身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

菊名池の生きもの自然調査報告(後半)

2011年10月09日 08時05分31秒 | 1-1.菊名エコクラブの町なか自然教室
「菊名池公園の自然と生きもの展」終了後の課題として考えていた、菊名池の生きもの自然調査。
今回は池の水深とワナによる小型魚介類の捕獲を行ないました。

水深の調査結果は以下のとおりです。
今の菊名池には浅瀬がないことが明確になりました。
菊名池から絶滅または絶滅に近い状態となっている小魚、小エビ、植物が、再び生えてきたり数を増やしたりすることがなかなかできずにいるのは、このことが原因していると考えられます。



部分的に水深の浅めのヵ所もありますが、全体として池の淵からすぐに0.8m程度の水深になっているのです。
池には元々、いろいろな生きものたちが生息しているものです。そしてこれらの生きものたちはそれぞれ、いろいろな環境に生息します。
水深もその環境の一つ。菊名池元来のいろいろな生きものたちが菊名池に住み続けていけるようにするためには、水深の浅い場所、深い場所…と、いろいろな水深が必要です。

近年話題となっている生物多様性の保全。それはその土地元来のいろいろな生きものが生息し続けていくことができるように、いろいろな環境(生息環境)を回復させたり、維持していくことなのです。

生きものの調査に関してですが、次のような経緯があります。



2008年にハスが菊名池の全水面を優占して以来、菊名池に昔から生息している生きものたちは絶滅またはそれに近い状態となっていました。
それが今年2011年はバンが7年ぶりに子育てをしたり、今回調査(2011年9月27日調査)でトウヨシノボリが1匹のみ確認されたりなど少しずつは回復してはいます。
しかし、限界もあることは確か。
以前のような生息に適した環境ではないのに、なんとか適応し子孫を絶やさないようにしようとする野生生物の力強さに、私たちがどう応えるかだと思います。

菊名池の生きもの自然調査報告(前半)

2011年10月09日 07時17分09秒 | 2-4.菊名池
9月27日、菊名池の簡単な生きもの自然調査を行ないました。
これは「菊名池公園の自然と生きもの展」終了後の課題として考えていたことの一つです。

23日の活動の樹名板を付ける活動に参加の方々に、この調査の参加も呼びかけたのですが、なかなか人が集まりません。
当日9時からを予定していましたが、午後2時から行なうよう変更しました。
参加者は私のほか、菊名池の自然環境保全に強い関心を寄せる地域住民の古川さんと、港北土木事務所の職員の方となりました。

9時過ぎに一時撤退作業をしていると、小学校の児童たちが先生に連れられて自然観察を始めました。
私はサービス精神で、池の中の小魚や小エビを捕獲して見せることにしました。
公園内に生えている野草たちにも目を向けてもらえるよう、「ここにもこんなのがあるよ。」などと声をかけ、質問にも答えるようにしました。
興味を持って聞いてくれたので、調査の参加者に見せようと用意していた昔の菊名池の写真なども見せたところ、大変関心を持って見てくれました。
このように地域に残された貴重な自然にふれながら学ぶ自然体験学習は、子供たちの健全な育成のため、また大人が自然の素晴らしさや大切さを再認識するためにも、とても大切なことで、地域の自然を守っていく土台になもなります。

ところが、子供たちに話をしている私に向かって突然「子供たちの前で柵の中に入るのは良くないねぇ!」と文句をつけてきた通りがかりの人がいたのです。
私が「子供たちに池の生きものを説明するのに入っているんです。」と説明しても「許可は取ってるのか?!」などととしつこくからんできます。
「子供たちに授業の一環で生きものの説明をしてるので妨害になります。やめてください。」
「許可は港北土木事務所に取ってるので。」と言っても納得せず引き下がりません。
「港北土木事務所に電話してください!」と3度ほど強く言うと、ようやくあきらめたのか、去って行きました。

活動目的等を理解しようともせず、この人は一体どういう立場でこんなことをしてきたのでしょうか。
嫌がらせだと思います。子供たちもいるのに大変迷惑しました。
この人も会社や家庭で何かあってイライラしていたのかも知れませんが、八つ当たり的な行為は他人に迷惑をかけずにやってほしいと思います。
子供たちには、「自然のことを勉強するためにみんなでやっているので、いいのです。酔っ払いみたいだね。」とアフターフォローしておきました。

菊名池には時折こうした人もいるようです。
菊名池公園の自然や生きものたちとふれあう活動が安全に楽しくできるよう、管理行政や地域との間などで協力体制をつくることも必要だと思います。