Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

パイナップルの授業 9

2009-02-12 00:23:49 | 社会
 「パイナップルの実を真横に切ると,切り口はどんな形になっているでしょう。切り口の絵を描きなさい。」

 これを2枚目の画用紙に描かせている。

・穴が開いている…5名
・芯で詰まっている…32名
・種が詰まっている…1名

 穴が開いているとした子どもたちのイメージは,パイナップルの缶詰なのである。
 クラスによっては3分の2が穴のあいた絵を描くという。こういうクラスの子ほど,本物のパイナップルを切ってみたときの驚きは大きいし,パイナップルを実際に買って切ってみる確率が高いという。

 この授業でも,有田氏はパイナップルを切った形跡はない。
 結論は子どもが自分で出すように仕向けているのである。

「パイナップルの実を3等分すると,A,B,Cのどこが一番おいしいでしょう。」

 黒板に絵を描いて発問している。非言語伝達の技術である。
 A,B,Cが13,13,12人だったのが,話し合っているうちに0,13,25人へと変化している。はっきりと分からないから,子どもたちの考えが揺らぐのである。

 この授業でも,向山氏と違い,有田氏はパイナップルを切って食べさせてはいない。子どもたちの追究活動に任せている。

 次の時間に尋ねたところ,19人が実際に食べて調べてきたという。38人中19人であるから半数である。
 食べてもいない,切り口も見ていない,身のつき方も調べていないという,何も調べていない子は9名であったという。

 十分に意欲を高めた上で,ここから沖縄県の本質的な学習に入っていく。

「このパイナップルの実は,日本の何県でできますか。」
「どうして沖縄県だけでしかできないのですか。」
「沖縄県でも,本当の南半分や宮古島では,パイナップルはできません。これは,どうしてでしょう。」
「パイナップルのできない土地では,何を作っているでしょう。」
「さとうきびとパイナップル作りは,どちらが収入を上げられるでしょう。」

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