身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

2013年5月、篠原池の自然観察会&ゴミ拾い

2013年06月05日 15時49分06秒 | 2-5.篠原池
2013年5月25日(土曜日)、毎月1回の「篠原池の自然観察会&ゴミ拾い」を
行ないました。

この日参加してくれたのは、ご家族1組と子供1人、主催者の私1人の合計5人。
初夏の緑とあたたかな晴天の中、気持ちよく楽しく活動することができました。

篠原池には、生物保護区となっている立ち入り禁止のエリアがあります。
立ち入り禁止でも、たまに入って、どんな生きものたちがいるか、これらの
生きものたちが生息できる環境になっているかということを確かめたり、
ゴミ拾いをする必要があります。
でないと、いつの間にか生きものたちの生息に適した環境でなくなって
しまっていたり、そのために昔から生息している生きものがいなくなって
しまっていることもあるからです。


●活動前からアオサギがいるのが見えました。

季節が進み、前回とはけっこうちがう感じの風景になっていました。
生物保護区の中に入ると、主催者の私は胴長という胸のところまである
オーバーオール型の長靴にはき変えます。そして池の中に入り、水の中の
生きものたちを採集しながら、ゴミも拾います。
参加者のみなさんは池底とつながった、ぬかるんだ岸から池の中に網を入れ、
同じように生きものを採集しながら、ゴミも拾います。
一方で魚介類を採集するためのトラップ(わな)もしかけ、お楽しみです。


●今回捕獲された魚介類や水生昆虫たち

今回はクチボソ(モツゴ)、アカトンボの仲間の幼虫、イトトンボの幼虫、
スジエビ、ヌマエビ、アメリカザリガニのほか、前回は確認できなかった
トウヨシノボリも採集できました。
前回確認したトンボの幼虫はアカトンボの仲間とシオカラトンボでしたから、
イトトンボの幼虫を合わせると、3種類のトンボの幼虫が確認できたことに
なります。


●捕獲されたイトトンボの幼虫

生物保護区内の地面では、カメが産卵しようとしているところを発見。
カメの産卵なんてなかなか見る機会がありませんから、珍しいところが見れた
なぁと私も含めてみんな喜びました。
しかし、このカメはアカミミガメ。特定外来生物に指定されているブラックバス
やブルーギルほどではありませんが、これらの魚類と同じように、もともと
日本に住んでいる小型魚介類を貪欲に食べてしまったり繁殖力も強いので、
要注意外来生物に指定されています。なのでちょっと問題かもしれません。


●カメの産卵(産卵直前)を見ることができたのは喜ばしいですが、
 要注意外来生物のアカミミガメのため問題かもしれません。

水辺に生えている草の茂みでは、アマガエルを5匹以上確認。キリギリスの
仲間や、ススキやガマなどの細長い葉を移動するのに適した体の形をしたクモ
の仲間も確認できました。


●草の茂みでアマガエルを5匹以上目撃。5匹のほかにも少し離れたところ
から鳴き声が聞かれました。また、ウシガエルも鳴いていました。


●草の茂みにキリギリスの仲間がいました。


●同じく草の茂みで、この(写真)ような細い葉を移動するのに適した体の
形をしたクモの仲間も確認しました。

篠原池ではこのように、緑の水辺という身近な自然の中で、いろいろな生き
ものたちと楽しくふれあうことができます。
このようにいろいろな生きものたちが生息しているのは、篠原池の中でも特に
生物保護区内のような水辺環境があるからなのです。


●生物保護区内の水辺環境

私たちは、こうして楽しく自然とふれあうばかりでなく、自然からいろいろな
恩恵を受けています。
ゴミ拾いはそういう自然へのささやかなお返しなのです。


●活動の様子


●ゴミ拾いは自然へのささやかなお返し
コメント
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