今日のうた

思いつくままに書いています

前川喜平さん (1)

2018-05-09 09:25:29 | ②一市民運動
前川喜平さんの講演「憲法と教育 教育が憲法の理想を実現する」を聴きにゆく。
前川さんはテレビで観るとおりの、シャイでキュートな方でした。
休憩もなく2時間20分話されて、あっという間に時間が過ぎていました。
これまで点だった私の知識が線になったところもあり、とても勉強になりました。
復習をかねて、知らなかったことや心に残ったことを書きます。
理解が不十分な点はお許しください。

(1)銚子市が財政赤字に陥り市立病院の経営が大変であることは、
   同じ千葉県人として知っていました。
   そして銚子市に加計学園系列の『千葉科学大学』があることも知っていました。
   だがこの大学がこれほど市政を圧迫していることは知りませんでした。
   自分で調べると大変なことになっていました。
   なぜこのことはあまり話題にならないのでしょうか。
   今治市は大丈夫なのでしょうか。次の記事は今治市民必読だと思います。

①「千葉県銚子市、加計学園のために払った補助金のせいで『第2の夕張』級の借金地獄に
  2017年6月16日 BUZZAP」

https://buzzap.jp/news/20170616-choshi-kake/

※記事の一部を引用します。

「野平(匡邦)氏は加計学園の本拠地である岡山県の副知事から加計学園の運営する
 岡山理科大学で客員教授という地位に就き(公式サイトによると現在も客員教授)、
 同じ加計学園の千葉科学大学の誘致という大きなお土産を携えて
 銚子市長となったということになります。

 もちろん誘致に当たって大学誘致の経済効果は69億円、財政効果79億円とされましたが、
 2014年に市が試算した経済効果は約21億円、財政効果は約14億円にとどまっています。

 そんな中で千葉科学大への補助金支払いのための借金の利子を含めた返済額は
 84億円にも上っています。
 毎年約4億円を返してきましたが、14年度末で約44億円もが借金として
 市の財政を圧迫しています」 (引用ここまで)

①-2「加計系列の千葉科学大学の入学者が激減 萩生田光一氏が名誉客員教授を務めたことも
   5月12日 日刊ゲンダイ」

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-027340/
 
(2)次にに前川さんは、これまで名前しか知らない石橋湛山の名前を挙げた。そして
   政治が教育を支配する
   政治がメディアを支配する
   頭の中が支配される
   権力に追随
   マインドコントロール
   戦前1930年代、40年代は国全体がカルト化していた……とメモしてある。
   調べると次のような方のようだ。

②「もし石橋湛山が首相を長く続けていたならば 日経新聞の名物記者が湛山を振り返る
  2017年11月15日 東洋経済 ONLINE」
 
https://toyokeizai.net/articles/-/196553?page=3

(3)次にワイマール憲法とヒトラーの話に移った。
   ワイマール憲法はもともと民主的なものだった。
   その憲法のもとで民主的に選ばれたのがヒトラーだ。
   民主主義が独裁制を生んだのだ。
   ではなぜそうなったのか、「全権委任」という項目を加えたことによる。
   たとえば独裁政治が行われても、これまで独裁政治を経験していないと
   (人民は)それが独裁政治だということに気づかない。

前川さんのお話を聴きながら、自民党が憲法に入れようとしている
「緊急事態条項」は危ないと思った。
たとえそれが緊急事態であっても(緊急事態だと誰が決める?)、「全権委任」が独裁者への
道を切り開きかねないと思った。

(4)次に憲法26条に移った。
カッコ内は、前川さんが改めた方がよいと指摘された通りに書きました。

日本国憲法では
「第二十六条 すべて国民(の人は=国籍に関わらず)は、法律の定めるところにより、
 その能力(個性)に応じて、ひとしく(ともに)教育を受ける権利を有する。
 ② すべて国民は、法律の定めるところにより、
 その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。
 義務教育は、これを無償とする」

