今日のトップニュースは北朝鮮が3回目の核実験を実施したことであろう。報道番組では、森本前防衛大臣をはじめ多くの軍事専門家が出演し、如何にして対処すれば良いかについて解説を行っていた。しかし当然ではあるが、どの様な人からもこれまでと一線を画して効果が期待できるような提案などはなく、アメリカも中国も北朝鮮に振り回されているという状況が繰り返し確認されるに留まった。
日本からも独自の制裁が発動されるようだが、それが本気で効力を持つのであればとっくの昔に拉致問題の解決に利用されているだろうから、それほど画期的な策などある訳もなく、それはロシア、韓国にしても同様だろう。唯一、中国が兵糧攻めに参加すれば北朝鮮が音を上げる可能性も無い訳ではないが、中国からすれば対日本、対アメリカの対立が深刻化する状況で、北朝鮮が崩壊して日米韓の軍事同盟との間に緩衝地帯がなくなってしまうのは好ましい状況ではない。さらには北朝鮮の地下資源は喉から手が出るほど欲しいので、中国と北朝鮮の間に楔を打つような制裁に対しては、表向きは賛同しても裏ではなし崩しの対応を行い、決してアメリカ側に有利な形での制裁参加となることは期待できない。
この様に考えれば、従来型の交渉術では事態が進展するとは期待できず、今までとは違う何らかの戦略を練る必要性に迫られている。思い出せば、1年前にミサイル打ち上げを失敗した際には北朝鮮の技術レベルの低さを物語る情報が幾つも表に出てきたが、先日のミサイル打ち上げにしても今回の核実験にしても、結構、着実に仕事をこなしている感が強い。金正日の妹の夫である張成沢が影の実力者として権力を掌握して以降、昔の旧日本帝国陸軍などのように根性論で全てが片付くような旧タイプの人材が一掃され、論理的な思考のもとに着実な仕事ができる実務者が徴用され、結果的にまるで別人のように高いレベルでの成果を達成できるようになったように見える。だから、北朝鮮の軍事的な地位が高められた状況で世界的な評価が確定する前に、何らかの実効性の伴う行動を急いで起こさねばならない。
では、どの様な戦略があるのであろうか?この手の物事を考えるとき、一つのアプローチとして、相手が最も嫌がることをネチネチと攻めるのが正攻法であろう。以前のバンコデルタアジアに関連した金融制裁もその一つであったが、現在の状況はその当時よりも急を要するものと感じる。であれば、それ以外の戦術も併用する必要があるだろう。では、金正恩の最も嫌がる攻撃は何か?それは、北朝鮮内でのクーデターである。身内が自分の首をアメリカないしは中国に差し出すのではないかと疑心暗鬼になるような、その様な揺さぶりが本当は嫌なはずである。そのためには、例えば、アメリカは金正恩体制が仮に崩壊しても、核放棄を前提とするならば中国側の傀儡政権を容認するといった保証を中国側に与え、その様な条件下での許容できる落としどころとなる様々なシナリオを模索するのである。その幾つかのシナリオについては中国側に提示し、中国側にも旨味のあるシナリオをちらつかせながら、北朝鮮に対して言うことを聞くように説得を行うのである。
現在の政権移行期の習近平体制にしても、北朝鮮はいつ暴発するか分からない危険性をはらんだ地雷のようなものだから、これ以上コントロールできない状態が続くのは許せない。特に、社会主義・共産主義において世襲制度は相容れ難いものがあるから、兎に角、金一族を排除しながらもう少し中国と連携可能な政権が樹立されることが望ましい。北朝鮮がアメリカ側の手に落ちたら習近平政権は崩壊するから、そのリスクがないことをアメリカに担保してもらいさえすれば、交渉の余地は十分にある。
そして、この手の揺さぶりの面白いところは、実際にそのための具体的なアクションを取らなくても、金正恩がクーデターに怯えだして疑心暗鬼になれば、有能な張成沢の様な人物よりも、何でも自分の言うことを聞くイエスマンを徴用するようになり、自然と張成沢などは失脚して追放されるだろう。こうなれば、作戦は半分は成功したも同然で、少しは今後の時間も稼げるようになるかも知れない。
もはや北朝鮮と中国には、正攻法では効果を期待できる対応を探し出すのが困難である。であれば、少々ずるいやり方ではあるが、相手の嫌がる攻撃で積極的に攻めまくるというのが定石である。最近流行のサイバー攻撃で、張成沢が金正恩を出し抜こうとしている証拠に見せかけた情報を北朝鮮の政権中枢のどこかのPCに埋め込む様な意表を突いた攻撃でも良い。もっと内部からの崩壊を促す攻撃を仕掛けるべきである。
