Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

パイナップルの授業 7

2009-02-10 23:24:46 | 社会
 ここでは,どれが正解であるかを明らかにしていない。
 そうすることで,子どもたちが自分で調べ始めることを期待している。
 子どもたちがここで「はてな?」を持つ。「はてな?」発見技能が鍛えられるのである。
 
「真横に切ると,切り口はどんな形になっていますか。絵を描きなさい。」

 穴のあいた絵を描いた子が6名いたという。
 また,沖縄の宮古島で授業した際は,3分の2は穴のあいた絵を描いたという。
 沖縄の子でさえ知らないのである。つまりこの発問は,子どもの常識に揺さぶりを掛ける発問である。
 
 「早速,丸いままのパイナップルを買ってきて,切ってみる子が出てきた」と記してある。
 つまり,有田氏は授業の中で実際にパイナップルを切って見せてはいないということが分かる。
 教師が直接教えるのではなく,子どもたちに調べさせるように仕向けているのである。
 
 有田学級の場合は,子どもたちにとって調べることが勉強ではなく,遊びと同化している。このパイナップルの例などはまさにその典型である。
 
「このパイナップルは400円でした。高いと思いますか。安いと思いますか。」

 多くの子どもは「安い」と言ったという。
 教科書や参考書を素早く見て,「パイナップルではあまり儲からないので,さとうきびの方をたくさん作っているのではないか」という意見も出ている。

 疑問を持ったらすぐに調べる。子どもたちの学習技能がしっかりと鍛えられている。

「どうして,さとうきびの方が儲かるのでしょうか。」

 米と同じで政府が値段を決め,買い取ってくれるからであるという。安くても安定している。
 5年生での米の学習への布石ともなっている。

最新の画像もっと見る