「ユー・アー・ラブ You Are Love
~復活の日テーマ~」ジャニス・イアン
原作:小松左京(1964)
映画:角川/TBS/東映(1980)
監督:深作欣二
主題曲:You Are Love(ジャニス・
イアン/1980.5日本コロンビア)
絶望的な小松左京の近未来が舞台
の小説を角川春樹が映画化した。
1980年、この作品を観た時はかな
り衝撃的だった。
映画では1982年の近未来が物語の
時代となっていた。
映画公開当時の1980年時点では、
米ソ冷戦体制は60年代末期~70年
代末期までの米ソデタント状態が
一時的に崩壊して緊張状態にあった。
それは1979年のソ連によるアフガン
侵攻によってもたらされた。
米国は反ソ・イスラム組織のビン
ラディンらに対して武器と非合法
非公然武装兵站を送る事で支援し、
アフガンゲリラにテコ入れして
武装テロリストを育成した。
(のちの2001年、米国は中東産油国
への覇権強化のため戦争が必要と
なり、9.11自作自演テロを捏造。
すべてのテロ行為の前にビンラディ
ンの家族は米国国家が保護して
国外脱出させている)
1980年。
地球は四つに割れていた。
第一・・・資本主義先進国国家群
第二・・・「共産主義」国家群
第三・・・後進国=発展途上国
第四・・・イスラム教圏
このうち、第四世界のみは経済体制
よりも宗教体制による区分だが、
これが1980年から20年後には、ソ連
崩壊により世界の二大対立関係が
消滅してからは、新たなる敵作り
として「イスラム圏vs資本主義国家
群」という図式が引かれた。
そして多くの米国主導の軍事介入が
行なわれ、ビンラディンとカダフィ
を殺害した。
だが、2021年、タリバンの政権が
復活してアフガニスタン全土を掌握
した。
英米豪とNATOおよびISISと敵対する
タリバンが正式にアフガニスタンの
国家統治主体となった。
1980年代は、そうしたイスラム圏
との複雑な国際紛争はあまり予想
されてはいなかった。
米国が反ソ勢力であるムスリム戦士
たちに武器や資金を供与していた
程だった。
のちに尻尾切りで反ソ勢力の旧ムス
リム戦士たちを9.11の犯人にでっち
上げて殲滅作戦を米国家は展開。
ありもしない「大量破壊兵器」と
米軍武力以外を「テロリスト」と
レッテル貼りをする国際権力構築
とオイルマネーが主目的の戦争だっ
た。これは湾岸戦争から始まる。
米国国家は約15年おき位で戦争を
実行しないと国家が成り立たない
国のシステムであり、1975年の
ベトナム戦争からちょうど15年
経過の時期に予定通りに湾岸戦争
を創作した。
そして、米国は9.11を自作自演で
創作して国際世論で「世界の憲兵」
を再度印象付け、国際的覇権と
オイルマネーのために中東に侵攻
した。
21世紀初頭は旧西側諸国による
国際的な「反テロリスト」思想
の洗脳時期だった。
中身は米英主体の軍事勢力に
対抗する勢力は全部テロリスト
とするものだ。
(2021年現在は米国主導の軍事
的タカ路線の側面よりも、地球
環境保護を名目にした新戦略
で世界の支配者は地球上の覇権を
牛耳ろうとしている。それがエコ
キャンペーンと脱炭素洗脳作戦だ)
この映画『復活の日』は「世界の
国家群がすべて滅びた」瞬間から
の物語だ。
地球上のすべての国家が消滅し、
残された人類はごくわずか。
そして、女性はほんの数える程だ。
一夫一妻制では人類は死滅してし
まう。
南極に残った少数の地球上の人類
は、人類生存のために一人の女性と
幾千という男性の生殖行為を制度と
して実行する体制を作らざるを得な
かった。
人類に未来はあるのか。
そういう物語。
もう、絶望しかない。
そういう作品だ。
もし地球上に人類は男だけしかいなく
なったら。
あるいは女性だけだったら?
