Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

教師の“言語技術”が子どもの運動技能を変える 3

2008-10-12 00:16:49 | 体育
 体育の場合は,実際に試してみることも大切である。

 例えば,「開脚前転のとき手はどこに着けばよいか」という課題を投げ掛けるとする。
 これは教師による課題の言語化である。
 言語化することにより,子どもたちは初めて課題に気づくのである。
 それまではどこがよいかということを意識せず手を着いていたが,発問されたことによって初めてどこに着けばよいのかを考えるのである。
 発問の注目機能である。

 子どもたちは各々,どこに着手すればよいかを考えながら試してみる。

 次にペアやグループで話し合う。
 「なるべく遠くに着いた方がよいのではないか」「いや,それでは僕は立てなかった。ももの近くにしたほうが立てる」などと話し合うことによって言語化する。

 実際に試して自分なりの考えを持っているのであるから,話し合いの場面でぼんやり聞くということにはならない。
 本気で聞く,心を集中して聞くということになる。
 この場合,聞くということが受け身ではないのである。
 「なぜか」「ほんとか」「正しいか」と能動的,積極的に聞くことになる。

 そして,本当にももの近くのほうが立てるのか,その結果をまた試してみるのである。

 言語化(発問)→体験→言語化(話し合い活動)→体験という流れである。