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血液チューブ外れ、人工透析の女性死亡/気になるニュース

2010-07-02 01:11:50 | 透析
血液チューブ外れ、人工透析の女性死亡(読売新聞) - goo ニュース

 人工透析医療を受けることで、我々透析患者は命をつないでいる。毎回、透析を受けていると、穿刺に始まる治療も、慣れてしまう。当初は、自分の血管からチューブに流れる血を見ていると、不思議な感じがしたものだが。血液をとる場所と、返す場所の2か所にかなり太い針を刺すのである。透析が終わって、針を抜いた後に、上手く止血ができなかった時は、そこから血が流れ出して、初めて見た人は驚くだろう。患者の中には、帰りの電車の中で、突然出血をして、シャツの袖が真っ赤になった人もいる。そんな時も、早めに自分の指で、出血している所を圧迫して止血すれば良いのであるが、周りの乗客はきっと何事かと驚いたことだろう。ある患者は、就寝中に、針を刺したところから出血して、朝起きたら、シーツが真っ赤になっていたという。幸い、失血量も見た目ほどは多くはなかったようだ。

 僕も、透析終了後に針を抜く時に、指で押さえる位置がずれていた時に、血管から、血液が激しく飛び出したことがある。水鉄砲のようにというのか。

 4時間の透析中は、針を刺した腕は動かせないが、慣れてくれば、自由になる片手で色々とすることができる。本を読むこともできるが、重たい本は慣れるまで、持つのに苦労した。透析中に食事をとるが、片腕でお弁当を食べている。

 針を刺した部分は、簡単には抜けないように、しっかりと止めている。もし、これが抜けたら、止血するまでかなりの出血があるだろう。しかし、血液が流れる回路に以上があれば、透析機が警報音を鳴らすようになっている。血流の圧が上がった時も、警報音が鳴る。食事時などは、あちこちで虫の声ならぬ警報音が鳴ることがある。そんな時は、直ぐにスタッフが飛んできて、状態を直すことになっている。患者は、命をスタッフに預けているのだ。お互いの信頼がなければ、しっかりした透析医療は成り立たない。透析機をはさんだコミュニケーションとでもいうのであろう。

 しかし、7月1日付の朝日新聞の多摩版に嫌なニュースが載っていた。同じ三多摩にある透析クリニックで起った人的ミスによる死亡事件であった。gooニュースでも、新聞社数社がこの事件を取り上げていた。今後、患者会としても、事件の検証が必要になるだろう。
 死亡した女性は、血管が細いので、通常の透析患者のような穿刺は行っていなかったようだ。しかし、器械の警報ブザーが鳴った時、何故、血液をとっていた左太ももと見なかったのだろうか。布団をめくれば、早期に発見できた出血であった。スタッフ同士の申し渡し等のミスがあったのだろうか。透析施設の管理体制に問題があることは確かである。人間なので、個人的にミスが生じても、それをフォローするような安全管理体制が不備だったら、事故の拡大を防ぐことはできまい。

『東京都町田市中町の「あけぼの第二クリニック」で人工透析の治療を受けていた同市の池田茂子さん(当時73歳)が、足のチューブが外れて大量に失血し死亡していたことが30日、町田署への取材でわかった。

 同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聞いている。

 同署幹部によると、池田さんは6月14日、同クリニックで人工透析を受けた。治療開始から約3時間後に警報ブザーが鳴り、30歳代の男性看護師が駆けつけたが、異状に気づかず透析を続けた。数分後に再びブザーが鳴り、同じ看護師が布団をめくると、透析機から血液を送るチューブが池田さんの左足から外れ、血が漏れていた。池田さんは別の病院に運ばれたが、翌日に死亡。司法解剖の結果、死因は出血性ショックとみられるという。

 池田さんの長男(47)は「母は手の血管が細いので太ももにチューブをつけていた。最初のブザーで気づいていれば、こんなことにはならなかったのに」と話した。同クリニックは取材に対し、「ご家族の了解が得られていないので、医療行為の詳細はお答えできない」としている。』