もちろん、アメリカと日本が連携しながら・・・。
←人気ブログランキング応援クリックよろしくお願いいます
日本からも独自の制裁が発動されるようだが、それが本気で効力を持つのであればとっくの昔に拉致問題の解決に利用されているだろうから、それほど画期的な策などある訳もなく、それはロシア、韓国にしても同様だろう。唯一、中国が兵糧攻めに参加すれば北朝鮮が音を上げる可能性も無い訳ではないが、中国からすれば対日本、対アメリカの対立が深刻化する状況で、北朝鮮が崩壊して日米韓の軍事同盟との間に緩衝地帯がなくなってしまうのは好ましい状況ではない。さらには北朝鮮の地下資源は喉から手が出るほど欲しいので、中国と北朝鮮の間に楔を打つような制裁に対しては、表向きは賛同しても裏ではなし崩しの対応を行い、決してアメリカ側に有利な形での制裁参加となることは期待できない。
この様に考えれば、従来型の交渉術では事態が進展するとは期待できず、今までとは違う何らかの戦略を練る必要性に迫られている。思い出せば、1年前にミサイル打ち上げを失敗した際には北朝鮮の技術レベルの低さを物語る情報が幾つも表に出てきたが、先日のミサイル打ち上げにしても今回の核実験にしても、結構、着実に仕事をこなしている感が強い。金正日の妹の夫である張成沢が影の実力者として権力を掌握して以降、昔の旧日本帝国陸軍などのように根性論で全てが片付くような旧タイプの人材が一掃され、論理的な思考のもとに着実な仕事ができる実務者が徴用され、結果的にまるで別人のように高いレベルでの成果を達成できるようになったように見える。だから、北朝鮮の軍事的な地位が高められた状況で世界的な評価が確定する前に、何らかの実効性の伴う行動を急いで起こさねばならない。
では、どの様な戦略があるのであろうか?この手の物事を考えるとき、一つのアプローチとして、相手が最も嫌がることをネチネチと攻めるのが正攻法であろう。以前のバンコデルタアジアに関連した金融制裁もその一つであったが、現在の状況はその当時よりも急を要するものと感じる。であれば、それ以外の戦術も併用する必要があるだろう。では、金正恩の最も嫌がる攻撃は何か?それは、北朝鮮内でのクーデターである。身内が自分の首をアメリカないしは中国に差し出すのではないかと疑心暗鬼になるような、その様な揺さぶりが本当は嫌なはずである。そのためには、例えば、アメリカは金正恩体制が仮に崩壊しても、核放棄を前提とするならば中国側の傀儡政権を容認するといった保証を中国側に与え、その様な条件下での許容できる落としどころとなる様々なシナリオを模索するのである。その幾つかのシナリオについては中国側に提示し、中国側にも旨味のあるシナリオをちらつかせながら、北朝鮮に対して言うことを聞くように説得を行うのである。
現在の政権移行期の習近平体制にしても、北朝鮮はいつ暴発するか分からない危険性をはらんだ地雷のようなものだから、これ以上コントロールできない状態が続くのは許せない。特に、社会主義・共産主義において世襲制度は相容れ難いものがあるから、兎に角、金一族を排除しながらもう少し中国と連携可能な政権が樹立されることが望ましい。北朝鮮がアメリカ側の手に落ちたら習近平政権は崩壊するから、そのリスクがないことをアメリカに担保してもらいさえすれば、交渉の余地は十分にある。
そして、この手の揺さぶりの面白いところは、実際にそのための具体的なアクションを取らなくても、金正恩がクーデターに怯えだして疑心暗鬼になれば、有能な張成沢の様な人物よりも、何でも自分の言うことを聞くイエスマンを徴用するようになり、自然と張成沢などは失脚して追放されるだろう。こうなれば、作戦は半分は成功したも同然で、少しは今後の時間も稼げるようになるかも知れない。
もはや北朝鮮と中国には、正攻法では効果を期待できる対応を探し出すのが困難である。であれば、少々ずるいやり方ではあるが、相手の嫌がる攻撃で積極的に攻めまくるというのが定石である。最近流行のサイバー攻撃で、張成沢が金正恩を出し抜こうとしている証拠に見せかけた情報を北朝鮮の政権中枢のどこかのPCに埋め込む様な意表を突いた攻撃でも良い。もっと内部からの崩壊を促す攻撃を仕掛けるべきである。
もちろん、アメリカと日本が連携しながら・・・。
![](http://image.with2.net/img/banner/banner_21.gif)