包丁研ぎ

母から頼まれた包丁を二本研ぐ。

土佐の武峰の舟入包丁。和式

三徳になる。

この銘烙印の字体がいい字体。


私が知る和式包丁の中で武峰が

一番切れる。突き抜けている。

砥当たりも独特なものがあり、

粘っこい。

武峰はこれまで三本使ったが、

どれもとんでもない切れ味を示

す。本当によく切れる。


次は長崎の吉光刃物製作工場の

両出刃。




それなりの切れ味。

鋼の包丁は切れますね。

特に武峰が凄い。

阪神タイガース

定位置。

ハンドリング 〜切れの秘密〜

得物は、五指を締めて握り込む事

はしない。

Trying Corey Deuel's Famous Draw Shot 

Your Average Pool Player

パリーグ

ファイターズ対マリーンズ。

佐々木朗希の8回までノーヒット

ノーランの登板の後、これまた

凄いやり取りのプロ試合が続い

ている。

これは見応えのある好試合。

日ハムがやる。

ロッテを0点に抑え切ったから

こそ9回で大記録前に佐々木を

降板させた。

良い試合。

日ハム、爽やかヤン坊の練馬の

マンチュウの一発ホームラン、

ヒットはそれのみでの1-0で延長

戦勝利。

いやあ、いいゲームでした。

切り方

日本刀での切り方は、一に刃筋、

二に刃筋、三、四が刃筋、五に

刃筋、である。

刀法には色々な種類の切り方と

斬り方がある。

だが、どの切りにおいても刃筋

が正しくビシッと立っていなけ

れば切れないし、刀をよじらせ

たり曲げたりする。

刃筋を立てて、力任せに強引に

刀身を振り回す事をしなければ、

刀は曲がらない。

剣戟での斬り合いでは刀剣は曲が

ったり折れたりするでしょうね。

実際に歴史事象はそれを示し残し

ているし。

いろいろな角度から来る猛攻を

刀身でもかわしたりする事が避け

られないから。

刃筋を立てるコツ、というかそれ

しか無い方法がある。

それを知れば、初心者だろうが

年数経過者だろうが、性別も年齢

も関係なくビシビシと刃筋が立つ。

そして、「切り」が実現する。

一切、刀を曲げる事無く。

ウォルナット＝クルミ

ビリヤードのキューや高級家具や

建材、銃床に使われるウォルナッ

ト。

銃床で良質な物は樹齢一千年の

クルミが使われたりするのだと

いう。










樹齢300年でこれくらい。

千年の樹齢の木を使うというのは、

ビリヤードキューで使うメイプル

＝カエデの樹齢400年、500年など

は、まだ青年みたいなものだ。

銃床素材に付いて

アメリカンプールのボール

アメリカン・ポケット・ビリヤード

のボールは慶應義塾の脳細胞爆裂

マガジンぽい色だから良い。

すべてに独立した個体色がある。

これが、全て同じ色だと、そちらの

ほうが気味悪い。

全て同じ顔のロボットのようで。

アメリカンプールはとても人間ぽい。

全世界の人が合体したように思える。

この星の世界中の人々が散り散りに

なろうとも、プールボールのように

一つにラックされればいいのに。

それは同色に染めてしまうのでは

なく、色違いのままの個を尊重し

ながら、そして互いにくっついて。

タッチ

東京の友人が描く絵は、なんと

なくゴッホぽい。

剣の達人。

カフェの女店主

この女性は南仏アルルのカフェ、

ラ ガールの女店主ジヌー夫人。

ゴッホが描いたジヌー夫人。

「アルルの女」(1888年)

