなことをしたのなら、それは謝るべきでしょう」という発想で謝罪推進派的な人が日本国内には多くいる。多分、こちらの人の方が多数派だろう。多分、橋下代表も同様な感覚を持っているのだと思う。ただ、橋下代表の6月4日のブログにも下記の様に紹介されていたが、1996年に国連人権委員会で採択された「クマラスワミ報告書」というものには、日本軍が慰安婦に対して以下の様な残虐行為をしていたとして日本政府を非難している。
=============================
「仲間の1人が1日40人もサービスをするのはきついと苦情を言うと、ヤマモト中隊長は拷問したのち首を斬り落とし、「肉を茹でて、食べさせろ」と命じた。性病消毒のため熱い鉄の棒を局部に突き刺されたり、生き埋めになったり、入れ墨されたりして少女の半分以上が殺された。」(第54項)
=============================
多分、韓国の元慰安婦の女性たちも、(自分たちが周囲では起きていなかったであろう)ここまでの内容の責任を日本政府に問うている訳ではないと思うが、現実の世界ではここまでの責任が追及されている事実がある。少々話は変わるが、戦時中の日本軍をナチス・ドイツにダブらせた発言が良く聞かれる。中国側の主張する南京大虐殺が事実であれば、その主張も分からなくもないが、当時の南京の人口が25万人であるのに日本軍による虐殺の犠牲者が30万人という話と、当時、南京にいたことがあるという人がする南京市民と日本軍との馴れ合いの関係という話の間のギャップが大きくて、幾らでも証拠があげられるホロコーストの歴史と、中々、物的証拠が出てこない日本軍の悪事とを同列で議論するのには日本人としては抵抗がある。これは、別に戦争の美化というのではなく、物的証拠をたくさん探し出して示してもらえば、我々日本人にも納得が出来るのであるが、「クマラスワミ報告書」にしてもあまりにも貧弱な根拠をもとに作成されたものであり、そこまでの罪を問われて本当に「ごめんなさい」と謝って良いものかと判断に迷うのである。つまり、仮に自分の父が売春クラブを経営して「売春防止法」で逮捕された際に、「噂話によれば、お前の父は売春婦を何十人も虐待して殺して海に沈めたらしいな!」と警察に大量殺人の罪を問われた際に、確実に間違いない売春防止法違反の罪に対しては父がしたことに対して謝罪の言葉を述べることはできるが、証拠が不確かな大量虐殺の罪まで謝罪しろと言われても言葉に詰まるのである。100歩譲って、問われているのが窃盗の罪ならば、「さもありなん」と証拠も確認せずに謝ることもあり得ると思うが、それが大量虐殺の罪であればそうはいかないのである。だから、日本側の謝罪として何処までの罪を認めること求めているのか、それを明らかにしてもらうことはできないだろうか?白紙委任状的に、「私は極悪人です」と言わせて、罪を認めたその後で「何処まで極悪だったかを韓国側が決める」というのは、日本人としてはアンフェアだと感じている。

(5)信憑性の高い事案と眉唾の話とを切り分けて議論する可能性
元慰安婦の方が辛い思いをしていたことに対しては議論の余地は無いと思う。しかし、世の中には全てが良心的で正直な人ばかりではないという事実も否定できない。例えば、慰安婦問題を最初に世に広めたのは吉田清治という人物である。自分が戦時中に行った罪の数々を懺悔し、第二次世界大戦中に日本軍が朝鮮の女性を強制連行し、慰安婦にしたなどと証言した。さらに「私の戦争犯罪」という本を出版し、あたかもそれが事実であるかのように吹聴した。しかし、なぜか韓国側でこの発言に疑問を呈した出版社が詳細に調査を行い、この一連の証言がデマであることが韓国人によって明らかにされた。普通の人は、こんなありもしない話をしてどういうメリットがあるのかと思うところだが、この人物はこの件で講演を行い、出版した本の印税を受け取り、報道などで取り上げられてチヤホヤされ、それなりのメリットを受けていたのである。そして、先日のテレビ朝日のTVタックルの中でも、韓国側の立場での参加者である朴一氏ですら「吉田発言はデマである」との認識を示していた。また、特に慰安婦問題が爆発的に広まったきっかけは朝日新聞の植村隆記者が、義理の母の梁順任氏たちが日本政府相手に起こした裁判に関連して、慰安婦問題を朝日新聞紙上で大々的に記事にしたことがあげられる。しかし、この梁順任氏はこの裁判に関連した詐欺の容疑で、昨年、韓国国内で逮捕されているという。当時の新聞記事のリンクが切れているので詳細は確認できないが、「日本統治時代の戦時動員被害者に対し、日本政府などから補償金を受け取ってやるといって弁護士費用などの名目で会費15億ウォン(約1億2千万円)をだまし取っていた団体幹部など39人を、詐欺の疑いで摘発した」という。被害者は3万人のようで、それなりの大ニュースであったはずである。この様に、悪意を持って当時の日本政府・日本軍を貶めようとする人がいることも事実である。ここで、では良心的な被害者と、悪意の偽証者がどの程度かというのは意味がなく、少なくとも慰安婦として苦しい生活を余儀なくされた人が相当数いたことは事実であろう。しかし、先の(4)にも通じるが、流石に戦時中ならばこのぐらいのこと、あって当然だろうな・・・と思うような程度の犯罪行為と、幾らなんでも流石にそこまではしないだろうという残虐行為とをひとまとめにし、全て「一切議論などせずに、話題に上った全ての罪を自ら認めろ!」と言われれば、先に引き合いに出した眉唾なことが頭に浮かび、ある部分までは罪を認めるが、全てを全て認めろというのは「流石にそれは無理でしょう!」ということになる。これは議論を一般化し、相手の立場に身をおいて考えれば、多くの韓国人も同意してくれるのではないかと思う。少なくとも、かってはそこに悪意を込めた詐欺的行為が含まれていた事実が確認されているのだから。であれば、上記の(4)とダブるところはあるが、細かな事例を精査し、信憑性や悪質性を基準にある程度のグループ分けを行った上で、「この案件については罪を認めるか?」「ならば、この案件はどうか?」と個別に切り分けて着地点を見出すというアプローチは出来ないものだろうかと思う。

以上、幾つかの議論の切り口を例示させて頂いた。一方的に相手を非難するのではなく、なるべく丁寧に議論を整理したつもりである。ただ、時間がないので短時間で書いた完成度の低いこの様な議論の糸口をより精査し、もう少し完成度を高めれば何処かで役に立つのではないかと思う。如何なものだろうか?

←人気ブログランキング応援クリックよろしくお願いいます


最新の画像もっと見る

コメントを投稿