Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

新幹線の座席 2

2007-12-20 04:49:31 | 算数
 書いては消し,書いては消し,格闘しながら問題に取り組んでいる。
 しばらくして「できた」という子がいた。見ると,次のように書いてある。

【A】


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●●●●●
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 「なるほど。これなら1人ぼっちの子もいないし,知らない人も隣に座らない」と丸をつける。
 その後,「でも,何だか2人だけのところは寂しいね」と投げ掛けた。その子は別の座り方をまた考え始めた。
 
 できた子からノートを持ってこさせ,できた子には別の座り方はないか考えさせた。
 
 15分ほど考えさせ,黒板に発表させた。
 まず,先ほどの考え方を板書させた。
 次に,次のような考えを板書させた。

【B】
●●●●●●●
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 「これもいいけど,ちょっと寂しいねえ」と投げ掛けた。
 
 これらは誰がどのような図を書いたかを把握し,意図的に指名したのである。
 何の意図もなしにいい加減に指名したのでは指名したのでは,面白みのない授業になってしまう。

 「もう一つないかな」と問いかけ,板書させた。

【C】
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●●●●
●●●
●●●
●●●

 どれも正解である。
 この3つのパターンしかないのである。

 「これを計算で考えられないだろうか」と子どもたちに投げ掛けた。
 新たな問題提示である。
 しかし,よく分からないようであった。

新幹線の座席 1

2007-12-20 04:26:46 | 算数
 12月18日,算数の時間に行った実践である。
 教科書の内容は終了したので,発展的ネタを扱った。
 
 黒板にいきなり「新幹線」と書き,「新幹線に乗ったことがある人?」と聞くと,7割ぐらいが挙手した。なかなかすごい経験率だと思う。
 
 次に,通路をはさんで2人がけブロックと3人がけブロックに分かれている座席表を書いた。

「新幹線の座席は,このように片方が2人掛け,もう片方が3人掛けになっていることが多いです」

 「そうだよ」などと口々に言い出す子どもたち。
 そんなことは普通あまり気にとめないと思うが,本当に知っていたのだろうか。
 本当に知っていたのなら,なかなか鋭い目の持ち主である。

「17人のグループが旅行にきました。どういうふうに座ったらいいでしょうか」

 「そんなの簡単だ」という。
 そこで1人を指名して,黒板に書かせた。ここでのポイントはいきなりエース級の子どもに指名しないことである。

 2人がけの席にどんどん丸印を書き入れていく。
 すると1人余ってしまった。
 私のねらいどおりである。
 
「1人余ってしまったなあ。この人,かわいそうだなあ」

 子どもたちは別の座り方があるという。
 そこでもう1人を指名し,書かせる。
 
 今度の子は3人がけの席にどんどん丸印を書き入れていく。
 すると,3人がけの席のうち1つが余ってしまった。
 ねらいどおりである。

「これだと,隣に知らない人が乗ってきてしまって,ちょっと居心地が悪いかもしれないね。お話していると隣の人に迷惑かもしれないし…」

 これで子どもは本気になって考え始め,ノートに向かった。
 いったいどうやったら17人を半端な席が出ないように座らせることができるのだろうか。