今日のうた

思いつくままに書いています

ドキュメント"武器輸出" 防衛装備移転の現場から

2014-10-08 05:58:01 | ②一市民運動
NHKスペシャル「ドキュメント"武器輸出" 防衛装備移転の現場から」の録画を
観ていたが、怒りに体が震え、10分足らずで観るのを止めた。

「武器輸出三原則」により、日本は40年にわたり武器の輸出を実質的に禁止してきた。
それが今年4月、「防衛装備移転三原則」が閣議決定されたことで、歯止めが掛からなくなる。
多くの人の知恵や勇気が守り抜いてきたものを、一政権の閣議決定で武器外交へと舵を切る。
こんなことが許されていいのだろうか。
日本が変わりゆく様を直視しなければと、残りを観る。

新三原則の決定で、これまで例外とされてきた防衛装備品の輸出や、各国との共同開発が
一定の条件のもとで認められることになる。
今年6月、パリ近郊で、武器や警察向けの装備を集めた世界最大規模の国際武器見本市
(ユーロサトリ2014)が開催され、日本は戦後初めて専用展示ブースを設ける。

防衛省装備政策課・堀地徹課長が、ブースや人の間を笑顔を振りまきながら回り、
日本の防衛装備を世界にアピールしてゆく。
イスラエルの無人機「ヘロン」に関心を持ち、フランスとは長時間にわたって交渉する。
フランスの軍事企業ECA社の社員が「今、日本企業とお見合い中だ」という親密ぶりだ。
次の言葉から、堀地課長の高揚感が伝わってくる。

「国でやっぱりPRしているということは、フラッグのもとで士気も上がるし、
団結もあると思う。これをチャンスと捉えて・・・」

また、他の国は武器を実際に使用することで(アフガニスタン、レバノン、コソボなど)
改良を加えてきたが、今までの日本はそれが出来なかった。そのことを彼は

「(日本の装備は)残念ながら、幸いなのかもしれないけど、日本はそういう
 経験はないので・・」

普通、「残念ながら」と「幸いなのかもしれない」は、相反する言葉だ。
「私にとっては残念ながら」だが、「これまでの日本にとっては幸いなのかもしれないけど」
の意味として、私は理解した。

これは私の憶測かもしれないが、安倍首相といい、堀地徹課長といい、「まさに自分たちが今、
日本の歴史を変えている」という高揚感の中にあるのではないかと思った。

日本がアメリカに事前同意を求めることなく、日本の部品がパトリオットミサイルに
組み込まれてゆく。それがどこで使われるのかを追跡することはできないのか。

元アメリカ国防省日本部長のケビン・メアの言葉が興味深かった。

「平和ボケだった日本が、やっと現実的に考えられるようになった。
 アメリカに部品を供給すれば、どこに輸出されるのかを追跡する術はない。
 アメリカはそれ(追跡)を決して認めないでしょう」

これで、アメリカと日本が対等に話し合える関係といえるのだろうか。
集団的自衛権についてもいったん認めてしまえば、日本はアメリカと対等に
交渉できるのだろうか。

2015年の夏には、各国と防衛装備の強化を計るために、職員1800人規模の「防衛装備庁」が
新設されるという。ますます武器外交は加速してゆくだろう。

最後に、東京大学名誉教授、秋葉鐐二郎氏の言葉
「こりごりしている 戦争なんか ろくなことはない
 あれでいい思いをした人がいたら おかしいんだよ
(戦争は)尾をひくべきなんだよ 忘れちゃいけないことなんだよ」

通産省航空機武器課長(当時)、畠山襄氏の言葉
「武器輸出三原則があったから断れたけど、あれがなかったら続出する可能性に耐えられたか
 どうか。もしそれがなくて、武器外交というものを十分に展開できることになると
 その時に断れるのか。断れないんじゃないか。
 際限なくいくんじゃないか そういう恐れを感じていましたね。
 戦争が起きて武器が売れるといいなと思うような そういう産業界の人をつくりたくない」

 
再放送が10月9日(木)午前0:40~1:29にあります。(今日8日の深夜です)
是非、ご覧ください。

「ユーロサトリ2014」の写真を、毎日新聞が提供しています。
ブックマークに入れましたので、こちらもご覧ください。
          ↓
http://mainichi.jp/graph/2014/06/17/20140617k0000m030067000c/001.html

追記1
NHKスペシャル「ドキュメント"武器輸出" 防衛装備移転の現場から」の録画を
ブックマーク(ブログ一番右下)に入れましたので、ご覧ください。
(2014年10月13日 記)

●この動画は削除されてしまいました。
(2015年4月24日 記)

追記2
東京新聞12月17日朝刊より
防衛省が、武器を輸出する日本企業向けの資金援助制度の創設を検討していることが分かった。
国の資金で設立した特殊法人などを通して、低利で融資できるようにする。
また輸出した武器を相手国が使いこなせるよう訓練や修繕・管理を支援する制度なども整える。
武器輸出を原則容認する防衛装備移転三原則の決定を受け、国としての輸出促進策を整備する。

国民の全くあずかり知らぬところで、軍需産業がどんどん肥大化していく。
こんなことが一政権の下に行われていいのだろうか?
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自国の原発事故の収束のめどが全く立たない中、原発を輸出し、日本が永年にわたり守ってきた
「武器輸出三原則」を破棄して武器を輸出する。
これが安倍首相の描く【美しい国】なのだろうか。
民主主義の終焉には、独裁政治が待っている。

独裁政治とは・・・強大な権力をもつ単独者・少数支配者・支配的党派が、
集中化された権力機構を通して大衆を操作・動員しつつ行う専断的政治。
一般に法治国家と政治的自由を否定する。(広辞苑より)

ブックマークに東京新聞の記事「国が企業向け促進策検討 武器輸出に資金援助」を
入れましたので、是非、ご覧ください。
(2014年12月21日 記)
東京新聞の記事は削除されました。(2015年1月31日 記)

追記3・4は、2015年6月14日のブログ「ドキュメント"武器輸出" 
防衛装備移転の現場から追記3~5」に移動しました。


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