1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「ルノワール 伝統と革新」

2010-05-30 09:33:00 | 美術館
 国立国際美術館で開かれている「ルノワール 伝統と革新」展に行ってきました。初期から後期までのルノワールの作品、約80点が展示されていました。歳をとるにつれて、ルノワールの絵が、豊満で、やわらかくて、明るい色彩になっていくのがとてもよくわかりました。リューマチに苦しみながら、描き続けるという苦痛はあっただろうけれど、画家としては、精神的にゆらぐことがなく、充溢した老後を生きたのだろうと思いました。

 これは好みの問題だけれど、ルノワールの絵を一通り見終わったあとで一番感じたことは、悲しみやせつなさ、苦しみや不安が絵から伝わってこないということでした。同じ美術館で見たモディリアーニの絵は、とても哀しかったけれど・・・。

 「絵とは、好ましくて、楽しくて、きれいなもの。そう、きれいなものでなければいけないんだ。」これは、ルノワールの言葉。悲しみや苦悩を描かない、それがルノワールの絵なのでしょうね。

 きれいなものというと、今回の展覧会での僕のお気に入りは次の3枚でした。



「ブージヴァルのダンス」。黄色の帽子に青いスーツ。赤い帽子に薄いピンクの服、黄色の腰帯。この色彩が、なんともいえず美しかったです。モデルの女性は、ユトリロのお母さんだとか。ユトリロの絵も哀しい。



「シャトゥーのセーヌ河」。この絵を見ていると、ルノワールが印象派の画家であったというのがよくわかります。



それと「花瓶の花」。