命を尊ぶ
小さな蕾をたくさんつけて春が来るのを待っています。
裏山で、子どもたちが頂上から降りてくるのを待っている間、いろんなことを考えていました。
東日本大震災から間もなく9年目の春を迎えます。
現在、新型コロナウイルスの感染の拡大により、小中高校が一斉休校となり、卒業式が行えないまま卒業していく
生徒さんが多くおられ、残念な思いや悲しい思いをされておられることでしょう。
しかし、8年前の東日本大震災もこの時期に起こり、被災された地域の方たちは同じような思いで、いや、もっと悲しい思いや苦しい思いで人生の節目の行事を過ごされてきたのではないでしょうか。
8年経ったいま、建物や鉄道などは復興に向かっていますが、被災された方から発せられる言葉には、立ち向かう
強さと折れたままの心の闇があります。
人は、目に見えないものを恐れ、すぐに言葉にして発してしまいます。
その結果、SNSで誰かがつぶやくと、賛同したり惑わされたりしてしまいます。
マスクやトイレットペーパーの買い占めもその1つです。
医療機関や福祉施設など必要としている場所に不足し始め不安はたくさんありますが、
その人たちはあえて何も言わず、いつも通りを心がけて行動しています。
働くお母さんが休校になり困っておられることは、よくわかります。
国が出した方針が正解だったか間違っていたかはわかりません。
だけど、ほんの少し口に出さず我慢すれば、いつか良い方向に向くと思います。
子どものために、堪えた苦労は必ず子どもは気づき感謝していきます。
いま、こんな状態だからこそ、正しい判断を子どもと共に考えて行動していけるといいですね。
生き物や植物は厳しい冬や変化していく環境に耐えた末、
春になると美しい花を咲かせたり、新しい命が飛び立っていきます。
いまは、人が試されている時期なのかもしれません。
よく観察し、多くの情報の中から正しいと思うものを選択し、子どもにも考える機会を作り一緒に乗り越えていけると
未来を担う子どもたちが責任感を持って生きていけるのではないかと思います。
「子育てに正解はない」とよく言われますが、保育・教育の現場も同じです。
幼児教育に求められるニーズは多様化し、どれが正しいなんて言えません。
出会う子どもたちとぼちぼち歩いていくしかないと思っています。
それが、命を尊ぶということだと思うからです。