(5)1978年、「戦争責任を問われた人を祀るのは靖国神社存立の趣旨に
反する」とそれまでは合祀されることのなかったA級戦犯が、
松平永芳という宮司によって合祀されました。しかも、彼は合祀したこと自体を
伏せていて、それを明らかにしたのは、共同通信のスクープでした。
その後、昭和天皇は靖国神社にまったく行かなくなりました。
靖国はもともと明治天皇の思し召しで建立された神社(現在は一宗教法人)である
にもかかわらず、そうした行動をとったというところに、
私は昭和天皇の意志の強さを感じます。
戦争というものは、政治の失敗によって起こるのですから、私たちはそうならないよう
政治を見守っていく必要があります。これは、肝に銘じなければいけません。
太平洋戦争のときの戦時下日本の機構は、軍事の下に政治があるという、
とんでもないものでした。政治家は情報も知らされていないし、作戦について
意見を言おうものならば「統帥権干犯だ」と抑えつけられる。
軍人たちがすべてを決めていて、国会など、あってなきがごとしの状態でした。
だから、軍人のメンツのために、戦争は三年八か月も続いてしまったのです。
(保阪正康)
A級戦犯で処刑された人は7名。B級・C級戦犯で処刑された人は約1000名。
殺すように命じた上官は死刑にならず、命令に逆らえなかった人たちが処刑されたという。
(8月17日放送、テレビ東京「池上彰の戦争を考えるSP 第5弾」より)
(6)だから金融を緩和してくれという要求が、経済界を中心に政権に対して
常に加えられるようになります。そうすると、財政赤字を出して、国債を買って、
お金をどんどん供給して、お金をだぶつかせる。株や不動産の価格が上がれば、
内閣支持率を保つことができます。
財界も、お年寄りの無責任なサラリーマン経営者のお集まりみたいになって、どんどん
金融緩和で株価を上げてくれ、円安を誘導してくれと要求するようになります。
それで本業での技術開発投資などの地道な努力を忘れてしまう。
バブルの崩壊後も、ほとんどの銀行が無理な融資をし、会計粉飾をしていたのに、
誰も責任をとらない。原発が事故を起こしても、誰も責任をとらない。
かって丸山眞男が「無責任の体系」と言いましたが、そのとおりになっているのです。
外国人投資家の比重は高くなっているから、今、外国人投資家が売り抜けば、
日本の株はまた暴落する。政権の人達はよく「外国人投資家を呼び込む」という
言い方をするでしょう。アメリカを中心とした投機家を含めた投資家のマネーを
呼び込むためには、アメリカに受けるような政策をとらざるをえない。
そういう意味では安倍さんと小泉さんというのは相似形です。
その背後にあるのは、内閣支持率を上げるには株高にしなければならない、
株高にするには、アメリカの言うことを聞いてないと、アメリカの投資家が
来てくれませんよという、暗黙の「合意」です。アメリカの言うとおりにやらないと、
この国は変わらないという、新自由主義のイデオロギーから離れられなくなる。
しかし、結果として見ると、小泉時代には多くの日本製品が
国際競争力を失っていきました。その事実について総括をしていません。
電力の発送電分離がなぜ必要かというと、送配電網は基本的に共有だという
考え方からです。そうしないと、地域で自由な再生可能エネルギーを
つくり出すことができません。誰もがその送配電網を使っていいとなれば、
自分で投資をして発電し、それを送配電網に乗せることができます。
送配電網を開放しないで、どこかが独占していたら、新しい再生可能エネルギーの
動きは起きにくくなってしまいま (金子勝)
(7)ネットは関心のない情報は素通りされるメディアですから、
そこでは公共性のある情報にまったく触れない場合も出てきます。そうすると、
ネットをメディアの中心と考えている人たちが持っている偏りが現れます。
(一色清)
最近のネットには、政府に批判的な人やメディアに対する誹謗中傷は凄まじいものがある。
なぜ反対なのか、その内容に切りこむのではなく、人やメディアそのものを貶めるやり方は
フェアではないと思う。また、それを読んだ人がそのまま信じてしまう怖さが、
ネットにはある。
(敬称略)
追記1
2014年11月9日の金子勝さんのブログ「再び格差が進行する」に、
現在の日本の現状がどのようにしてもたらされて来たのか、
安倍政権ではそれがどのように変化していったか、
これからの日本はどう進んでいったらよいのか、
系統だてて解りやすく書かれています。
私のブログの一番右下にあるブックマークに入れましたので、是非、お読みください。