自民党の日本国憲法改正草案では
「(教育に関する権利及び義務等)
 第二十六条 全て国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、
 等しく教育を受ける権利を有する。
 2 全て国民は、法律の定めるところにより、
 その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、無償とする。
 3 国は、教育が国の未来を切り拓ひらく上で欠くことのできないものであることに鑑み、
 教育環境の整備に努めなければならない」

※3の赤字の部分の「教育が国の未来を切り拓くに鑑み」というのは、
 役にたつ人にはお金を使い、役に立たない人には使わない、といった意味にもとれるので
 削除した方がよい。

 教育を受けさせる義務をなくし、親の強制力ではなく国が義務を負い、
 子どもたちが教育を受ける権利としたい。
 また、国が余計なことを教えることを拒否する権利を、国民は有する。
 学習権は自由権である。

現在、4万人が不登校で、4千人が無登校(学校に行ったことがない)いるが、
夜間中学は31校にすぎない。
学ぶことによって、人間は人間になる。
学ばなければ、ふさわしい大人になれない。
尊厳ある個人になるためにも、誰もが学ぶ場が必要だ。 2につづく


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前川喜平さん (2)

2018-05-09 09:24:32 | ②一市民運動
(5)昭和22年位制定された教育基本法の前文はすばらしい、と前川さんが語っている。
   そして憲法の実現は教育の力による。
        ↓
http://www.houko.com/00/01/S22/025.HTM

ところが2006年第一次安倍政権が教育基本法を改正してしまった。
ブックマークにも入れましたので、是非読み比べてください。
「改正前後の教育基本法の比較」
       ↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/06121913/002.pdf

教育はすばらしい、が怖い。 納得です!
また前川さんは学ぶことの重要性を、次のように話されていました。

学ぶことによって人権は実現する。
平和を実現するために学習する。
知らないことが一番悪い。
無知が戦争を引き起こす。
学ぶことなしに平和はない。
学ばない国民は平和を失う。
学ばない国民は人権を失う。
学ばない国民は民主主義を失う。

無知な国民ほど、為政者にとって都合にいいものはありません。

(6)森友学園問題で、教育勅語が話題になった。
 当時の事をメモを頼りに思い出すと
 天皇は神の子孫であり、憲法を超越している。
 家族は一つの国家。家父長に忠と考を強いる。
 教育勅語は国体の本義。
 個人主義を嫌う。

私は不勉強で当時のことはよく解からないが、戦後、国として何の反省もなく来て
しまったことが、今になっていろいろな弊害を引き起こしているのではないだろうか。
今の日本に欠けているものは、個と地球の欠如だという。
それぞれが個を大切にし、地球規模で考えたら、もっと日本はよくなるだろう。

(7)最後に、道徳の教科が義務教育に取り入れられる話をされました。

その一例として
野球で1・2塁に走者がいます。
バッターに監督はバントを指示しました。
ところが打ってちょうだいとばかりの球がきて、自分はこの日絶好調だったこともあり
バッターは自分の判断でヒッティングに転じた。
その結果2塁打で、チームは点を取ることができた。
ところが、試合の後で監督に呼び出されて叱責されて、「次の試合は出てはならない」と
言われたそうです。
問題その①
先生の指図に絶対に逆らってはいけないのか。
問題その②
自分の考えよりも目上の人の考えが優先するのか。
問題その③
指図に従わないと罰が与えられるのか。

道徳の教科書に書いてあることが全て正しいのではなく、それぞれが議論する場に
活かして欲しい、と前川さんは言っていた。

国民は国に従い、家族は家父長に従う。
個人の尊厳よりも国家が優先。
こんなことにならないように道徳の教科書がきたら、
お子さん、お孫さん、ひ孫さんとよく話し合ってとのことでした。
私なりの判断をしたところや、聞き違いがあったらお許しください。


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