1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「This is England.」

2010-05-12 20:19:30 | 映画
 「This is England.」を見ました。1980年代初頭のサッチャー政権下でのイギリスが舞台の物語です。フォークランド紛争と300万人を超える失業者。移民と有色市民の宗教性を排撃しようとする右翼団体「ナショナル・フロント」の台頭。貧困と差別の拡大。頭をスキンヘッドにして仲間との一体感を実感し、ドラッグによって閉塞感を忘れようとする若者たち。

 フォークランド紛争で父を失い、不良グループに救われ、ナショナル・フロントに随伴した少年の目を通して、映画は、サッチャー時代の”England”を描いていきます。”England”という国家イデオロギーに翻弄され、虐げられた者同士が傷つけあっていく姿が、とても痛ましい映画でした。



 写真は、映画のラスト近くのシーン。少年は、この旗をどうするのか。シェーン・メドウス監督の思いが、ラストのシーンにこめられていると思いました。