(2014年11月12日 記)
反する」とそれまでは合祀されることのなかったA級戦犯が、
松平永芳という宮司によって合祀されました。しかも、彼は合祀したこと自体を
伏せていて、それを明らかにしたのは、共同通信のスクープでした。
その後、昭和天皇は靖国神社にまったく行かなくなりました。
靖国はもともと明治天皇の思し召しで建立された神社(現在は一宗教法人)である
にもかかわらず、そうした行動をとったというところに、
私は昭和天皇の意志の強さを感じます。
戦争というものは、政治の失敗によって起こるのですから、私たちはそうならないよう
政治を見守っていく必要があります。これは、肝に銘じなければいけません。
太平洋戦争のときの戦時下日本の機構は、軍事の下に政治があるという、
とんでもないものでした。政治家は情報も知らされていないし、作戦について
意見を言おうものならば「統帥権干犯だ」と抑えつけられる。
軍人たちがすべてを決めていて、国会など、あってなきがごとしの状態でした。
だから、軍人のメンツのために、戦争は三年八か月も続いてしまったのです。
(保阪正康)
A級戦犯で処刑された人は7名。B級・C級戦犯で処刑された人は約1000名。
殺すように命じた上官は死刑にならず、命令に逆らえなかった人たちが処刑されたという。
(8月17日放送、テレビ東京「池上彰の戦争を考えるSP 第5弾」より)
(6)だから金融を緩和してくれという要求が、経済界を中心に政権に対して
常に加えられるようになります。そうすると、財政赤字を出して、国債を買って、
お金をどんどん供給して、お金をだぶつかせる。株や不動産の価格が上がれば、
内閣支持率を保つことができます。
財界も、お年寄りの無責任なサラリーマン経営者のお集まりみたいになって、どんどん
金融緩和で株価を上げてくれ、円安を誘導してくれと要求するようになります。
それで本業での技術開発投資などの地道な努力を忘れてしまう。
バブルの崩壊後も、ほとんどの銀行が無理な融資をし、会計粉飾をしていたのに、
誰も責任をとらない。原発が事故を起こしても、誰も責任をとらない。
かって丸山眞男が「無責任の体系」と言いましたが、そのとおりになっているのです。
外国人投資家の比重は高くなっているから、今、外国人投資家が売り抜けば、
日本の株はまた暴落する。政権の人達はよく「外国人投資家を呼び込む」という
言い方をするでしょう。アメリカを中心とした投機家を含めた投資家のマネーを
呼び込むためには、アメリカに受けるような政策をとらざるをえない。
そういう意味では安倍さんと小泉さんというのは相似形です。
その背後にあるのは、内閣支持率を上げるには株高にしなければならない、
株高にするには、アメリカの言うことを聞いてないと、アメリカの投資家が
来てくれませんよという、暗黙の「合意」です。アメリカの言うとおりにやらないと、
この国は変わらないという、新自由主義のイデオロギーから離れられなくなる。
しかし、結果として見ると、小泉時代には多くの日本製品が
国際競争力を失っていきました。その事実について総括をしていません。
電力の発送電分離がなぜ必要かというと、送配電網は基本的に共有だという
考え方からです。そうしないと、地域で自由な再生可能エネルギーを
つくり出すことができません。誰もがその送配電網を使っていいとなれば、
自分で投資をして発電し、それを送配電網に乗せることができます。
送配電網を開放しないで、どこかが独占していたら、新しい再生可能エネルギーの
動きは起きにくくなってしまいま (金子勝)
(7)ネットは関心のない情報は素通りされるメディアですから、
そこでは公共性のある情報にまったく触れない場合も出てきます。そうすると、
ネットをメディアの中心と考えている人たちが持っている偏りが現れます。
(一色清)
最近のネットには、政府に批判的な人やメディアに対する誹謗中傷は凄まじいものがある。
なぜ反対なのか、その内容に切りこむのではなく、人やメディアそのものを貶めるやり方は
フェアではないと思う。また、それを読んだ人がそのまま信じてしまう怖さが、
ネットにはある。
(敬称略)
追記1
2014年11月9日の金子勝さんのブログ「再び格差が進行する」に、
現在の日本の現状がどのようにしてもたらされて来たのか、
安倍政権ではそれがどのように変化していったか、
これからの日本はどう進んでいったらよいのか、
系統だてて解りやすく書かれています。
私のブログの一番右下にあるブックマークに入れましたので、是非、お読みください。
(2014年11月12日 記)