いかにも、という感じだ。

広島県尾道にはブント赤軍派の

塩見議長と同級生のママが経営

する店があった。

雰囲気はジヌー夫人に似ていた。

インテリだった。

今はその店は無い。

日本のかつてのブントとフランス

のある潮流は密接な関係にある。

切っても切り離せない。

アメリカンプールの玉台のコンディション

状態の良いラシャと玉。

プールテーブルはキャロム程ラシャ

の傷みは気にならない。走り過ぎる

ラシャは全くもって良くないが。

問題は何を置いても穴だ。穴幅と

カップの形。

論外。ガバガバである。

しかもクッションが並行に近い。

キックアウトなどは無く、穴内

クッションに当たればどんな玉

でも落ちてしまう。

この台ではダイヤモンド1ポイン

ト手前のクッションに入っても

ポケットインしてしまっていた。

競技台としては論外。

これでも絞ってるほうで、一般的

な素人向け大衆店では2.4玉幅が

ノーマル標準幅だった。


許容範囲。1.9玉幅程に穴を絞り、

クッションカップも開いている。

カップが開くと正確に入れないと

弾き出される。


ベスト。穴は狭く、カップも開く。

かなりシビアといえる台。

これよりも厳しい形状がチャイニ

ーズエイトの台だが、クッション

の角がスヌーカーのように丸い為、

アメリカンプールとは全く別物と

考えたほうがいいだろう。

多くのアメリカ人選手も中華八玉

ではハードショットは控えて、

ソフト撞きでプレーしている。

キュー切れ大魔王のコーリー・デュ

エルでさえも。

そこにアメリカンプールの醍醐味

は無い。ポケットビリヤードとい

っても、プールとは別な競技だ。

さらにロシアンポケットとなると

穴幅はボール1個がやっと通る程

の大きさだ。

それはあまりにもやり過ぎの感が

ある。

ショットのバリエーションが著し

く限定され、つまらぬ金太郎飴の

玉突きになるからだ。ただ入れる

事だけの競い合いの。

針の穴に糸を通す競技があったと

して、私個人はそれを面白いとは

思わない。

ゴッホとビリヤード

「夜のカフェ」(1888年)

アルル(南フランスのプロバンス

地方のコミューン)にあるラ マル

ティーヌ広場30番地カフェ ド ラ 

ガール。

1888年2月、ゴッホはパリから南

仏に移りホテル住まいをしたが、

宿泊費が高いため、ラ マルティー

ヌ広場の「黄色い家」を借りた。

そのアトリエ2部屋には寝具が無い

為、同年9月までこのカフェ「ラ 

ガール」で寝泊まりしていた。

ビリヤードテーブルは三つ玉だ。

ゴッホはこの店の事を弟に書いた

手紙で「卑しい大衆酒場」と評し

ている。

酔い潰れた労働者数人、娼婦、こ

こで時間を潰す事の頽廃、この店

の怠惰な堕落とくすぶる狂気の滞

留が描かれている。目に見える情

景は、目に見えない背徳の泥流に

飲まれているその姿を。

「このカフェでは、人々は身を滅

ぼし、気が狂い、罪を犯しかねな

い。卑しい大衆酒場の闇の力をあり

のままに表現しようと試みた」

「赤と緑を使って人間の恐ろしい

情念を表現したかった。部屋は血

のような赤と暗い黄色、中央には

緑のビリヤード台。レモンイエロ

ーで描かれた４つのランプはオレ

ンジと緑に光を放つ。ほとんど相

容れない赤と緑ですべてが不調和

で対照的だ」

とゴッホは言う。

だが、このカフェはゴッホそのも

のだったのだ。

「復讐の為にこの店を描く時が

来た」ともゴッホは言う。

自虐だろう。

この先、どんどんゴッホの精神は

さらに病んで行く。

黄色い家。ここでゴーギャンとの

同棲生活が始まる。

TIPのR

私の好きなRはこれくらい。

このRの度合いは人による。

超光速

A long time ago.

