身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

嬉しいニュース 2/2 ~小川のビオトープ復元計画に許可!~

2007年05月10日 10時47分52秒 | 1-1.菊名エコクラブの町なか自然教室
 
 嬉しいニュース1/2からの続きです。


 篠原園地には湧き水があります。
 ですが、その水はU字側溝に流されているだけで、水辺の生きものが住めるような環境にはなっていません。
 そこで側溝の脇の陸地にバイパスをつくり、そこに小川と池のビオトープを作ることを提案し、篠原園地の事務所の方と話し合っていました。

 昨日、大変嬉しいニュースが電話で飛び込んで来ました。
 その提案について、公園管理事務所の本部から許可が取れたというのです。
 他の場所での活動を含めると、色々つらい思いも経験しましたが、
 今まで活動してきて、本当に良かったと思う出来事です。


 今年の秋には、また一つビオトープ広場が増えることになるでしょう。
 小さな小川のビオトープです。
 そこには、流れのある水辺に生息するトンボがやってきて生息してくれることでしょう。
 できればホタルも横浜市内から移入して、定着させたいと考えています。
 篠原園地は元々は谷戸の自然ですから、今残されている環境の中で谷戸の環境を復元することには大きな意義があるのです。

嬉しいニュース 1/2 ~これまでの経緯~

2007年05月10日 10時34分46秒 | 1-1.菊名エコクラブの町なか自然教室


 私たちの身の回りからは、どんどん自然が失われていっています。
 温暖化対策、ゴミ対策、緑化活動・・・と、環境対策は確かに講じられているかもしれません。
 しかし私たちの身の回りから昔ながらの自然、つまり昔からそこに住み着いている野草や昆虫や小動物、そしてその生息環境が次々と失われていっているというのに、何もと言っていいほど対策が取られていないのです。

 そこで、篠原園地を拠点に菊名エコクラブの活動をはじめました。
 私は、篠原園地管理事務所の方と協議を重ねながら、地域の自然を次世代へと残していくための活動を進めてきました。
 最初は年に1度、野外プールでの「ヤゴ救出」を行なうだけでしたが、徐々に活動の内容と頻度を増やしてきました。
 現在では月に1度の自然教室と作業日とを定例活動としています。



2007年5月・・・ギンヤンマ羽化

2007年05月10日 06時59分01秒 | 4.生きもの・風景掲示板
篠原園地にあるビオトープ池は、2005年11月に篠原園地管理事務所の後援により、「菊名エコクラブ」主催で、一般参加者を募って作られました。
それから1年半経った2007年5月、この小さな池から7匹のギンヤンマが旅立ちました。
5月8日の日曜日、池に植えられた水生植物の葉に、抜け殻がついているのを確認したのです。

篠原園地には子供用の野外プールがあり、そこにもヤゴが住み着いています。
このプールでは「ヤゴ救出」を恒例行事として行なっていますが、
こちらでギンヤンマのヤゴや抜け殻が見つかることは、大変まれなのです。
ビオトープ池と野外プールとでは、同じ水辺であっても、
それだけ環境が異なるということなのでしょう。

このビオトープ池は、あまり自然と親しんだことなのない人たちから見たら、
ただの汚らしい水溜りというだけかもしれません。
しかし小さな水溜りが一つあるだけで、
色々な生きものたちの拠り所となるのです。
元々は昔から私たちの身の回りにいて、子供たちも親しんでいた小さな生きものたち。
私たち人間によって、どんどん自然が壊されていっている中、
こうした生きものたちにとっては、大切な場所となります。

そりゃぁ、園芸店で売られているお花だけで作られて、
ダンゴムシなどが寄り付かないようにした花壇(ガーデニング)と比べたら、
確かに薄汚く見えるでしょう。
ですが、だからと言って「こんなもの失くしてしまえ」というのは、
良くないことだと思います。

この出来事は、ビオトープ池にはヤゴのエサとなる他の生きものも住み着いていて、
また水質も悪くない状態だったということを意味しています。
ビオトープ池をつくった当初は心配な面もありましたが、大成功です。
こんな小さなビオトープ池から、こんな大きなヤゴ(ギンヤンマの幼虫)が7匹も旅立っていったということが、私にはとても嬉しいことに感じます。
これからも、このようにして自然を回復させたり大事にしながら、自然や自然を守ることの大切さを伝えていきたいと思います。