けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

もはや離党者の数など問題ではない!

2012-10-30 23:05:08 | 政治
石原都知事の辞任以降、堰を切ったように民主党から離党者が出て、どのタイミングでマジックナンバーがゼロになるかという報道をよく耳にする。民主党も慌てて、昨日離党した2人に対しては離党届を受理せずに、説得工作を続けるという。確かに興味が行きがちな点ではあるが、個人的にはあまり意味のない話だと思っている。

言うまでもないことであるが、民主党に対する風当たりは強く、総選挙が年内か年明けかの違いはあるにせよ、来年夏まで逃げ切れる可能性は日増しに低くなっている。仮に夏まで逃げ切ったとしても、その時点では今よりももっと悲惨な事態(例えば支持率一桁、不支持率80%以上)になっているのは容易に予想できる。だから、特に当選一回の知名度の低い議員にとっては、最初から次回の選挙での当選を期待しなければ別であるが、当選したいと思う限りはどの様なタイミングでどの様に振舞うと当選の可能性が少しでも上向くかということを考えるはずである。とすれば、沈み行く泥船の民主党に対して自らを如何にして差別化を図りアピールするか、それが死活問題なのである。民主党のここ3年間の活動は裏切り行為以外の何者でもないから、彼らにとって選挙で有利にはたらくテーマは何かということを考えれば、ここまできたら原発問題ぐらいしかない。

ここまで追い込んだ野党側から見れば、この会期末には内閣不信任案を確実に出すことになるが、不信任案可決を確実にするためにはひと工夫が必要である。それは、ここでの不信任のポイントは「嘘つき政権に政権を担う資格なし!」ということだろう。だから自民党は、内閣不信任案を提出する際のその理由の中に、民主党の原発政策に対する矛盾を含め、それをマスコミで大々的にアピールすれば良いのである。誰もが覚えていると思うが、野田政権は国民受けする脱原発を宣言しておきながら、イザとなったらそれを閣議決定には含めず、しかも六ヶ所村の再処理を継続したり、承認済みの原発建設を許容したりと、誰がどう見ても嘘つき以外の何物でもない行動を取ってきた。この「嘘つき」を糾弾するという意味では、別に脱原発を推進すべきという内容にこだわる必要などない。自民党は原発推進でも、それを誠意ある正直な態度で臨めば、決して嘘つき呼ばわりされる筋合いではない。あくまでも、調子の良いことを言って裏では逆のことをやっていることが行けないという、嘘つき行為の糾弾なのである。この点では、それが自民党だろうが国民の生活が一番であろうが共産党であろうが、それぞれの党のスタンスに関係なく、それを否定する理由は何処にもないのだから不信任案としては成立せざるを得ない。ここで反対、棄権などの動きをすれば、それは嘘つきを追認することになるから、輿石幹事長と小沢氏が裏でどの様な話をしようと流れは変えられない。

同様に、不信任案が提出された時に民主党議員が不信任否決側に回ると、それは少なくとも脱原発に関して「民主党の(脱原発の)詭弁に加担」したことを意味してしまう。彼らが自民党の候補者に勝てるチャンスは、現状では脱原発で自民党に差別化を図ることぐらいしかない。しかし、「民主党の詭弁に加担」すればそれは彼らにとって次の選挙では致命的だから、党議拘束に応じて素直に否決票を投じることはできない。最低でも棄権しないと理屈が通らない。逆にテレビでは誰が棄権して誰が賛成票を投じるかを取り上げるだろうから、事前に賛成か棄権の態度を表明するとテレビ写りの頻度が増え、来るべき総選挙の際の有権者へのアピールにつながる。この時が最大の民主党との差別化、アピールのチャンスなのである。このチャンスを待っている民主党議員は相当多いはずである。

もし仮にリスクを避けたいのなら、脱原発をもっと積極的に発信することを党執行部に求めるアピールと称して不信任案を棄権すればよい。その制裁として党が公認取り消し(ないしは除名)すればそれはそれで更にテレビで話題になるし、逆に公認が得られれば脱原発について仁義を切った上に民主党から刺客を立てられずに済む。この様な打算的な議員の多くが棄権側に回れば、その際の不信任案成立のハードルはぐっと下がる。そのような議員は最低でも12名以上はいるだろうから、つまり既にマジックナンバーはマイナスになり、将棋が詰んだことを意味する。

さらに逆のシナリオも考えてみよう。第3極の結集の流れが強まり、離党により与党側が過半数割れに早期に追い込まれた場合である。多分、自民、公明は責任政党として特例公債法案と衆院議員定数の改正法案の成立までは見届けてから内閣不信任案を提出するだろうから、結局、マジックナンバーがゼロになるタイミングなど関係なく、この臨時国会の会期末頃に解散に追い込まれることになる。都知事選に合わせてどうしても12月16日の投開票を実現しようとすると、もう少し乱暴な動き(ふたつの法案が両方成立する前の不信任案提出)もあるかも知れないが、仮にそうなっても結果はそう大きく変わらないだろう。既にジタバタしても遅い状態になっているのである。

だから、自民党も民主党も第3極も、ただ淡々とやるべきことをやるだけなのである。お祭りに浮かれずに、どれだけきっちり仕事をするか、それが重要なのである。

←人気ブログランキング応援クリックよろしくお願いいます