Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

おばあさんのけが 2

2010-01-13 21:47:32 | 道徳
 これが理想的な答えであるはずはない。
 しかし,実際場面で子どもがとる可能性が大きい行動は,「逃げる」であることは容易に想像できる。
 
 大人だってそうである。
 つい先日,私はファミリーレストランの駐車場で車をぶつけた後に逃走したおばさんを,目の前で目撃している。
 そのエピソードを話して聞かせた。
 
 「大人だって弱い心の方が勝って,逃げてしまうことがあるのです。
  もう一度聞きます。自分だったらどうしますか。」

 すると,クラスの半数の12名が「逃げる」と答え直した。
 自分の弱い心と正対したのである。
 
 ストーリーは次のように続く。
******************************************************************* 
 よしおとたかしは逃げた。
 翌日,神社の境内でおばあさんが転んでけがをしたという噂を耳にして,よしおはドキンとする。
 よしおはたかしのところに行って,どうするか話し合いをした。
******************************************************************* 
 
 ここで,次のように聞いた。
 
 「よしおとたかしは,どんなことを話し合ったと思いますか。」

 子どもたちの意見は次の通りである。

1 謝りに行こう。
2 逃げ続けよう。
3 知らんぷりをしておこう。
4 正直に言おう。
5 お見舞いに行こう。

 子どもたちは理想論から離れ,自分なら実際にどうするかということに置き換えて考えていることが分かる。
 そうでなければ,2や3などの意見は出るはずがない。

 もちろん2や3の意見は,よい考えではない。
 この考え方は,否定されなければならない。

 「よい考え方には○を,悪い考え方には×をつけなさい。」

と指示し,まとめとした。


 道徳の時間になると,子どもたちは突然いい子になる。
 強い心の持ち主となる。

 しかし,実際の生活場面では見られない嘘がまかり通るような授業ではいけないと思う。
 自分の弱い心と真剣に向き合うことも大切であろう。

最新の画像もっと見る