人類の生存は困難だろう。
何が愛なのか。
愛とはなんなのか。
ジャニス・イアンの曲が哀しく響く。
(読者の方から記述の齟齬のご指摘を
いただきましたので、一部訂正しま
した)
ミラーマン 1971
Pilot Film HDTV 1080p
1971年円谷プロ作品「ミラーマン」
の貴重なパイロットフィルム。
配役は本編ではがらりと変更となり、
柴俊夫はライバル番組「シルバー
仮面」の主人公役を演じる事に
なった。
このパイロットフィルムの配役で
本編が作られる事はなかった。
いわば、これはお蔵入りの映像。
本編のミラーマンは1971年12月から
毎週日曜19時-19時半のゴールデン
タイムにフジテレビ(8チャンネル)
で放送された。
この時間帯はテレビ局各局が鎬を
削る視聴率合戦の時間帯で、TBS
(6チャンネル)では「シルバー
仮面」が放送されていた。
毎週土曜日の19:30~20:00は
NET(10チャンネル)でのちに超
お化け番組となる「仮面ライダー」
(1971年4月~1973年10月)が
放送されていた。
首都圏のテレビ放送局は、
1ch NHK(日本放送協会)
3ch NHK教育放送
4ch NTV(日本テレビ)
6ch TBS(東京放送)
8ch フジテレビ
10ch NET(テレビ朝日)
12ch 東京12チャンネル
の7局だった。
NHK以外はすべて民放になる。
調べてみると、日テレは日本初の
テレビ局で設立は国営公共放送の
NHKより早い。米国のてこ入れで
正力松太郎が創設した。
TBSは東京ブロードキャスティング
システムの略で日本で二番目の
TV放送局だ。
フジテレビはフジ産経新聞社系。
テレ朝は東映、日本経済新聞→
朝日新聞系。
東京12チャンネルは日本科学技術
新興財団系で、米軍のレーダー
周波数を受け継いだ。
首都圏では、高度経済成長期には
子どもたちは主として民放5局の
番組に見入っていた。
子どもがNHKを見るのは、相撲
中継くらいだったか。
そして1971年前後のテレビ番組は
変身物特撮ヒーロードラマが百花
繚乱の時代だった。
その中でも特筆的に石ノ森章太郎
原作の「仮面ライダー」が超絶
大爆発ヒットとなった(1971~)。
当時の多くいた変身ヒーロー物では
仮面ライダーのみが50年後の現在
でも作品として後継策が継続製作
されている。
これ、ギネス記録になるので
は(笑
本「ミラーマン」の予告編のみであ
るパイロット版では、ヒロイン役
に16才の南沙織が出ている。
可憐な高校生役だ。
1971年。沖縄返還前。今から50年
前の映像だ。
本土に復帰する前の1971年春に
南沙織は沖縄から本土に母と共
に来ていた。
当時沖縄は米軍占領下であり、
道路は右側通行でドルが通貨。
当然、日本本土から自由に往来
などはできなかった。
1971年時点では沖縄全体が実質的
な米国領となっていたのだ。
高校生の南沙織がかわいい。
7月生まれだから、この71年放送
前のパイロット版製作のこの映像
の時点ではまだ16才の筈だ。
もしかすると、映像の樹木の様子
からして12月放送に向けた夏過ぎ
の撮影かもしれない。
そうなると彼女は17才の高校2年
になる。
その後彼女は上智大学を卒業する。
歌手としては1970年代初期に不動
のポジションを築いた人だった。
多くの男性ミュージシャンたちが
彼女シンシア(本名のクリスチャン
ネーム)に憧れた。
吉田拓郎もかまやつもその他多く
が。
それだけ彼女は人としても魅力的
だった。
媚びない、ぶらない、だけど清潔
な心根を覗かせて自然体で生きる。
当時はそういうタイプの芸能人は
いなかった。ほぼすべてが打算
計算ずくで商業音楽をやっていた。
日本国内に新しい涼やかな風を吹か
せたそういう彼女に多くの人が惹か
れた。
その後の多くの沖縄出身の芸能人の
さきがけが彼女だった。
南沙織、歌がとてもいい。
うたい方、世界観の表現が。
私にとっては、南沙織は一つの
絶対的不可侵領域。
この曲はジャニス・イアンがシン
シアに書いた曲。それに松本隆が
日本語の歌詞をつけてシンシア
自身が手を加えた。ジャニスも
シンシアの歌い方を称賛していた。
南沙織 - 哀しい妖精 - 1976
留め女の客引きが旅人の袖を引いて