神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] パシフィック・リム

2013-08-10 23:32:22 | 映画

『パシフィック・リム』


[c]2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LCC

 

久し振りに映画館で映画。やっぱり、身体中に響く重低音が心地よい。見たのはギレルモ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』。これは期待以上に正真正銘のハリウッド版怪獣映画だった。

かつて、『ゴジラ』が『GODZILLA』になったような気持ち悪さはなく、怪獣好きが作った怪獣映画っぽい。なにがすごいって、CGのくせして、形も動きも着ぐるみっぽい。これが由緒正しい怪獣。

しかし、これをハリウッドで現実化すると、生々しさが強すぎて、怪獣というよりはエイリアン。ビルをなぎ倒すほどに馬鹿でかいし、知能もそこそこ。いろいろな特徴を見れば怪獣に違いは無いのだけれど、印象はどうしてもエイリアンになってしまう。

この怪獣と戦うのが、我らが巨大ロボット。二人(時には三人)が心を合わせていないと操縦できないあたりは、努力と根性と友情が好きな日本アニメ、トクサツの設定そのもの。

コックピットの中で実際にパイロットが動く動作をそのままロボットに伝える方式は、どうみても『ジャンボーグA』だ。この操縦方法は『勇者ライディーン』、さらには『ヱヴァンゲリヲン』にまで受け継がれている、これまた由緒正しいスーパーロボット。

さらに、隠し武器は鞭のように撓る形態から変形する剣。これまたどこかで見た設定のような……。

ここまで日本リスペクトだと、主人公メカがいかにもアメリカン・フットボーラ―なのが残念。そこはもうちょっと角とか髭とかつけようじゃないか。

主人公メカのジプシー・デンジャー以外のメカも個性的でかっこいい。オーストラリアのストライカーはもうちょっと今風。逆にロシアのチェルノ(この名前、大丈夫なのか?)はレトロ風。そして、中国のタイフーンは三人兄弟が動かす三本腕の深紅なメカ。機体に烈風赤紅とか、命とか、どちらかというと日本風な漢字が書いてある。書体も簡体字じゃなくて日本語フォント。

これらは怪獣の出現する太平洋の周辺国(まさしくパシフィック・リム)ってことなのだろうが、日本のイェーガーがいないのはどうしたことか。ストーリー上、マコが日本人なので、さらに日本人を出すわけにはいかなかったんだろうな。それが日本風漢字として残っているんだったりして。

漢字と言えば、マコの回想シーンに出てくる東京(のはず)の街並みの看板が微妙な日本語ばかりでおかしい。「萌と健太」っていうのは覚えているのだけれど、ほかには何があったっけ。このへんてこりんな街並みは、2chの並行世界スレで見るような不安感を醸し出している。あれは記憶の世界という演出だったのだろうか。

ハリウッドでここまで日本リスペクトな映画が作られるとは思っていなかった。それだけ、デル・トロが日本びいきだということなんだろう。こういう映画こそが、クールジャパンの誇りと思いたい。

 


[コンサ] 2013 J2 第27節 富山 vs 札幌

2013-08-04 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第27節 カターレ富山 3-1 コンサドーレ札幌 @スカパー

 

なかなか3連勝するのは難しい。こちらの出来が悪くなくても、向こうが出来過ぎならば、勝ち点が取れない。それでも、最低でも引き分けにすべきだったゲームだと思う。

試合開始前、どこかのバカが富山に対してJ3コールをしたらしいという情報が流れてくる。だからフラグ立てんなよと言ってるのに。一部のサポとはいえ、下位の富山に対して慢心が無かったといえば嘘になる。サポも含めて、J2に格下なんていないという雰囲気をもう一度作り直していこう。

 

富山は雨。かなり激しく降っている。そのせいもあってか、富山サポは少なく、空席が目立つ。

先週、宮澤が別メニュー調整ということもあってか、ボランチに砂川を起用。でも、宮澤を帯同できるなら、宮澤先発で良かった気もする。DFの控えがいないところを見ると、CBに万が一のことがあったら、宮澤をCBに使う気だったのだろう。それとも、松本のつもりだったのか。

さらに、ワントップにフェホを初先発で起用。鳥取戦の前田も、松本戦の三上も良かったのに、ここでフェホを使ってくるとは。何度目だという感じだが、結果を残した選手を使い続けないと選手のモチベーションが下がっていくぞ。まるでゲームのようにパラメータの高い選手を上から選んでいるだけに見える。