まだ携帯電話どころかパソコンも

無い時代のある星での事。

ある時、自動二輪で移動する際、

目的地に到着が遅れそうになった。

電話はあった時代なので、公衆電話

から目的地の人に架電した。

「はいっ！はい！わかりました！

そのようにします！では」

と電話をかけた男は受話器を置い

た。

「何て言われたの？」と尋ねると

彼は言った。

「チョーコーソクで来い、との

ことだ。しかも、超高速ではなく

光のほうの超光速で来い、だって

さ」

言うほうも受け答えするほうも

おまいら宇宙人かよと思った。

ボリビアン・ローズウッド

あと10年後、20年後にはパーフェ

ローも規制になりそうな予感がす

る。

15年前にはナイフのハンドルやビリ

ヤードのキューでココボロがやたら

と使われていたが、そのうち規制に

なるかもなぁと思っていたら、やは

り2017年から取引規制対象になった。

先週、本職の建築関係者と話をして

いたら、「銘木はこの先全部ダメに

なるでしょうね」と言っていた。

銘木も含む全ての木材の利用先の

トップは建材なので、その動静は

リアルに見通せるのだろう。

ブラジリアン、ホンジュラス等が

使えなくなり、ローズウッドの代

用としてギターの指板には今は

ローズウッドではないパーフェロ

ー(ボリビアン・ロードウッド)が

多いが、多分、他のトーンウッド

と同じ運命になると思われる。

日本刀とビリヤードキュー

日本刀は野菜等を切る為の刃物＝

包丁ではない。

「人斬り包丁」と二言目に口に

したのは素浪人月影兵庫だった

が、料理用刃物と戦闘武器の刀

は刀身断面、形状、刃先の状態

がまるで異なる。

基本的に日本刀は裂創＝斬(切)創

ではなく、その構造から割創を

以て骨肉を断つ。断つからタチ

という名が生まれた。

そもそも刃物は、切るあるいは

斬る物によって構造や形状、刃の

状態が異なる。

手術のメスで皮膚や血管は切れて

も首を刎ねたり腕を切断するのは

無理だ。

そして、料理用の刃物である包丁

は、その切る物によって様々な

形状と刃先の造り込みがある。

日本刀とは本質的に異なる。

日本刀で野菜等の繊維を潰さずに

切断するには、それなりの研ぎを

加える必要がある。

基本的に内曇をうんと引いて、

鑑賞研ぎに近い状態にまで仕上げ

ないと、野菜の繊維を包丁のよう

には切断できない。

日本刀の鑑賞研ぎ。

日本刀が戦闘武器たる刃物であり、

料理包丁と構造や断面や刃付けが

異なるのであるならば、ビリヤー

ドのキューはどうか。

キューはキュー先のみがボールを

撞く。

そのキュー先にはタップ(英語では

ティップ)が着いている。

その材質により、目的が異なる。

刃物と全く同じだ。

ブレイクやジャンプ用には樹脂の

硬いタップが使われる。

一般的なプレーでは、フランス人

が発明した革のタップが着けられ

ている。

その革の種類、構造、硬度、粘度

によっても撞いた時の手玉の動き

が全て異なる。

まさに刃物の被切物ごとに刃先の

刃付けを変えるのと同じだ。

そして、さらに、タップの形状は

プレーヤー本人が自分の好みに

合わせて削って整形する。

真っ平らだとスピンのヒネリ＝

イングリッシュが使えないので

先を丸める。これは二輪車のタイ

ヤと同じ原理。四輪車とは異なる。

斜めに傾けて球体と接触するため、

手玉の撞点とタップとの接触面積

を広く取る目的でタップの先を

丸くする。

この丸め方の扁平率も現象は異な

るがバイクのタイヤのようにいろ

んなRがある。

Rを深く取るようにタップを成形

するとヒネリがよく乗る。しかし、

撞点がシビアになる。感応が敏感

なので、撞いた通りに手玉が反応

するからだ。

かといって、平らに近いと真っ直ぐ

撞きにしか使えない。ドローや

フォローさえも利きが悪くなる。

ビリヤード業界の専門用語で、

「キューの切れ」というものがあ

るが、それはキューが良く利いて、

オーバーアクションではなく押し玉

や引き玉、スピンイングリッシュ

をスマートに乗せて行く撞き方の

事で、トン撞き転がしとは対極に

あるキューの使い方の事。

キュー切れは、撞球者の腕で出す

場合とキューそのものの如何で

出る場合と、両者の合体の場合の

三通りがある。

押し引きヒネリが楽なキューは

「玉離れが早い」という専門表現

もある。それは物理的な接触時間

が短い事を指すのではなく、キュ

ー先で手玉をビュンと突き放すよ

うな感覚のキューの事を言う。

そうした感触のキューは、よく

切れる。

タップは使用者本人が自分に合わ

せて形を作る。

また、日本刀の手入れや寝刃合わ

せと同じく、使用者が自分で自分

のやり方や目的に合わせて仕上げ

るのは、これはもう大前提の常識

だ。

タップの交換は、撞球者は自分で

やるのが当たり前だ。

最初は不慣れでもよい。出来る人

に作業をお願いして、それを見取

り稽古して自分でやり始めるのが

いいだろう。ネット情報などから

ではなかなか要諦や勘所が把握し

にくい。

しかし、やる事を実行しないと、

絶対に上達はしない。

自分の差料の手入れは自分でやる

べし。

撞球人のキューは武士の刀と同じ

だ、と言ったのは、「神様」レイ

モンド・クールマンスを破って

史上初の日本人世界チャンピオン

になったスリークッションの故

小林伸明氏だった。

然り、と感ずる。