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修業の時計を止めない教師でありたいです。

教師の“言語技術”が子どもの運動技能を変える 2

2008-10-11 00:14:24 | 体育
 教師は,授業の中で話し合い活動の場面を意図的に仕組んでいく必要がある。
 話し合いを通じて,運動を多面的に捉える目が養われるからである。これが論理的思考力につながっていく。

 また,話し合いは,授業の中で潤滑油のような働きを担っている。そこにコミュニケーションが成立するからである。

 話し合いの少ない授業は,教師と子どもとの対話が中心で進められる。もちろんそういう授業があってもよい。
 しかし,教師の指示にただ従っているだけでは,思考が深まらず,浅いものになりがちであろう。
 
 対等な立場で仲間と話し合うからこそ,思考が深まるといえないだろうか。
 真摯に仲間の意見に耳を傾け,それについて自分の意見を言うなどする中で,多面的に運動について考えていくのである。

 子ども同士が,向き合って話す機会を意図的につくることは,言語力を育成する上でも大切なことである。
 最近の子どもたちは,核家族化や少子化もあり,意外ときちんと向き合って放す機会は少ない。だからこそ,学級の仲間との話し合いは重要な意味を持つ。

 話し合いといってもいろいろな形態がある。

 いきなりクラス全体での話し合いにするというのは,おすすめできない。
 発言力の強い子の意見に押されてしまう場合があるからである。
 発言力の弱い子の意見は取り上げられなかったり,たとえ意見があっても発表せずに黙って過ごしていたりということになりかねない。

 そういう事態を防ぐには,まずペアでの対話である。
 1対1であるから,話さざるを得ない。
 ペアになって話そうとすることで,アイコンタクトを習慣化でき,相手の言葉を積極的に聞こうと努める姿勢も身についていく。

 ペアでの話し合いができたら,4~6人の小グループでの話し合いに移行していく。
 人数が増えることで意見のバリエーションが増え,集団討議へとつながっていく。
 異質な他者と協同する学びは,PISA型学力でも重視されるところである。
 グループでの話し合いでは,メンバーができる限り等しく意見を出し合い,互いの考えの差異に気づかせていくのが大切であろう。