それとも、フェホを試したかったのか。まさか、下位の富山なら大丈夫とか思ったんじゃないだろうな。そういうところが慢心だというのだ。

試合は札幌ペースで進むが、杉山のお笑いプレーには肝を冷やした。バックパスのボールを蹴り返して相手にぶつけるとか、阿呆すぎる。それ以外にも、わざわざ前に出てもボールに触れないとか、致命的なミスが何度か。それでも、そこの局面からは失点しないところは、かつての曽田ファンタジー再現のつもりか。

ボールを繋いでサイド攻撃という札幌に対して、富山はカウンター主体で対抗。しかし、先制は富山。カウンター一撃ではなく、ものすごいミドルを決められた。クロスバーをわずかにかすめるような弾道は、杉山じゃなくても無理。

失点シーンだけでなく、ボールホルダーに詰め切れないシーンが多かったのは、砂川ボランチの弊害だったかも。マイボールになった時のリンクマンとしての動きは悪くないのだけれど、効果的な守備はできていなかった。

前半終わって富山 1-0 札幌。前半は札幌がポゼッションを高めて、何度も決定機を作ったが、相手GKの好セーブに阻まれた。一方、富山は的確なカウンター攻撃で、失点の見事なミドルシュートのほか、黒田のオーバーヘッドがわずかに外。

 

後半の序盤は富山が出足良くプレスをかけてきたが、徐々に失速。前半と同様の札幌ペースとなり、ついに得点。上里のフリーキックからこぼれたボールを三上がシュート。さらにそのこぼれ球を内村。ぶ厚い攻撃で同点に追いついた。

ここからさらに札幌の時間帯になるが、なぜかフェホを下げて宮澤を投入。当初の計画通りだったのかもしれないが、なぜこのタイミングだったのか。
これで砂川が前に出て、三上のワントップ。これがいい感じで回り始めて、決定機を作る。やっぱりワントップは三上がいいと思う。
しかし、富山にまたもや凄いシュートを決められる。深い位置からのクロスに、ほとんど角度のないところからのヘディングシュート。前半のミドルもそうだったが、J2でそんなの決まらないだろうというシュートを2本決められてしまった。

追いつくために、前田、工藤と点取り屋を投入して見たものの、システムが崩れて機能せず。逆に連続コーナーキックから失点し、3-1で敗戦。

 

結果論にすぎないけれども、財前監督の謎采配が悔やまれる。普通に調子の良かった組合せじゃダメなのか?

さらに連敗中の富山が、この試合では出来過ぎだった。まるでサッカーの神様が試練を与えてきたか、下手なサッカー漫画の試合みたいだ。

自分も普通にやれば勝てると思っていた。そういう慢心がサッカーの神様の気にそぐわなかったんじゃないか。ちょっと考え直した方がいいな。



[SF] SFマガジン2013年9月号

2013-08-04 21:35:54 | SF

『S-Fマガジン 2013年9月号』 (早川書房)

 

特集記事は「サブジャンル別SFガイド50選」。いろいろなSFのサブジャンル別ガイドブック。夏休みの課題図書選びに最適でしょう。

特集記事の中では、「マイ・スタンダードSF 2」の執筆メンバーが新鮮でよかったんじゃないかと思う。ハヤカワJA絡みの新顔とか、小田雅久仁とか。

こういうのは実際の重版と連動してるといいのだけれど。特集記事の中で入手困難なものがあれば、ぜひ重版よろしくお願いします>早川書房どの

特集以外で気になったのは、レビュー系の記事での紹介文。disりになっていたりとか、あんまり好意的じゃない文章が目立つ。辛口は悪くないのだけれど、記事を読んだ人が二の足を踏んでしまうようなものはどうなのか。もうちょっと言い方を考えてみましょう。書評のプロならば、一見褒めているように見えて、全く褒めてないとかの話芸を読んでみたい。


△「ナイト・トレイン」 ラヴィ・ティドハー
バチガルピ的なアジアン世界でのサイバーパンク? いや、シリーズ的にはスチームパンクなんだっけ。正直言って、その場で何が起こっているのかのレベルでわけのわからない文章は意図的なのか、ただ下手なだけのかが判断不能。過去のSFをネタにしたくすぐりは悪くない。

○「化粧歴程」 菅浩江
お化粧SFシリーズの完結編。これまでの連作の主人公たちのその後が描かれているんだと思うのだけれど、名前を見てもどんなエピソードだったかさっぱり思い出せない。Jコレで単行本化されるようなので、その時に読もう。

○「犬を連れた男」 草上仁
SFというよりは、ミステリの掌編。すぐにネタバレしているので、もうちょっとひねりを期待していた。すぐに解決すると日当が取れないので、探偵が無駄に捜査を続けたという解釈も可能なんだけど。

△「フェアリー・キャッチ[後篇]」 中村弦
前後篇に分かれて掲載で期待を持たせた割に、ありがちなおとぎ話で終わってしまった。