『カウボーイ&エイリアン』
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ゴールドラッシュ時代の西部。黄金を求めてエイリアンもやって来ていた!
エイリアンは人間の弱点を見つけるために、小型機から投げ縄を投げて村人をさらっていく。家族を取り戻すため、お尋ね者、村のボス、パブの主人、保安官の孫、そして謎の女性がエイリアンを追う。
もう、なんかいろいろ唐突でわけが分からないが、要するに西部劇の敵をエイリアンに持ってきただけ。アパッチ族は政治的に味方になって、代わりの敵が必要だったのか。相手はエイリアンでも妖怪でもなんでもよかったのだろうが、アメリカ人にとっては、謎の敵としてエイリアンが一番リアリティがあるということなのだろう。
もしかしたら、アメリカンヒーロー物が大ヒットしている現象と関係が大きいかもしれない。神話無きアメリカで生まれたヒロイック・ファンタジーも含めて、アメリカを考えるにはいい題材なのかも。
しかし、この設定、あまりにもへぼすぎる。狙ったかのようなB級っぷり。唐突でカオスでバカバカしくもいとおしい。このB級なシナリオをハリウッドの大スター達が大真面目に演じることによって、バカバカしさがリミッターを越えて増幅している。現代風なのはエイリアンの小型機のみで、他はどこからどう見ても西部劇。それが徹底しているがゆえに面白い。
映画としては画面の面白さで最後まで飽きさせないが、見終わってよくよく考えるとおかしすぎる。日本でも『GOEMON』みたいな大バカ時代劇があったが、そのハリウッド版みたいな感じか。
この手の方式で、本当のB級映画が量産されそうな雰囲気もあるが、場合によってはエポックメイキングな作品になるかも。
いや、日本にはすでに『エイリアンVSニンジャ』なんて作品もあるけどな!